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2023年12月15日公開

山川穂高選手のソフトバンク移籍は西武にとってはFA補強同然の好結果

2023年12月18日更新

アマチュア時代から人間性が疑われていた山川穂高選手

ソフトバンクと入団合意の山川穂高選手

どうやら山川穂高選手とソフトバンク球団が入団合意に至ったようだ。筆者個人としては山川選手がライオンズを去ってくれたことはポジティブに捉えている。だが山川選手に関してはこの騒動で人気は大幅に低下し、人間性も疑われるような結果となっている。

まず、すでに一部のメディアが報じている通り、ソフトバンク球団と合意に至ったのであれば、その直後に西武球団に連絡を入れるのが筋というものだ。「メディアに先走られた」などという言葉はまったく言い訳にはならない。山川選手が西武球団に連絡を入れないことについては渡辺久信GMも「そこがどうなのかと思ってしまうところですね。(報道で)色々言われていますけれど、普通はね・・・(連絡するよね)」と半ば呆れ顔だ。

【追記】12月17日になってようやく山川選手から渡辺久信GMに電話があったらしいが、やはり連絡が遅れたことなど一連に関する謝罪の言葉は一切なかったようです。これには取材に答える渡辺GMも呆れ顔で、終始苦笑いを浮かべるばかりでした。人に迷惑をかけたのに謝ることができない、これが山川穂高選手の人間性のようで、このような選手がライオンズから去ってくれて筆者個人としては本当に良かったという気持ちでいっぱいだ。

さて、仮に実際にメディアが先走って合意を報道したのであっても、実際に合意をしたのであれば、やはり報道の有無を問わずまず西武球団に連絡を入れるのが社会人としての常識ではないだろうか。

実は山川選手はアマチュア時代、まだ沖縄にいた頃から人間性に疑問符を付けられることがあった。オブラートに包んで言うならば「やんちゃだった」ということになるわけだが、野球の練習はしっかりしていたとしても、私生活に関しては決して評判の良い選手ではなかった。

その過去を鑑みれば、今山川選手が西武球団とライオンズファンに対し不義理を貫いていたとしてもまったく不思議はない。山川選手とはそのような人間性の選手なのだから、今さら何を言ってもそれは変わらない。

これは以前のコラムでも書いたことだが、ライオンズは毎年シーズンオフにスポンサー向けのパーティーを開いている。そこでスポンサーに対し謝罪したのは後藤高志オーナーであり、松井稼頭央監督だった。

これに関してはスポンサー側からも「山川が謝るのが筋」という声が多数挙がった。だが当の山川選手は雲隠れを決め込み、迷惑をかけた相手に自ら謝罪をすることはほぼしなかった。山川選手とはこのように、自らの過ちを認めることができない人間なのだ。

おそらく山川選手は未だに性暴行事件に関しては「自分は間違ったことは何もしていない。不倫以外は」とでも考えているのだろう。だからこそこれまで被害者女性に対する謝罪の言葉は一切口にしていないし、和解や示談をする気もまったくない。

このような人間性の選手にライオンズのユニフォームを着てもらいたくはない。それが筆者の正直な意見だ。なぜならライオンズはどの球団よりもちびっこファンを多く抱えており、選手たちには、その子たちに夢を与える存在であって欲しいからだ。だが山川選手が子どもたちの良き手本になることはもはや考えられない。

山川選手とソフトバンクは4年12億+出来高で合意

報道によれば山川選手とソフトバンク球団は4年12億+出来高払いという内容で合意したようだ。平均推定年俸は3億円となるわけだが、この契約内容そのものも西武球団を蔑ろにしていると言える。

西武球団は山川選手に対し単年契約の大幅減俸を提示していた。実際どれほどの減額だったのかは詳しくは報じられていないが、今季年俸の2億7,000万円から、少なくとも1億円以上のダウン提示だったのではないだろうか。

ちなみに年俸2億7,000万円だったとしたら、極端な話、半分税金で持っていかれたとしてもまだ1億3,500万円が残る。そしてこれまで西武球団が山川選手に対し支払ってきた年俸を含めれば、被害者女性が求めた示談金1億円など簡単に支払えるはずだ。

もちろん実際に示談が成立した場合、要求した1億円がそのまま通ることは考えにくく、1億円よりは大幅に低い額になっていたはずだ。それでも山川選手は決して女性に対し謝罪することはなく、示談も拒否し続けている。

そして今山川選手はソフトバンク球団から少なくとも12億円をもらうことが報じられた。果たして被害者女性はどのような気持ちでこの報道を目にしているのだろうか。

ソフトバンク球団は独自の調査を行い、山川選手の獲得には問題ないと判断したようだが、筆者はまったくそうは思わない。おそらく被害者女性は今後民事訴訟の準備をしていくはずだ。そうしなければ被害者女性は、ただ山川選手に怪我をさせられただけで、ただ時間や裁判費用などの金銭を失っただけになってしまう。

被害者女性とすればやはり、怪我をさせられた分の償いはしっかりと受け取るべきであり、加害者である山川選手は誰に言われるまでもなく、民事訴訟を待つまでもなく、率先して被害者女性に対し補償をすべきだ。

そして不思議なのは、山川選手が示談を拒否していることに対し山川夫人はそれに賛成しているのだろうか。本来であれば山川夫人は同じ女性の立場として、夫が行なった蛮行に対ししっかり償いをさせる立場なのではないだろうか。

山川夫人についてとやかく言うつもりはないが、しかし筆者個人としてはこの点は非常に気になっていた。

ライオンズにとってはFA補強同然の山川選手の移籍

さて、ソフトバンク入りがほぼ決まった山川選手に対するファンの声は非常に辛辣だ。「ホークスに来ればただ応援するだけ」と言うファンも一部ではいるようだが、ファンの意見のほとんどは山川選手に対し批判的だ。

実際山川選手のソフトバンク入りが報じられた直後は、ソフトバンク球団では苦情の電話が鳴り止まなかったらしい。ライオンズファンのみならず、ホークスファンの多くも山川選手に対しアレルギー反応を起こしているということだ。

ちなみに山川選手は来季は33歳であり、ここからさらにレベルアップしてキャリアハイを上乗せする可能性は非常に低い。しかも山川選手は怪我に弱く、ライオンズ時代も毎年のようにどこかを怪我して、フルシーズンを戦い抜いたことは二度しかない。

そして高木豊氏らは、今季のブランクはまったく影響しないと仰っているが、筆者にはそうは思えない。確かに山川選手はフェニックスリーグでホームランを打っているが、フェニックスリーグには1軍の主力投手はほとんど出てこないし、そもそも腫れ物的扱いをされている山川選手に対し、本気で内角を攻めてくる投手もいなかったと思われる。

だが果たして1軍のエース級と対戦したらどうだろうか。1軍のエース級のボールは、1軍と2軍を行ったり来たりしている投手たちのレベルとは次元が違う。そのためブランクの影響について語るのはやはり1軍の試合にしばらく出た後にすべきだろう。

ライオンズファン、ホークスファンの総合的な意見としては、とにかく山川選手に対しては批判的だということだ。恐らく来季はベルーナドームでも、PayPayドームでも山川選手はブーイングを浴び続けることになるだろう。

つまり山川選手は今後、常にアウェイ状態でプレーすることが求められ、筆者には山川選手がそれを打ち破りキャリアハイに近い成績を残すとはまったく考えられない。

そもそも山川選手は得点圏打率が非常に低い打者なのだから、よりプレッシャーがかかる場面で来季から突然打てるようになることはまずないだろう。

そしてソフトバンク球団も山川選手を獲得したことにより、多くのホークスファンを敵に回してしまった。ライオンズでは山川選手は今なお公式戦出場停止処分が課されている。だがホークスに移籍することにより、この処分が無効になる。西武球団は、山川選手がライオンズを出た場合はこの処分は無効になることを明言している。

つまり山川選手は上述したように西武球団への不義理を貫いているだけではなく、被害者女性にも謝罪せず、ライオンズのスポンサーにも自分では頭を下げず上司に頭を下げさせ、1軍では今季まったく試合に出ておらず、ライオンズファンもホークスファンも敵に回し、移籍をすることで処分を無効にして試合に出る道を選んだ。要するに山川選手は何一つ禊を済ませていないのだ。

そのような選手を引き取ってくれたことに対し、筆者はソフトバンク球団には感謝している。ライオンズとしてはこれでようやく腫れ物がなくなり、来季はチーム一丸となって優勝を目指し、試合に集中できる環境ができたのだから、山川選手がライオンズを出て行ってくれたのはライオンズにとっては非常に良いニュースだったと言えるのではないだろうか。

言い換えると、山川選手がライオンズを出て行ってくれたことは、ライオンズにとってはFA補強同然の結果になると言える。またこのFA移籍によってホークスから素晴らしい選手を人的補償で得られるのであれば、このFA移籍はライオンズにとっては間違いなくプラスに働いていくはずだ。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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