2022年9月29日公開
今日イーグルスがホークスに敗れたことで、ライオンズの3位が確定した。一時はAクラス入りさえ危ぶまれるほどチームは崩壊寸前だったわけだが、最後の最後で先発投手たちが踏ん張り、何とか3位を死守することができた。
CSファーストステージは10月8日からの土日月の大阪、もしくは福岡で開催される。まだ1位と2位は確定していないが、ファーストステージは2位球団のホーム球場で行われる。
ファーストステージには、ファイナルステージのような1勝のアドバンテージは与えられない。しかしホームで戦えるという地の利、1勝1敗1分、もしくは0勝0敗3分の場合は2位チームがファイナルステージに進めるというルールになっており、3位ライオンズからすると、ファーストステージでの引き分けは敗戦同然という形となる。
ライオンズは2018年と2019年にリーグ優勝し、ファイナルステージをホームで戦った。しかし1勝のアドバンテージがあったにもかかわらず、短期決戦でライオンズはホークスに手も足も出ないまま敗退してしまった。
だがその時のライオンズとは投手陣のレベルが違う。2018〜2019年のチーム防御率はリーグ最低レベルだったのだが、今季はリーグトップのチーム防御率を誇っている。今季のライオンズ先発投手陣のレベルであれば、ファーストステージで2勝することも決して夢ではないだろう。
しかしファーストステージに於いては、両球団ともに出し惜しみをすることはない。つまり2位だったとは言え、エースをファイナルステージ初戦のために温存させることはできない。するとファーストステージでの初戦は自ずとエース対決となり、もしバファローズが相手の場合は山本由伸投手、ホークスが相手の場合は西武戦を得意としている東浜巨投手、もしくは千賀滉大投手が初戦に投げてくることになる。
エースをファーストステージの初戦に登板させ、中5日でファイナルステージ第2戦にぶつけるというのが常套手段だと言える。ただファーストステージの球数次第では中4日でファイナルステージの初戦に登板することもあるだろう。ただ、バファローズにしろホークスにしろ安定した先発投手が2人いるため、無理して中4日で投げさせることはないと思う。
ライオンズの先発は十中八九、初戦が髙橋光成投手で、第2戦が今井達也投手となるのではないだろうか。
第3戦に関してはホークス相手ならホークス戦とPayPayドームを得意とする與座海人投手、バファローズならバファローズを苦手としている與座投手ではなく、松本航投手となるのではないだろうか。
3位からの下剋上を狙うライオンズとしては、初戦は是が非でも勝ちたいところだ。この初戦で相手エースに投げ勝つことができれば、髙橋投手も真のエースへとまた一歩近づいていくだろう。だが仮にもしそこで自分のピッチングをできないようであれば、またただのローテーションピッチャーという立場からやり直す必要がある。
ちなみに主砲山川穂高選手からすると、自らが得意とするPayPayドームでのホークス戦となるのが望ましいのではないだろうか。
2位と3位のチームは、ひとまずファイナルステージのことを考えるべきではない。それを考えるのはコーチ陣の仕事であり、選手たちはファイナルステージの存在など忘れてファーストステージを戦わなければならない。まさにトーナメント戦のように。
そしてライオンズは残り2試合残っているわけだが、この2試合は勝ち負けには拘らず、上手く調整として使っていく必要がある。CSでの先発が予想される高橋投手と今井投手に関しては、5回を目処とした調整登板になるだろう。さすがにCSを翌週に控えて両投手を酷使することはできないが、逆に温存して肩を緩めるわけにもいかない。
そのためライオンズ打線としてはできるだけ早く援護し、二人が勝ち投手の権利を持って5回で降板できるようにしてあげたいところだ。
さて、今季限りで現役を退くことになった内海哲也兼任コーチだが、どうやら来季以降もライオンズのユニフォームを着てコーチを務めることになったようだ。これはまさに朗報ではないだろうか。
ライオンズには伸び悩んでいる若きサウスポーが実は大勢いる。しかし残念ながら、清川栄治コーチは彼らを伸ばすことがまったくできていない。そもそも清川コーチには中崎雄太投手を変速投法に変えさせて壊したという過去があり、筆者にはなぜ清川コーチがこれほどにも長くライオンズでコーチを務めているのかが分からない。
考えにくいことではあるが、最初の段階で複数年契約で招聘してしまったのか、それとも他に人材なく仕方なく任せているのか、もしくは無能なコーチに多い人当たりの良さが理由となっている可能性も0ではないだろう。そのあたりの事情は筆者には分からないわけだが、しかし筆者は清川コーチの育成能力には長年疑問を抱き続けている。
だがここで選手たちの良き兄貴分でもあった内海哲也投手が、来季以降は専任コーチとしてライオンズに残ってくれることになったのだ。これには堀内恒夫氏の助言もあったとのことらしいが、昨年の平石洋介コーチにしろ、今オフの内海哲也コーチにしろ、ライオンズは着々と有能なコーチを集めることに成功している。そしてこれは何と言っても渡辺久信GMの功績だ。
スカウト陣がいくら有望な新人を探してきても、彼らを育成できるコーチがいなければ意味がない。まさにライオンズの若きサウスポー陣に関しては強くそう言うことができる。だが指導力も人望もある内海哲也投手が専任コーチになってくれるのであれば、これほど心強いことはない。
内海コーチには来季はファームで若きサウスポーたちを叩き上げ、どんどん1軍に送り込み、ライオンズを左腕王国化させて欲しい。そして堀内恒夫氏が仰るように、第二、第三の内海哲也をライオンズで育成して欲しい。そしてゆくゆくは内海哲也コーチ率いる左腕たちの活躍で、日本シリーズでジャイアンツを打ち負かす姿を見てみたいのだが、内海投手にはもうジャイアンツのユニフォームよりも、ライオンズのユニフォームの方が似合っていると思っているのは筆者だけではないはずだ。