HOME > ゲームレビュー (83記事) > 【ゲームレビュー】2024年04月04日 埼玉西武 vs オリックス 3回戦

2024年4月 4日公開

【ゲームレビュー】2024年04月04日 埼玉西武 vs オリックス 3回戦

埼玉西武ライオンズ vs オリックスバファローズ/3回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
Buffaloes 0 0 1 0 0 1 0 0 0 2 4 0
Lions 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 6 0

継投●ボー・タカハシ水上由伸豆田泰志佐藤隼輔増田達至
敗戦投手ボー・タカハシ 0勝1敗0S 1.69
本塁打外崎修汰(1)

最後まで戦う姿勢を見せ続けた内容のある敗戦となった今日の一戦

反撃のホームランを放った外崎修汰選手

バファローズとの3連戦、ライオンズとしてはホーム開幕カードで3連勝して一気に波に乗っていきたいところではあったが、残念ながら1-2での敗戦となってしまった。

バファローズの先発東投手は昨季後半から活躍し始めた投手で、その後半戦は無傷の6連勝で日本シリーズでも勝ち投手になっていた若き好投手だった。ゆったりとしたフォームから投げ込んでくるボールには伸びがあり、ライオンズとしても手こずるであろうことがある程度予想されていた。

結果的には7回を1失点に抑えられてしまったわけだが、恐らくはどの球団であっても今日の東投手から点を取るのは難しかったのではないだろうか。そしてこの東投手の存在があるからこそ、山本由伸投手が抜けても開幕前のバファローズの下馬評は軒並み高かった。

打つ方に関しては7回に外崎修汰選手が意地の今季第1号ホームランで1点を返すのがやっとで、東投手が降板した8回に同点・勝ち越しのチャンスを作るも残念ながら併殺でそのチャンスは潰えてしまう。

さらには9回にはバファローズの守護神平野投手を攻め立て、またもや外崎選手のヒットとヘスス・アギラー選手の四球でチャンスを作るも、やはりここも残念ながら最後は中村剛也選手のサードゴロでゲームセットとなってしまった。

このように結果的には敗れ、終盤にはチャンスを作りながらもあと一本が出なかったわけだが、しかし絶好調である外崎選手の一発で追い上げ、その後もチャンスを作り続けたことは間違いなく明日以降の試合に繋がっていくはずだ。今日のデイゲームを終え、ライオンズは札幌へと飛び立ち明日からはエスコンフィールドでのファイターズ3連戦となる。

予想される先発投手はすでに予告されている今井達也投手に続き、隅田知一郎投手松本航投手が登板するのではないかと見込まれている。つまり開幕カードと同じ先発投手になるということだ。

好調今井投手に関しては言うことはなく、隅田投手にしても先週は悪いなりにもしっかりと試合を作ることができた。あとは松本投手にここで勝ち星が付くかどうかにより、来週以降の戦いも変わってくるのではないだろうか。

とにかく開幕2カードを共に勝ち越しで終え、ライオンズは2勝1敗ペースの4勝2敗で、ホークスと同率首位となっている。そしてそれに0.5差で続くのが3勝2敗のファイターズとなっており、ここまでの戦いを見る限り、ファイターズ戦はもはや昨季までの戦いやすさはないものと思われる。

そしてそれはライオンズ先発陣も十分理解していると思われるため、明日からの3連戦も非常に見応えのある戦いを見せてくれるのではないだろうか。

昨季の覇者相手に素晴らしいピッチングを見せてくれたボー・タカハシ投手

さて、この試合先発マウンドに登ったのは日本初先発となったボー・タカハシ投手だった。結果的には5回1/3を投げて被安打3、失点2、自責点1という素晴らしい内容だった。まだ先発慣れしていないにも関わらずバタバタする姿は決して見せず、降板するまで終始落ち着いたピッチングを披露してくれた。

ファームでは髙橋光成投手も順調にきているようだが、ボー・タカハシ投手がこれだけの安定感を見せたとなると、恐らく今後もボー・タカハシ投手は先発としてチャンスを得ていくことになるとは思うのだが、残念ながら来週と再来週は5試合ずつしかない。そのためボー・タカハシ投手の先発機会もないため、恐らくは一時的に抹消され、ゴールデンウィークまではイースタンリーグで投げることになるのではないだろうか。

だが松本投手の出来次第ではどうなるかは分からないとも言える。松本投手はオープン戦からまだまだ首脳陣を納得させられるアピールができていないため、もし4月7日の登板でも不甲斐ないピッチングを見せてしまった場合、そこにボー・タカハシ投手を入れ込んでいくことも考えられる。

ただし髙橋光成投手の存在もあるため、髙橋投手がいつでも上で投げられる状態なのであれば、残念ながら優先されるのはボー・タカハシ投手よりも髙橋光成投手ということになるだろう。しかしだとしても今日のボー・タカハシ投手のピッチングは見事だった。

かつてのマイケル中村投手を彷彿させるコンパクトなフォームから力強いボールを投げ続け、スタミナにまだ不安がある中でも87球をしっかりとと投げ続けてくれた。本来であればこのまま週一ペースで一軍で投げさせてあげたいところではあるが、しかし木曜日に試合がない週が二週続くため、ボー・タカハシ投手の力が必要となるのはやはりゴールデンウィークと、日程が少しずつタイトになっていく交流戦突入後ということになるのではないだろうか。

ちなみに5月のライオンズの日程は、第一週から第四週までは木曜日には試合が入っていない。そして月曜日に試合をするのもGWの5月6日のみとなっており、交流戦に入るまでは日程的にはかなり余裕がある状態となっている。

そう考えるとボー・タカハシ投手と髙橋光成投手に関しては、他の先発陣に崩れが出てこない限りは交流戦からの本格参戦が現実的と言えるのかもしれない。昨季までのエースであった髙橋投手がローテーションに入っていないのは非常に残念であるわけだが、しかし焦って戻ることでまたコンディション不良になってしまうよりは、交流戦までにしっかりと体を作り込んで万全の態勢を整えてもらった方がチームとしてはプラスになるはずだ。

それにしてもライオンズの投手陣は髙橋光成投手を欠いているにも関わらず、ここまで6試合で僅かに9点しか奪われていない。チーム防御率は1.29で12球団ダントツのトップとなっており、松井稼頭央監督の「投手を中心にして戦っていく」という言葉にも十分な説得力がある。

そして一方のチーム打率.261も12球団中3位で、パ・リーグではダントツのトップだ。となるとあとは同率首位となっているホークスに決して先を越されないことが鍵になってくる。今週末はライオンズ、ホークス共に遠征となり、この遠征をいかに上手く乗り切るかというのは、このまま首位を維持し続けるためには、首位を走る両チームにとっては最初の重要局面となっていくだろう。

だが明日に関しては問題ないはずだ。今井達也投手がファイターズ打線をしっかりとシャットアウトしてくれるだろう。そのため明日に関しては筆者はのんびりと観戦を楽しみたいなと思っている。

関連記事

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
🐦 筆者カズのTwitter(現X)

Latest Articles - 最新記事