2024年6月23日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Lions | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 |
Buffaloes | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | × | 4 | 6 | 0 |
継投/ ●髙橋光成〜 中村祐太〜 ボー・タカハシ〜 羽田慎之介
敗戦投手/髙橋光成 0勝8敗0S 4.42
盗塁/岸潤一郎(3)
失策/岸潤一郎(1)
今日先発マウンドに登ったのは今季10回目の先発登板となった髙橋光成投手だった。しかし結果としては3回を投げて被安打1、四死球5、失点2という早々に試合を壊すピッチング内容となってしまった。
良い加減この内容では次週の先発マウンドはないのではないだろうか。まだ6月も終えていないのに髙橋投手の成績は0勝8敗となり、開幕8連敗はライオンズ史上ワーストの記録となる。ちなみにこれは西武ライオンズ時代ではなく、西鉄ライオンズ時代の1964年の安藤敏雄投手、1972年の高橋明投手まで遡る不名誉な記録だ。
さて、一方では今日四番手としてマウンドに登った羽田慎之介投手が2回を投げて1安打を打たれながらも、危なげないピッチングでしっかりと役割を果たした。最速は153km/hだったと思うのだが、ロースリークォーターからどんどん攻めていくようなアグレッシヴなピッチングだった。
まだまだ荒削りで完成された投手ではないわけだが、しかしそれはデビュー当時の渡辺久信投手も同じだった。あの頃の渡辺久信投手のように、羽田投手も今後は先発として大きなスケールで成長していってもらいたい。そういう意味でも次週は髙橋投手をローテーションから外し、羽田投手を先発としてテストしてみても良いのではないだろうか。
ファームではすでに今季7試合に先発し、4勝1敗で防御率は1.09という無双状態を続けている。しかも35奪三振は、33回というイニング数を上回っている。もちろん一軍でも同様の数字を残せるとは思わないが、だがファームでこれだけのパフォーマンスを発揮しているのであれば、同じボールを投げられれば一軍でもかなりの好成績を挙げることができるだろう。
やはりサウスポーで、しかも変則気味のロースリークォーターからあれだけ速いボールを投げられるというのは魅力だ。打者としてもサウスポーが投げる速いボールというのはなかなか練習する機会がないため、眼慣れするにも苦労することが多い。そう考えるともしかしたら近い将来、ライオンズには左腕トリオがローテーションに誕生するかもしれない。そのためにも羽田慎之介投手には期待大だ。
さて、来週は月木に試合がないため5試合となる。そして現在一軍登録されている先発投手は今日投げた髙橋投手、渡邉勇太朗投手、隅田知一郎投手、今井達也投手、ボー・タカハシ投手の5人となっている。この中でさすがに来週の髙橋投手の先発はないと思われるため、実質4人ということになり、さらには今日リリーフ起用されたボー・タカハシ投手も来週の先発登板はどうなのかな、というところだ。
そして来週からは武内夏暉投手が一軍に戻って来る見込みとなっている。武内投手は6月19日(水)にイースタンで4イニングスを無失点に抑える好投を見せているため、渡辺久信監督代行曰く、リカバリーに問題がなければ次は一軍マウンドということになるようだ。
順当に行けば6月25日(火)のベルーナドーム、もしくは26日(水)の大宮でのファイターズ戦で一軍の先発マウンドに戻って来るのではないだろうか。となると、25・26日の先発は渡邉投手と武内投手ということになり、28日は今井投手、29日は隅田投手、そして早ければ30日に羽田投手に先発のチャンスが与えられるのではないだろうか。
さらには青山美夏人投手も21日のファームでの試合で7回2失点と好投しているため、羽田投手の出番がまだ訪れなかったとしても、青山投手が再び一軍に戻って来る可能性は低くはない。こうして見ていくと、ライオンズは投手陣に関しては順調に伸びてきている。髙橋投手と平良海馬投手がまったく機能していなくても試合が大崩れすることが少ないのは大したものだ。
なおピッチングスタッフを預かっているのは一軍は豊田清コーチと青木勇人コーチ、二軍は西口文也監督、大石達也コーチ、榎田大樹コーチ、長田秀一郎コーチという面々だ。榎田コーチに関しては昨季まではバイオメカニクスチームに配属されており、投球動作分析に関しては熟知している。その知見を生かしてコーチングをしてもらえるというのは、ファーム投手陣からすると幸せなことだ。
さて、上述のようにファームでは3人の投手コーチ+西口文也監督という実質4人体制で投手陣の育成が行われている。そのため投手陣は順調に成長してきている。しかし問題なのは打撃陣だ。一軍でも目立って活躍ができている若手選手はいないし、ファームでもそれは同様だ。となると一軍も二軍も、打撃コーチはそれぞれ3〜4人体制でも良いのではないだろうか。
しかも二軍に関しては小関竜也野手総合コーチも大島裕行コーチも左打ちであるため、最低でもここにもう1人、右打ちの打撃コーチを追加すべきだと思う。だが根本的には打者も左打ちの選手よりも右打ちの選手の方が圧倒的に多い。そう考えると右打ちのコーチ2人、左打ちのコーチ1人という打撃コーチ陣が望ましいようにも思える。
このような点を見ていっても、来季のコーチングスタッフには改善の余地がかなりありそうだ。そして先日の株主総会でも強い声が挙がったように、そろそろ西武球団は清原和博氏を二軍打撃コーチとしてから起用すべきだと思う。もう執行猶予も明けて、清原氏は以前とは異なる真人間に戻っていると思われる。
そして清原氏自身、指導に当たれるという喜びを得られればリハビリを頑張るさらなるモチベーションを得ることもできるだろう。清原氏のように苦しみながらも再出発に向けて頑張っている人間には、西武ホールディングスという大企業にはセカンドチャンスを与える義務があると思う。清原氏は西武で育った人間なのだから、西武で立ち直らせるというのが筋のようにも筆者には思えるのだ。
さて、最近児玉選手がバッティングで良いアピールをしており、打率も.280まで上がってきた。しかし児玉選手の場合は打席数が少ないため、ヒットを打つとあっという間に打率が上がる反面、打てないと一気にその打率が下がっていく。そのため児玉選手の力を見極めるポイントとしては、.280という打率を1ヵ月、2ヵ月と維持できるかというところにかかってくるだろう。
最初は勢いのまま打率も高かった滝澤夏央選手も、今では.177まで急降下してきてしまった。児玉選手もこれでは意味がないのだ。一時的には打てたとしても、やはり継続して打っていかなければレギュラーになることはできない。
ではなぜ駆け出しの勢いがなくなると途端に打てなくなるのか?その理由は単純だ。打席数が増えるほど相手チームに蓄積されるデータも増えていくため、滝澤選手にしてもすでに苦手ゾーンが相手チームによって完全に見極められてしまっており、それにより滝澤選手の勢いも削がれる結果となった。これは奥村選手に関しても同じことが言え、最近この2人に関しては手を出せずに見逃したボールで三振してしまう場面が増えてきている。
だがホームランを求められているわけではない滝澤選手、奥村選手がこのように追い込まれてからストライクを見逃しているようでは、求められている役割を果たすことはできない。滝澤選手、奥村選手、児玉選手、そしてさらに言えば源田壮亮主将に関しては、如何に追い込まれてから粘れるかによってチームに貢献することができるのだ。例えば最終的にはアウトになったとしても、相手投手に10球投げさせることができれば、それはヒット1本に近い価値があると言える。
だが源田主将に関しても今日も早いカウントから当てるだけのバッティングをし、野手の間を抜ける可能性がほとんどない内野ゴロ3つを打ってしまった。さすがにいくら守備力が圧倒的に高いとは言え、.225の源田主将をスタメン起用し続けることは果たして正しいことなのだろうか。
もちろんクリーンナップという軸が安定した打線であれば、守備力で失点を防いでくれる源田主将が.225であってもさほど文句は言われないだろう。だが得点力どころか、ヒットもほとんど打てない今のライオンズ打線においては、リスクを冒してでも守備力よりも打力を求めるべきではないだろうか。
だが残念ながら今のライオンズには、打率.225のショートストッパーを脅かすだけの選手さえいないのが現状だ。考えられる選手といえば、現在ファームで打率.316を打っている金子功児選手くらいだろう。金子選手は守備にはまだ粗さはあるものの、ファームで好調を維持していることを考えると、そろそろ支配下契約に切り替えて一軍でチャンスを与えてあげても良いのかなと思う。滝澤選手のファームでの打率が.240であることを考えると、金子選手の一軍起用も今後十分あり得るのではないだろうか。