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2023年12月28日公開

大魔神佐々木主浩投手を彷彿させる西武のドラフト2位上田大河投手

ドラフト2位ルーキー上田大河投手も来季の守護神候補

大魔神佐々木主浩投手を彷彿させる西武のドラフト2位上田大河投手

来季、ライオンズの守護神争いもかなり熾烈を極めてきた。まず最有力候補はもちろん増田達至投手となるわけだが、今オフはアルバート・アブレイユ投手という新守護神候補を獲得しており、さらには田村伊知郎投手豆田泰志投手も新守護神に名乗りを上げている。

今季は増田投手の状態が良くなく、守護神のセーブ失敗で落としてしまう試合も多かったわけだが、どうやら来季は増田投手一択ではなく、増田投手の状態が上がってこなければ、いくらでも守護神候補がいるという状態でシーズンに入っていけそうだ。

だが新守護神候補は決して彼らだけではない。今年のドラフト会議で2位指名した上田大河投手もその一人として名前を挙げることができる。一般的にはドラフト1位の武内夏暉投手ばかりが注目を浴びがちだが、しかし上田投手もドラフト1位に匹敵するレベルの逸材だ。

大阪商業大学では先発として通算22勝を挙げており、日本代表では守護神として素晴らしいピッチングを披露している。後藤光貴スカウトによればリリーフの適性も非常に高く、ライオンズとしてはリリーバーとして起用していく可能性が高いようだ。

上述した投手だけではなく、もし上田投手が1年目からリリーフとして1軍で活躍するようになれば、ライオンズの守護神争いは本当にレベルの高いものへとなり、この競争がいつか増田投手を越えていく新たな守護神を生み出すことになるだろう。

上田大河投手はドラフト2巡目まで残っていたのが不思議なほどの逸材

上田投手はオーバーハンドスローから150km/hを超えるストレートを投げ込み、変化球はフォーク、スライダー、カッター、カーブ、チェンジアップと多彩だ。もし先発として行くのであればすべての球種を磨いて行く必要もあるが、リリーフで行くのであれば、まずはストレートとフォークボールに磨きをかけ、狙って三振を奪れる投手を目指すのが良いのではないだろうか。

先発の場合は多彩な変化球があるほど打者を幻惑させやすくなるが、リリーフ投手の場合はイニングも球数も少ないため、あれもこれもと欲張りに球種を磨こうとするよりは、フォークならフォーク一本に絞り、それを徹底的に磨いて行くことによって名リリーバーを目指せるようになる。

ちなみに上田投手はプロでトレーニングを積むことによって球速は今よりももっと速くなって行くだろう。フォームを見る限りはまだ完成形とは言えず、下半身をもっとプロレベルと言える段階まで鍛え、それを使いこなせるようになれば、近い将来160km/h前後のストレートを投げられるようになるはずだ。

160km/h近いストレートを投げられるようになり、さらにフォークボールということになると、上から堂々と投げ下ろすその姿はさながら大魔神佐々木主浩投手のようだ。上田投手は近い将来、間違いなくそのような存在へと進化して行くだろう。

まさか大学野球日本代表の守護神をドラフト2位で獲得できるとは、筆者はまったく想像していなかった。今オフのライオンズの補強は外国人選手だけではなく、ドラフト指名でも本当に完璧と言えるくらい素晴らしい補強を完成させたと思う。ここまで補強が上手く行く年は、他球団を含めてもなかなかないのではないだろうか。

上田大河投手は潮崎哲也投手に勝らぬとも劣らない強心臓の持ち主

上田投手自身は先発やリリーフへのこだわりは持っていないようだ。ライオンズでは与えられたポジションを全うするという趣旨のコメントも残しており、そういう意味ではフォアザチームの精神を持った素晴らしい選手だと言える。そして大学日本代表では投手リーダーも務めたほどのキャプテンシーも持ち合わせている。

そしてマウンド度胸も満点で、ピッチングを見ていてもピンチで動じるような姿はまったく見られず、逆にピンチになるといつも以上に燃えているような姿を見せる。このようなメンタルを持つ上田投手は、まさに守護神を目指すのに相応しい存在だと言える。。

ライオンズではかつて、心臓に毛が生えているとも言われた強心臓の持ち主、潮崎哲也投手という素晴らしいリリーバーがいた。上田投手のメンタルの強さは、その潮崎投手に勝らぬとも劣らないモノのように見える。

そしてこの上田投手がライオンズで背負う番号は11番だ。これは一年前に今井達也投手が返上した背番号であり、ライオンズではかつては岸孝之投手、石井丈裕投手、森繁和、加藤初投手、そして故森慎二投手ら錚々たるメンバーによって受け継がれてきた番号だ。この番号を与えられたというだけでも、上田投手がライオンズからどれだけ期待されているのかということがよく分かる。

ちなみに西武ライオンズになって以降、背番号11を背負って活躍できなかったのは、1997年に逆指名1位でライオンズに入団した安藤正則投手だけだ。安藤投手は残念ながら制球難を克服することができず、1軍登板もないまま、わずか5年でユニフォームを脱いでしまった。だがそれ以外の11番を背負った投手たちは、いずれも素晴らしい投手ばかりだ。上田投手もこの栄光の背番号11を背負い、将来はそんなレジェンドたちの仲間入りを果たして行くのだろう。

そして上田投手は、間違いなく1年目から1軍デビューを果たすはずだ。それどころか、開幕1軍メンバーに名を連ねていても不思議ではないレベルの即戦力右腕だと評価できる。

上田投手の獲得も含めてこれだけ完璧な補強を行えたのだから、来季のライオンズは間違いなく常時優勝争いを繰り広げることになるだろう。そしてもし上田投手が、増田投手の出番が減るような活躍を見せてくれれば、来年の秋は間違いなく日本シリーズをベルーナドームで観戦できることになるはずだ。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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