2021年1月12日公開
プロ野球の春季キャンプ開始が2月1日から延期される可能性が生じてきた。これはもちろんコロナウィルスの急激な拡大が影響している。現在1都3県に出されている緊急事態宣言だが、ライオンズがキャンプを張る宮崎県も独自の緊急事態宣言を発令している。
宮崎県の南郷からすると、ライオンズがキャンプを張っている間の経済効果は決して小さくはない。全国からライオンズのキャンプを見学しようと多くのファンが南郷を訪れる。そうなるとやはりコロナウィルスのさらなる蔓延が懸念される事態となり、今年、プロ野球が本当に九州・沖縄でキャンプを行うべきなのかどうかが、難しい判断になってくる。
仮にキャンプの見学を禁止にしたところで、南郷に訪れるファンは必ずいるだろう。インターネットですぐに情報を得られる現代で、見学の禁止を知らずに南郷まで来るファンはいないはずだ。つまり禁止だと知っていても来てしまうファンは来てしまう。
そのような状況を想定すれば、今季は南郷ではなく、メットライフドームでスプリングトレーニングを行うのも良いと思う。ドーム内や室内練習場にはファンは入ることはできない。だが南郷の場合は開放感のある屋外球場で行われるため、ドーム内のように立ち入りそのものを禁止することはできない。南郷に行きさえすれば、遠くからならライオンズのキャンプを見学することができてしまう。
確かに12球団を総合的に考えると、ドーム球場を持っていない球団や、ライオンズのようにエアコンがないドーム球場を本拠地にしているチームは気候的には不利になる。また、オープン戦前は他のイベントで本拠地が使えないこともあるだろう。
そのため、簡単に九州・沖縄でのキャンプを中止にすべきだ、と言うことはできない。だが現時点でのコロナウィルス感染者の爆発的増加を鑑みれば、12球団を100%公平にすることを最優先にするわけにもいかない。
現時点、ライオンズの場合は毎年恒例の、キャンプイン直前の出陣式をすでに中止にしている。毎年ここでルーキーや新加入選手のお披露目や、ブルーレジェンズの新メンバー紹介などが行われるわけだが、今年はその出陣式も中止になってしまった。
ファンとしては寂しい限りだが、しかし時代が時代なのだ。今はコロナウィルスにどのように打ち勝ち、どうすれば安全にプロ野球を開催することができるのか、ということを最優先にしていく必要がある。
一部のモラルに欠けたファンの出現を予測するならば、やはり今年はキャンプは公開せず、本拠地で粛々とトレーニングに励むしかないのではないだろうか。本拠地でのスプリングトレーニングとなれば人の移動も最小限で済み、感染リスクを抑えることもできる。
ライオンズの場合は、これから巨人・ソフトバンク同様に宮崎県と協議していくことになると思うのだが、仮に南郷・春野キャンプが中止になったとしても、ファンは必要以上に落胆することなく、選手・球団・ファンの三位一体で無事3月26日に開幕を迎えられるように、協力し合っていく必要があるのではないだろうか。