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2021年1月13日公開

180億円規模の改修工事がいよいよ終わる新生メットライフドーム

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2017年から始まったメットライフドームの改修工事が2021年3月、いよいよ終えられようとしている。ドーム周辺も合わせた総工費は180億円という、メットライフドーム過去最大規模の改修費用となった。

プロ野球は選手をソフトとするならば、球場はハードということになる。ライオンズは今、ハード面でも新しく生まれ変わろうとしている。

12球団最大規模の室内練習場は2019年7月に竣工し、すでに稼働し始めていた。広さは内野フィールドを丸々と収めており、内野ノックやフリーバッティングを広々と行うことができる。そして屋根付きブルペンも5レーンあり、改修前とはまるで別物のように生まれ変わった。

まだ渡辺久信監督だった頃のライオンズは、球団施設の老朽化がよく話題になることがあり、その古い施設を嫌ってFAでライオンズを出て行った選手もいる、とも言われていた。古い施設に関しては筆者も度々仕事で訪れたことがあるのだが、確かに他球団の施設と比べると見劣りするものだった。

契機は2014年の西武ホールディングスの再上場

メットライフドームの今回の改修は2017に始まったわけだが、もちろん改修をするために少なくとも2〜3年以上はじっくりと協議を重ねられてきたはずだ。そしてこの改修案の契機になったのはやはり、2014年の西武ホールディングスの再上場だったと思う。

西武ホールディングスの前身である西武鉄道は、有価証券報告書虚偽報告により2004年12月に上場廃止となっていた。その後はサーベラス・キャピタル・マネジメントの出資を受けながら、後藤高志オーナーのもと再建を目指していた。

そして2017年4月に再上場を果たし、同8月にサーベラスが西武ホールディングスの保有株を手放したことにより、西武ホールディングスは再び独り立ちすることができた。

サーベラスは西武ホールディングスに対し、ライオンズを手放すことも提案していたのだが、それは後藤オーナーが断固として反対しライオンズを守ってくれたことにより実現せずに済んだ。

9年振りに独り立ちできたことにより、西武ホールディングスはライオンズをシンボルとして企業価値をさらに上げる取り組みを始められるようになった。そのメイン事業となったのがメットライフドームの改修だった。

2021年からは芝生席が椅子仕様に変更

メットライフドームは1979年に開場した西武球場時代からずっと、他球団のどこよりもちびっこファンが集う球場だった。この伝統は今も続いており、昨年夏にオープンしたテイキョウキッズルームにも継承されている。

ではなぜ西武球場にはそんなにたくさんの子どもたちが集ったのか?その理由は、実は西武ライオンズが誕生した1979年以降、西武球団は埼玉県の小学生たちにライオンズの帽子を配るなどの活動をしていた。これによりちびっこライオンズファンがどんどん増えていき、外野の芝生エリアに小学生たちが集うようになった。

ちなみに西武球場時代の外野スタンドは天然芝だったが、1998年のドーム化に伴い人工芝に敷き直された。そしてその人工芝スタンドも2020年シーズンが見納めとなり、2021年は全席が椅子仕様となる。

天然芝時代から西武球場、西武ドーム、インボイスドーム、メットライフドームに通った筆者としても、名物である芝生席がなくなってしまうことには多少の郷愁を感じたが、しかし時代を考えれば椅子仕様にした方がマーケティング面でも何かと都合が良くなるとは思う。

ボールパーク化した新生メットライフドーム

メットライフドームはもはや、野球を観るためだけの場ではなくなった。子ども連れで一日中いても飽きない、まるで遊園地のようなボールパークへと進化を遂げた。

ハード面は整った。球場に集うファンもコロナ禍が収束すれば今まで以上に増えるだろう。となるとあとはソフト面、つまり選手がどれだけ頑張り日本一に輝くことができるかどうかだ。

ライオンズファンが望むのはリーグ優勝ではない。あくまでも日本一だ。日本一になることこそがライオンズにとっての優勝なのである。

しかし選手は年々成長を見せてくれている。今年は2018年や2019年の二の舞とはならないだろう。新生メットライフドームを舞台に若獅子たちに躍動してもらい、ホークスを打ち破り、今年こそは日本一の栄冠をホークスから取り戻してもらいたい!

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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