試合結果/2024年04月25日(木) オリックス1 - 3埼玉西武 6回戦 京セラD

2024年4月25日公開

オリックスバファローズ vs 埼玉西武ライオンズ/6回戦 京セラD
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
Lions 1 0 2 0 0 0 0 0 0 3 5 0
Buffaloes 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 4 1

継投○ボー・タカハシH水上由伸H増田達至H佐藤隼輔Sアルバート・アブレイユ
勝利投手ボー・タカハシ 1勝1敗0S 1.64 来日初勝利!
セーブアルバート・アブレイユ 0勝1敗6S 0.00

ハイライト

中村剛也選手、40代選手初となる5試合連続二塁打!

中村剛也選手

今日の勝利は、野球では先制点がいかに重要であるかを再認識させてくれた。ライオンズは今日の勝利で今季ようやく8勝目となったわけだが、8勝すべてで先制点を挙げている。ここまで接戦に強さを見せられないライオンズであるため、やはり先制してそのまま逃げ切るというのが勝利への最短距離となっていく。

ライオンズの先発陣は非常に良いピッチングを続けてくれているわけだが、しかしQSでもHQSでも、先制点を相手に献上してしまっているケースが目立つ。ここまで簡単に先制点を許していない先発投手は今井達也投手だけだと言える。先発二番手級の平良海馬投手でも、昨季まではエースと称された髙橋光成投手でも簡単に先制点を献上してしまっている。

だが今日先発マウンドに登ったボー・タカハシ投手は味方が先制してくれた直後の1回裏にピンチを招きながらも、見事併殺打でそのピンチを切り抜けた。この場面にしても、もし先制した良い流れがなければ、もしかしたら併殺が完成せずに1点を取られていたということもあっただろう。

しかし1回表に中村剛也選手の5試合連続となる二塁打であっさり先制した良い流れがあったため、ボー・タカハシ投手もその流れに乗ってリズム良く投げることができた。ちなみに5試合連続二塁打は日本タイ記録で、40代の選手がこれを記録したのは初めてらしい。

中村剛也選手の5試合連続二塁打
来日初勝利となったボー・タカハシ投手

好不調の波の大きさをなかなか克服できない外崎修汰選手

今日の試合は結果的には3得点となったが、久しぶりに良い形で打線が繋がったと言えるのではないだろうか。そしてその繋がりを生んだのは、一番打者として2安打を放った金子侑司選手の活躍だ。

まず初回にセンター前ヒットで出塁すると、平沼翔太選手の三塁ゴロの間に二塁に進み、中村選手の5試合連続二塁打で一気に生還した。さらに3回には、先頭の九番源田壮亮主将の内野安打に続いてレフト前ヒットを放つと、平沼選手の犠打で一死三塁二塁とチャンスを広げる。

そこで打順が回って来たのはまたもや好調中村選手だったわけだが、この打席では残念ながら三振に倒れてしまった。だがクリーンナップは一人ではない。中村選手が倒れても、まだヘスス・アギラー選手がライオンズにはいる。そのアギラー選手がシュアなバッティングでセンター前に2点タイムリーヒットを放ち、得点を3-0に広げた。

今日に関しては非常に良い形で打線が繋がった。だがそれでも決して安心することはできない。なぜなら3回までに3点を取りながらも、4回以降は6イニングス連続でノーヒットとなってしまったからだ。しかも開幕時はあれだけ好調だった外崎修汰選手が、今日は3打席連続三振を喫している。

今季の外崎選手にはもう少し期待できるかなとも思っていたのだが、好不調の波の激しさはやはり変わっていないようだ。外崎選手のこの癖が直っていないことを考えると、年齢的に伸び代がそれほどあるわけではない外崎選手に上位を打たせるよりは、伸び代のある年代の選手を上位打線で起用して伸ばしていくことを優先すべきなのかもしれない。

そして伸び代と言えば、陽川尚将選手も年齢的にはそれほど伸び代が残っているわけではないのだが、二軍では好調を維持している。なぜこの陽川選手がまったく一軍に上がることができないのか、筆者にはその理由がなかなか思いつかない。

もちろん中村剛也選手や佐藤龍世選手とポジションが被るという事情はあるとは思うのだが、しかし終盤戦に代打の切り札として登場させ、その後は他の選手が守備に入るという起用法は十分に可能だ。

せっかく現役ドラフトで獲得した選手で、しかも二軍で頑張って活躍しているのだから、陣形をなんとか工面してでも不振の外崎修汰選手と入れ替えるくらいの決断を首脳陣には期待したい。例えば外崎選手を外したとしても平沼選手は二遊間も守れるのだから、平沼選手をセカンドに入れて、陽川選手をサード、ファースト、レフト、指名打者等で起用することもできる。

生え抜き、現役ドラフトという違いも大きく影響しているのかもしれないが、陽川選手と外崎選手は年齢的には1歳しか違わない(陽川選手が上)。そして守備難も含めて二軍降格となったフランチー・コルデロ選手よりは上手くレフトを守ることができる。カープから現役ドラフトで獲得した中村祐太投手が一軍で起用されているだけに、陽川選手にももう少しチャンスを与えてあげて欲しいなと筆者は願っている。

投打もクリーンナップも持ちつ持たれつが良い

さて、クリーンナップに話を戻すと、今日は3人中2人、中村選手とアギラー選手がタイムリーヒットを放った。残念ながら佐藤龍世選手は続けなかったわけだが、筆者はこれで良いと思っている。

今日は佐藤龍世選手が打てない代わりに中村選手とアギラー選手が打ってくれた。逆にこれまではこの2人が打てない時に佐藤龍世選手が打ってくれる試合も多かった。投手陣と打者陣も然り、クリーンナップトリオに関してもやはり持ちつ持たれつなのだ。

今後の試合では中村選手やアギラー選手が打てないこともあるだろう。そんな時に佐藤龍世選手が打ってくれれば良いのである。クリーンナップの3人全員が活躍する試合など、年間を通してもそうそうあるわけではない。だがその佐藤龍世選手の打率も.254とやや下降気味にあるため、理想としてはチームがノーヒットに終わった4回以降に打席に立った6回、もしくは9回に1本打てていれば良かったとは思う。

そして今日一番として2安打を放った金子選手に関しては、オープン戦は好調だったものの、開幕してからはやや調子を落としてしまった。もしかしたらオープン戦から開幕後にかけて試合に出続けるのが久しぶりだったこともあり、やや息切れしてしまったのかもしれない。

だが背水となっている緊張感から出る疲労にもそろそろ慣れたはずだ。毎試合マルチヒットを!とは言わないが、しかし一日1本ずつは何とか頑張って食らいつきながら打ってもらいたい。そして塁上ではまだまだ走れるという姿を見せてもらいたい。

やはり先頭打者が出塁してくれると、野球は得点に結びつきやすい。ビジターゲームの場合は初回の先頭打者が出塁してそのまま生還すると、流れを一気に引き寄せることができる。まさに今日がそのような試合展開だったわけだが、良い流れ作っていくためにも今後も金子選手には一番打者として、ヒットを打てなかったとしても四球や、相手のエラーを誘う快足によって1打席目の出塁率を高めていって欲しい。

金子選手が何らかの形で出塁し、盗塁して二番打者が送れば一瞬で一死三塁というチャンスとなり、この状況を作れれば併殺打はないことから、三番か四番のどちらかが必ず還してくれるはずだ。そしてこれこそが松井稼頭央監督が求めている足を絡めた野球だと言える。

今日1つ勝ったからと言って、ここからすべてが上手くいくようになるとは思っていない。しかし問題を一つずつクリアしていくことにより、少しずつチーム状態を上げていき、交流戦あたりでは再び首位争いに加わっているような状況を筆者は期待したいと思う。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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