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2021年2月24日公開

2021年02月24日(水) バファローズvsライオンズ練習試合のゲームレビュー

バファローズ戦

2021年02月24日(水) バファローズvsライオンズ練習試合

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
西武 0 1 0 0 2 0 0 0 1 4
オリックス 0 1 0 0 1 0 0 0 5

継投

十亀剣〜上間永遠〜増田達至〜井上広輝〜田村伊知郎

開幕ローテーション入りが期待されるベテラン十亀剣投手

宮崎SOKKENスタジアムで行われたバファローズとの練習試合、先発マウンドに登ったのは開幕ローテーション入りが期待されるベテラン十亀剣投手だった。昨季は1・2軍合わせて16登板だったという実戦の少なさを思えば、今季対外試合初登板の内容としてはまずまずだったのではないだろうか。

3イニングスを投げて被安打5、奪三振2、四球2、併殺2、失点1という内容だった。数字的にはもし6イニングスを投げていれば2失点のQSクリアという内容だった。ただ、これは前日の松本航投手にも言えることなのだが、変化球が全体的に高かった。特にベテランであり、もう若い頃のようにボールの勢いで打者を抑えられる年齢ではなくなった十亀投手の場合、今日のような変化球の高さはシーズン中なら致命傷となってしまうため、今後の調整に期待したい。

しかし今季初登板ということを考えれば、この調子で少しずつ状態を上げていってくれれば、開幕ローテーションの1枠を安心して十亀投手に任せることができるだろう。走者を出してもバタバタすることなく、落ち着いて1つずつアウトカウントを増やしていった姿は、さすがベテランだなと思えるもので、見ていて安心感があった。

3打数3安打1四球、全打席出塁だった金子侑司選手

打つ方では金子侑司選手が3打数3安打1四球と、4打席すべてで出塁する大活躍だった。辻発彦監督が金子選手に求めているものがまさに出塁率であるため、金子選手は今日は、その監督の期待に大いに応えた本当に素晴らしい内容だった。

先日はホームランを放っているし、今日の試合でもあわやフェンスオーバーというライトフェンス直撃のスリーベースヒットを放っている。しかしこれだけ長打を見せても金子選手自身は「自分は長打を求められているわけではない」と冷静に振り返っているため、気持ち良く続いている長打によってバッティングを崩す心配もないだろう。

開幕まではまた1ヵ月あるわけだが、ここまでの姿を見る限りでは、金子選手はもうしっかりと仕上がっていると言って良いのではないだろうか。あとはこの好調なバッティングをシーズンに持ち込むことができれば、今季は不動の1番バッターとしてチームを優勝へと導いてくれるはずだ!

今季、筆者が最も注目している選手の一人が山野辺翔選手

そして金子選手同様にバッティングで大きなアピールをしたのが山野辺翔選手だ。今日の試合ではなんと4打数4安打の大当たりだった。この試合では二塁手として出場した山野辺選手であるわけだが、このようなバッティングを見せられると、開幕サードというポジションも視野に入ってくる。

もちろん4打数4安打という内容を毎日毎日続けていくことは不可能だ。だが今日のように積極的にヒットを狙いにいくバッティングを続けていれば、レギュラーシーズンに入っても.270程度の率を残すことはできるのではないだろうか。そして山野辺選手が.270前後の打率で8〜9番に入ることができれば、布陣の守備力を低下させることなく今ポッカリと空いてしまっているサードの穴を埋めることができる。

昨日から、ホームランを打ったタイシンガー・ブランドン大河選手ばかりが注目を集めているが、しかし筆者は今季レギュラー奪取に対する並々ならぬ貪欲さを見せてくれている山野辺選手にキャンプ中から注目をしていた。

山野辺選手がある程度のバッティングを見せ続けることができれば、サードだけではなくレフトでの起用もあり得るし、外野に慣れている外崎修汰選手がレフトに回り、山野辺選手がセカンドに入るということもあり得る。

山野辺選手としてはスーパーサブの熊代聖人選手を目指したいとコメントしているが、しかしその目標に止まっているようではレギュラーを獲ることはできない。野球選手である限り、やはり目指す場所はスタメンだ。だからこそどうせ目指すのであれば熊代選手のポジションではなく、ユーティリティープレイヤーとしてリーグを代表する選手に成長した外崎修汰選手を目指してもらいたい。

外崎選手と山野辺選手がふたりともセカンドとレフトの両方を守ることができれば、これはチームにとって大きなオプションとなる。さらに言えばふたりともサードとして1軍の試合に出場している経験があるため、山野辺選手が.270前後の数字を残せるようになれば、サードとレフトの穴も比較的簡単に埋めることができるだろう。

中村・スパンジー両選手の不在を悲観する必要はなさそうな雰囲気

ライオンズの対外試合はまだ始まったばかりで、何かを判断するにはまだまだ時期尚早だ。しかし少なくとも、ここから開幕までの1ヵ月の間に楽しみとなる要素が増えてきていることは確かだ。

目の色が変わってきた山野辺選手、ルーキーとして期待以上のアピールをしているブランドン選手、そして同じくルーキーでありながら今日も二塁打を打ちしっかりとアピールを続ける若林楽人選手。

中村剛也選手スパンジェンバーグ選手が開幕に間に合うのかは不透明な状況であるわけだが、若い選手たちがこうしてアピールを続けている姿を見ていると、どうやら悲観する必要はなさそうだと思ったのは筆者だけではないはずだ。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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