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2023年12月15日公開

韓国のプロ野球がマキノン選手とエンス投手に大金を支払った理由

アジアのプロ野球リーグのレベルは日本が圧倒的に高い

韓国球界入りしたマキノン選手

ライオンズは今オフ、マキノン選手とエンス投手と残留交渉をしていたわけだが、残念ながら二人とも韓国球界への移籍が決まったようだ。

マキノン選手はサムスンと年俸1億2,700万円、エンス投手は韓国LGと総額1億4,000万円でそれぞれ契約を結んだ。ライオンズファンとしては残念ではあるが、しかし本人たちからすれば日本で野球を続ける自信がなかったのかもしれない。

野球ファンの多くが知っての通り、アジア圏内においては日本のプロ野球がダントツでハイレベルにある。アジア圏には韓国、台湾、中国とプロ野球リーグを持つ国があるが、まず中国に関してはプロ野球は年々衰退しつつある。

そして韓国や台湾にしてもそれぞれ八百長事件や賭博事件などがあり、決してプロ野球が繁栄しているとは言えない。真っ当に試合をすれば、現段階での実力では日本が韓国・台湾・中国に敗れることはまずないだろう。

以前台湾で打率.400をマークした王柏融選手が日本ハム入りしたわけだが、5年間ファイターズでプレーをしたもののまったく通用しないまま、今オフは台湾復帰が報じられている。

韓国自身が見る韓国プロ野球と日本のプロ野球のレベル差

マキノン選手の今季年俸は推定9,000万円だったわけだが、今季の成績を見ると127試合で打率.259、15本塁打、50打点という数字だった。今季のプロ野球では新外国人選手が軒並み不調だったわけだが、その中でもマキノン選手は比較的頑張ってくれていた。

しかし数字を見ると決して9,000万円に見合う結果ではないし、ここから大幅な昇給というのは現実的には考えられない。西武球団とマキノン選手の間では金額面で折り合っていなかったわけだが、西武球団としてもさすがにこの成績でサムスンのように1億2,700万円出すことはできない。

サムスン側としては日本では打率.259だったが、韓国のプロ野球レベルであれば.300・30本が見込めると考えたからこその1億2,700万円なのではないだろうか。マキノン選手に対する金額を見ても、韓国プロ野球自らも韓国のプロ野球は日本のプロ野球よりもレベルが劣ると考えているように思える。

エンス投手にしても2022年は10勝7敗と好成績を納めたが、今季2023年は1勝10敗とまったく結果を残せなかった。にもかかわらず韓国LGはエンス投手に対し総額1億4,000万円も支払う契約を結んだ。

これにしてもやはり、日本では勝てなかったが韓国でなら十分通用すると考えたからこそ、日本で今季1勝10敗に終わったエンス投手に対し大金を支払う契約を結んだのだろう。

マキノン選手の穴はしっかりと埋めていきたい今オフの補強

マキノン選手の退団によって、ライオンズはあと一人野手の補強を進める可能性が出てきた。ここまでライオンズはアブレイユ投手ヤン投手コルデロ外野手と契約を結んだわけだが、ボー・タカハシ投手と合わせると計4人となる。

もちろん外国人選手のベンチ入りは4人までとなるのだが、来季以降ボー・タカハシ投手は、近い将来主力投手たちがメジャー移籍するのを見越して先発に挑戦することになっている。

だがライオンズの1軍先発陣の層は厚いため、ボー・タカハシ投手がローテーション入りできる可能性は非常に低い。そのためボー・タカハシ投手に関しては来季の活躍というよりは、将来的に先発投手としてローテーション入りしてくれればいいという考えでの先発転向なのだと思う。

だとすると実質1軍でプレーする外国人選手は3人となるため、やはりマキノン選手に代わる野手をもう一人獲得する可能性は高いだろう。

ただしさすがに4人目も億越えの選手を連れてくるのは現実的ではないため、もう一人野手を連れてくるにしてもメジャー経験はほとんどないが、ポテンシャルが高いタイプの選手になるのだと思う。

そしてポジションに関しては三塁手として、一塁も守れる選手が望ましい。三塁には渡部健人選手が入ることも考えられるため、そのバックアップも含めて一塁も守れる選手を呼べると内野のバランスはとても良くなることが予想される。しかもそのような補強が行われれば、佐藤龍世選手の気持ちもさらに燃え上がっていくだろう。

年俸的には7,000〜8,000万円程度かそれ以下で、ある程度長打を打てる打者になるのではないだろうか。そこはコルデロ選手が不発になる可能性も考慮しながら、やはりパワーヒッターを呼ぶのが最善だと筆者は考えている。

理想的には2002年にライオンズに在籍していたトム・エバンス選手のようなタイプがいいのではないだろうか。エバンス選手の年俸は3,500万円で、ライオンズでは78試合で打率.252、本塁打15、打点45というマキノン選手同等の数字をマークしている。

このような格安助っ人で、シーズンをフルで出れば30本前後のホームランを打ってくれる内野手をもう一人補強できれば、松井稼頭央監督としても非常に采配を執りやすくなるだろう。

松井稼頭央監督の初年度はしっかりとした補強をしてあげられず、しかも主砲が不祥事で出場禁止になるなど恵まれないシーズンとなった。だが2年目に関してはここまでしっかりとした補強が進められているし、もう一人助っ人野手を呼べれば、かなり優勝に近いところにチームを持っていけるはずだ。

とにかく2024年は是が非でも日本一を達成するため、決して詰めが甘くならない補強を西武球団には期待したい。そしてそのためにもマキノン選手が抜けた穴はしっかりと埋める必要があると筆者は考えている。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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