2024年5月24日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Buffaloes | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 9 | 11 | 0 |
Lions | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 | 9 | 1 |
継投/ 髙橋光成〜 H平井克典〜 H松本航〜 ●アルバート・アブレイユ〜 中村祐太
敗戦投手/アルバート・アブレイユ 1勝4敗8S 3.18
失策/平沼翔太(1)
この試合バファローズに敗れ、ライオンズの連敗はいよいよ8まで伸びてきてしまった。毎試合毎試合「もうこれ以上負けることは許されない」という状況下でありながらも、8連敗となってしまっている。やはりライオンズとしては40歳の中村剛也選手を四番起用しなければならないという時点で、苦しい戦いが強いられることを避けることはできないのだろう。
もちろん中村選手は素晴らしい打者であり、これまで数々の偉業を成し遂げてきたまさに球史にその名を残す名スラッガーだ。だが40歳を過ぎてきて、速いストレートには明らかに対応し切れていない場面が目立っているため、やはり40歳となった中村選手を生かせる打順となると、本来は六番、七番あたりなのだと思う。恐らくな中村選手本人もそう考えているはずだ。
それでもこの試合では1打席目から犠牲フライを打ち、先制点を挙げる活躍を見せてくれた。しかし打率は.203という低さになっており、本塁打もここまではまだ5本だ。2ヵ月で5本塁打であるため、フルシーズンであれば15〜20本程度というペースになっている。
40歳という年齢で年間15〜20本ペースと考えれば、それはそれで素晴らしいと言い切ることができる。しかし負け続けているチームのことを考えれば、やはりもう少し恐怖感のある打者を四番に据えなければならない。だが外国人選手はアルバート・アブレイユ投手を除きすべて二軍調整中で、日本人選手の中でも四番を任せられるような若きヒーローはまだ出現してこない。
長打力という意味では渡部健人選手が外国人不在の状況下においては四番を打ってもらわなければ困るわけだが、渡部選手もまた現在は二軍調整中だ。
こうなってくるともう一人くらい新外国人選手を獲得しなければならないのでは、とも思えてくるが、今の状況では日本野球未経験者の獲得は怖くてできない。もし外国人選手を獲得してくるにしても、例えばかつてのホセ・フェルナンデス選手のように日本野球に対する対応力を持った選手の獲得が望ましい。
このような話になってくると「なぜマキノン選手をリリースしたのか」という話題に戻ってしまうわけだが、しかしマキノン選手は確かにシーズンを通して頑張ってくれはしたが、打撃面では外国人助っ人に対する期待値を大幅に下回る数字にとどまっていた。そう考えると、昨季の年俸から大幅増をしてまで残留を要請する理由はなかった。もちろん同額程度、もしくは10%アップ程度の年俸であれば残留させるべきだったが、しかしマキノン選手が望んでいた大幅増となると現実的とは言えない。
と考えると、もしコンディションさえ問題ないようであれば、ペイトン選手を戻しても良いのではないだろうか。ペイトン選手であれば外野を守ることができるし、30本塁打とまでは行かないまでも、25本塁打程度は打てるパンチ力があった。そして年俸面でもそれほど高額になるわけではない。
一度リリースした選手をもう一度呼び戻すというのは、西武球団的には「リリースは間違っていた」と認めることになり、実際には難しい選択肢となるだろう。だが背に腹はかえられない。
ちなみにペイトン選手はマイナーリーグでは4月までは絶不調で月間打率は.087でしかなかった。しかし5月に入ってからはまさに絶好調で、5月の月間打率は.327となっている。もちろんペイトン選手はホームランバッターではないわけだが、しかしヘスス・アギラー選手やフランチー・コルデロ選手が戻ってくるまでの間は、「つなぎの四番」としては十分機能するのではないだろうか。もしくは走力を考えれば三番でも良いだろう。
例えば直近の試合で言えば五番を打つ蛭間拓哉選手の状態が良く、それに伴い中村選手もストライクゾーンで勝負してもらえている場面が増えている。そしてここに三番としてペイトン選手が加われば、クリーンナップは左右左というジグザグとなり、相手チームもクリーンナップに対してのリリーフ起用が難しくなる。
そして守備力に関して言えば、ペイトン選手は名手とまでは言えないが、しかし外野の守備は少ないエラー数で無難にこなしてくれるため、コルデロ選手のレフトと比べると圧倒的な安心感がある。
やはりチームがこのような状況であるため、仮に連敗を脱出して1つや2つ勝ったとしても、外国人選手の緊急補強は必要であるように思われる。もちろんガルシア選手らを育成契約から支配下登録するという手もあるが、しかし育成枠の外国人選手が短期間で一軍に対応できるかと言えば、それはかなり難しいだろう。
それならば日本野球をある程度理解し、昨季怪我から復帰した後は日本野球に対する適応力も見せていたペイトン選手を復帰させた方が、打線の中で機能する可能性は高いはずだ。外野のレギュラーをなかなか固定できず、若林楽人選手も急性腰痛で離脱していることを考えると、安心して外野を任せられて日本野球に対する適応力も見せていたペイトン選手を復帰させるという案は、あながち極論ではないとは言えないだろうか。