今西武ファンに必要なのは平井投手がここがホームだと思える応援

2023年8月22日公開

8月22日に正式に国内FA権を取得した平井克典投手

今西武ファンに必要なのは平井投手がここがホームだと思える応援

今日8月22日、平井克典投手が正式に国内FA権を取得した。ライオンズにとって平井投手は絶対不可欠の存在であるため、渡辺久信GMも何がなんでも平井投手を残留させたいと考えているはずだ。

平井投手は基本的にはリリーバーであるわけだが、先発投手としての適性も見せている。そのため、仮に先発陣が手薄な球団に移籍したとすれば、一年間先発ローテーション投手として投げ続けられる可能性もあるだろう。

現時点では、平井投手がどのポジションで最も投げたいと考えているのかは分からない。セットアッパーというポジションに十分なやりがいを感じているかもしれないし、あわよくば守護神と考えているかもしれない。もしくは再度先発投手に挑戦したいと考えている可能性もないとは言えない。

だが現時点においては、ライオンズの先発陣は比較的充実している。髙橋光成投手のメジャー移籍が現実的になるまでは、現在のメンバーで先発ローテーションは十分に回していけるため、ライオンズで近い将来、平井投手が完全に先発に回る可能性は高くはないだろう。

昨オフ、なぜ平井克典投手は複数年契約を固辞したのか?

ちなみに渡辺久信GMは昨オフ、平井投手に対し複数年契約を提示していた。だが平井投手自身は、理由は明らかにはなっていないが複数年契約は固辞し、1年契約を結んでいる。ファンとして非常に気になるのが、なぜここであえて複数年契約を蹴ったのかという点だ。

一般的にはやはり、平井投手はFA権の行使を前提に考えているため複数年契約を蹴った、と考えるのが自然なのだろう。だがこれは必ずしも移籍を意味するわけではないということは前提にしておきたい。

とは言え、仮に平井投手がFA宣言をすれば間違いなく複数球団が獲得に乗り出すはずだ。ホークスなども、今オフは山川穂高選手を獲得するであろうために準備していた資金が丸々浮いた状態だ。その資金の一部を平井投手の獲得に使う可能性は十分にある。

また、平井投手の地元である中日ドラゴンズも平井投手のようなセットアッパーは喉から手が出るほど欲しいはずだ。平井投手自身はまだまったく口にしてはいないと思うのだが、果たして平井投手は地元に帰ってプレーをしたいという希望を持っているのだろうか。ここが平井投手残留の分岐点になると思う。

地元に帰ってプレーをしたいと考えている選手の場合、金銭面よりも地元愛を優先する傾向にある。これまでのライオンズで言えばこれを理由に移籍していったのは帆足和幸投手、涌井秀章投手、岸孝之投手、森友哉捕手らを挙げることができる。

仮に平井投手が密かなる地元愛を持っているのだとすれば、これは金銭や契約要項によって翻意させるのはかなり難しいだろう。渡辺久信GMとしては、2年連続でこの難しい交渉をしなければならないということになる。

平井克典投手のホームは他のどの球場でもなくベルーナドーム

平井投手はライオンズにとっては絶対的に不可欠な存在だ。万が一でも来季平井投手を欠くことになれば、ライオンズの優勝はさらに遠ざかってしまうだろう。

そうならないためにも、ライオンズファンはベルーナドームが平井投手の家(ホーム)であることをアピールしなければならない。平井投手が続けてリリーフに失敗したとしてもそこで心ない罵声を浴びせるのではなく、次こそは頑張れという気持ちで応援し続けなければならない。

最近では増田達至投手が連続でセーブに失敗した際、インターネット上には酷い言葉による揶揄が氾濫していた。増田投手に対しても、平井投手に対しても、このようなことを続けていれば選手たちの心は間違いなくライオンズから離れていってしまうだろう。

「次はしっかり頑張れよ!」という檄と、酷い言葉による揶揄はまったくの別物だ。平井投手自身、もしかしたら「増田劇場」という言葉を目にしていたかもしれない。だとすれば、「今までこんなに頑張って来た増田さんも、ちょっと打たれるとこんな風に言われちゃうんだな」と感じてしまうこともあるだろう。

もちろん酷い言葉を使って選手を揶揄するのは、ごくごくごくごく一部のファンだけだ。いや、彼らをファンと言って良いのかは分からないが、しかしほとんどのライオンズファンは打たれたとしても「次こそは頑張ってくれ!」と思っている。

FA権を取得した平井投手にとって今シーズンは、非常にセンシティブなシーズンだと言える。ライオンズを離れるべき小さな理由が、残留する理由よりも高く積み重なることになれば、平井投手の心はFA移籍へと傾いてしまうだろう。

だからこそライオンズファンは今、チームが苦しいこの時にこそ選手に罵声を浴びせるのではなく、「今年は苦しいけど、でもここがあなたたちの家(ホーム)なんです!」という思いを伝えていかなければならない。

それがしっかり伝わっていけば、平井投手はきっと来シーズンもライオンズのユニフォームを着てマウンドに登り続けてくれるはずだ。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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