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2024年8月16日公開

山川選手に3本塁打も浴び、西武バッテリーはファンの気持ちを分かっていないのだろうか?!

埼玉西武ライオンズ vs 福岡ソフトバンクホークス/20回戦 ベルーナドーム
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
Hawks 2 0 2 0 2 0 3 0 0 9 10 0
Lions 0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 11 2

継投●與座海人上田大河水上由伸ジェフリー・ヤン田村伊知郎中村祐太
敗戦投手與座海人 1勝3敗0S 6.06
本塁打古賀悠斗(3)
失策野村大樹(3)

昨季から目に見えて女性ファンの姿が減っているベルーナドーム

與座海人投手

今日の敗戦は情けない。本当に情けなさすぎる。ライオンズファンの気持ちを慮れば、山川選手に3本塁打を打たれることなどあり得ないはずだ。確かに上田大河投手ジェフリー・ヤン投手は山川選手とチームメイトになったことはない。だが山川選手がそういう存在であることを知らないはずはない。

そしてそもそも與座海人投手だ。初回に三番打者を四球で歩かせた後、山川選手に対する初球を簡単に投げすぎだ。古賀悠斗捕手は高めのボールになる釣り球を要求していたと思うのだが、それがストライクゾーンに収まるか収まらないかという中途半端な高さに行ってしまった。

当然山川選手は與座投手のボールの軌道を熟知している。地面スレスレのところから高めに上げてくることも分かっている。だが山川選手がそれを分かっているということを、まるで與座投手と古賀捕手が分かっていなかったかのようだった。そういうボールが来ると分かっていた山川選手に対し甘めのそういうボールを投げているのだから、これはバッテリーをフォローしようにもしようがない。

筆者個人としてはホークス戦で山川選手の顔が画面に映ることさえも嫌なのに、それがまさかの1試合3本塁打などまったく考えられない。ちなみに山川選手の顔を見たくないというライオンズファンは筆者だけではない。筆者が知る多くの女性ライオンズファンは特に、SNSでも山川選手に対し今なお嫌悪感をまったく隠そうとはしない。

そして今日、パテレの画面に映し出されたベルーナドームの外野スタンドを観察していると、女性ファンの数が信じられないほど少なかった。以前はそうではなかった。若い女性から黄金時代を知る世代の女性まで、多くの女性ファンをベルーナドームで見ることができた。

今日幾度か映し出された外野スタンドには、1ショットで恐らくは100人以上のファンが映し出されていたと思う。だがその画面でまったく女性ファンを見つけることができなかった場面が少なくとも2〜3回はあった。もちろんよく見れば女性ファンもいたのかもしれないが、しかし筆者が意識してじっくり探しても見つからない程度の人数だった。

西武球団は2000年代以降、特に女性と子どもを球場に呼ぶマーケティングに力を入れてきた。そのため数年前まではスタンドが画面に映し出されると、本当に多くの女性ファンを見て取ることができた。

筆者個人は球場に行っても歌いながら応援するのではなく、内野席でじっくりと野球観戦をするタイプであるため、応援歌には疎い。だが応援歌の一つには、女性ファンだけが歌うパートがあるものがあるのではないだろうか。もし間違っていたら大変申し訳ないのだが、しかし応援の素人なりに、女性ファンだけが歌うパートがあると勝手に認識している。

その女性の声だけが聞こえてくるパートの音量が、球場で観戦していてもパテレで観戦していても、昨年あたりからどんどん小さくなっているのが筆者は気になっていた。そして画面に映し出されるスタンドを見ても、やはり女性ファンの姿は目に見えて減っている。

西武HDの株主総会でも提案されたように、やはり西武球団は山川穂高に対し何らかの損害賠償を請求すべきではないだろうか。少なくとも山川選手には球団イメージを大きく毀損されているのだから、西武球団が損害賠償を請求する権利は間違いなくある。

まぁそのようなことをさて置いたとしても、少なくとも筆者以外にも数え切れない女性ライオンズファンが山川選手に対し嫌悪感を示していることは間違いない。そのファンの気持ちを僅かでも理解していれば、1試合3発どころか、決して山川選手には打たせない配球をしているはずだ。

しかしライオンズの投手陣は今季、山川選手に7本も被弾している。これは8本の楽天に次ぐ多さだ。ライオンズバッテリーはなぜもっと内角を抉っていかないのだろうか。なぜもっと山川選手を退け反らせたり、尻餅をつかせるような厳しい配球をしないのだろうか。いや、しないのではない。死球を当てずにそのような厳しい攻め方ができる制球力がないだけの話だ。

渡辺監督代行が幾度も反省を促しても同じミスを繰り返す古賀悠斗捕手

上田投手が山川選手に打たれたボールは内角に行っていた。だが完全にストライクゾーンに収まった内角球で、球速も144km/hでしかなかった。上田投手のウィニングショットはスプリッターなのだから、初球からその勝負球を投げていくくらいの配球が見たかった。だが何故か山川選手に対してはストレートで簡単にストライクを取りにいき、その結果簡単にホームランを打たれてしまっている。

そしてヤン投手が打たれたボールは完全に失投だ。2-2という平行カウントからのスライダーだったのだが、これがど真ん中から甘い内角に入っていくホームランボールだった。ちなみに初球も同じような場所に同じようなスライダーを投げているのだが、山川選手はそれは空振りをしていた。恐らく古賀捕手はそれを見てこの打席はスライダーを多投させたのだと思うが、しかし5球中4球もスライダーを見せて、しかもそれが最後にまた甘いコースに行っては打たれない方が不思議だと言える。

ホームランを打たれたこれらの配球には渡辺久信監督代行も苦言を呈している。特に入り方に対する反省を促していたわけだが、それが促されたのは今日が初めてではなく、これまで幾度も渡辺監督代行は反省を促していた。だがそれでも同じ配球ミスをしているというのは、一体どういうことなのだろうか。

野田浩輔バッテリーコーチの現役時代は、若い頃であっても古賀捕手よりもずっと安定感のある良いリードをしていた。そのため野田捕手であれば配球の妙についても指導できるはずだし、実際指導しているはずだ。それでもこれだけ配球ミスが続くというのは、古賀捕手は自らの配球が頭に入っていないか、もしくは残っていないということなのではないだろうか。

しかし少し前にも書いた通り、名捕手や名打者、名投手というのは配球をほぼ完璧に覚えているものだ。そのためミスをしたとしても同じミスを繰り返すことがほとんどない。そして同じミスを繰り返さないからこそ彼らは名選手へと成長していくことができた。だが古賀捕手の配球は昨年からずっと見ていても、大きな成長の跡が見られない。

そう考えるとライオンズは今年のドラフトでは、少なくとも捕手を2人は支配下選手指名する必要があるのではないだろうか。残念ながら今のライオンズには、古賀捕手の成長をのんびり待っていられるような余裕はない。それならば即戦力になりうる大卒もしくは社会人捕手を積極的にドラフト指名していくべきだ。

もちろん外野手の補強も必要であるわけだが、しかしここまでのライオンズの戦い方を見ていると、捕手で負けたゲームがあまりにも多いのだ。捕手は昔から扇の要や、グラウンド上の監督と呼ばれるほど重視されてきたポジションだ。メジャーの場合はバッテリーサインをベンチが出すケースも多いわけだが、しかし日本のプロ野球ではほとんどすべてのケースでサインは捕手が出している。そのためメジャー以上に捕手の捕手としての能力が勝敗に直結していくのだ。

メジャーの場合は強肩でブロッキングが上手くて打力があればそれで良いという場合も多い。何故なら上述の通りベンチがバッテリーサインを出すことが多いためだ。しかし日本ではいくら打てたとしても配球力がない捕手ではチームを勝たせることはできない。

今日古賀捕手が打ったホームランは見事だったわけだが、しかしそれが帳消しになってしまうほど、今日打たれた4本のホームランに対する配球は筆者にとっては疑問が残るものだった。

二軍に戻る日もそう遠くはないアンソニー・ガルシア選手

今日は最後にアンソニー・ガルシア選手のことも少しだけ書いておきたい。ガルシア選手はデビュー直後こそ二塁打を連発していたが、最後に打ったヒットは8月4日の1打席目まで遡らなくてはならない。つまりもう10日以上ヒットが出ていないということだ。

しかも今日に関しては以前フランチー・コルデロ選手が見せたのと同様のエラーをしてしまっている。打球と照明が被ってしまったという可能性も否定できないわけだが、しかしそうだとしてもホームグラウンドなのだから、そのあたりはしっかりと把握して対策しておくのがプロとしては当たり前だ。

そしてバッティングに関しては、ガルシア選手はしばらくは一軍レベルの投手から安定的にヒットを打つことはできないはずだ。その理由は、左打ち(実際にはスイッチヒッターだが)のガルシア選手は右足をステップした際、その右足が接地する瞬間にはもう右のつま先がほとんどショートの守備位置を向いてしまっているのだ。

ステップした右足がこれだけ開いていては、日本人投手が巧みに操る緩急に対応することはまずできないだろう。デビュー直後に関しては相手バッテリーも探り探りで投げていたため、積極的なスウィングが奏功していた面もあった。だが緩急に弱い姿を見破られた後は、相手バッテリーに面白いほど翻弄されてしまっている。

渡辺監督代行はインタビューで、ガルシア選手はかつてのラルフ・ブライアント選手のように三振かホームランかで良いと語っていた。しかし残念ながら今のガルシア選手のスウィングではブライアント選手になることは技術上不可能だ。

ガルシア選手のこの右足に関しては明らかに弱点になるポイントであるにもかかわらず、なぜ打撃コーチたちはこれを直させないのだろうか?この悪癖を直せればもう少し緩いボールをしっかりと見ていけるようになるはずなのだが、しかし今は緩い変化球を低めに落としていけばほとんど確実に空振りが取れるという状態になってしまっている。

残念ながらガルシア選手が二軍に戻る日もそう遠くはないだろう。果たしてその時コルデロ選手が上がってくるのか、もしくは他の選手が上がってくるのかは分からないが、しかし今のガルシア選手が一軍でヒットを打つためには、相手投手のストレート系のボールによる失投を気長に待たなければならない。

アギラー選手とコルデロ選手の年俸を足すと3億円ちょっとになるわけだが、もしかしたら来季のライオンズは2億円と1億円の選手を二人連れてくるのではなく、3億円クラスのスラッガーを一人連れてくる方が良いのかもしれない。和製大砲の育成が間に合っていない現状を考えると、やはり打てる外国人打者不在という状態で戦うのはあまりにも酷だ。

そして今オフに関しては多くの高額年俸者の年俸が下がることが考えられるため、その分外国人スラッガーの獲得に4億5億と使っていってもらいたい。そしてさすがにそろそろFAで日本人強打者を獲得しないことには、再建も始まらないのではないだろうか。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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