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2021年2月20日公開

筆者が考える開幕サード中村剛也選手の穴を埋める存在とは?!

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中村剛也選手の代わりに開幕サードを守るのは誰なのか?

今季はキャンプイン早々、中村剛也選手は左ふくらはぎを痛めて別メニューを強いられてしまった。2月末までにはB班に再合流する見込みではあるようだが、別メニューではバットは振れているものの、走ったり守ったりというメニューはまだこなしていないようだ。

対外試合やオープン戦も始まってくるこの時期にまだ守備に就けていないということは、中村選手の開幕スタメンはおろか、開幕1軍も厳しい状況だと言えるだろう。本来であればここで三塁はスパンジェンバーグ選手だと言いたいところだが、残念ながらスパンジェンバーグ選手の来日目処もまだ立っていない。現時点で来日している外国人選手はギャレット投手だけだ。

ただ、来日さえ果たせればスパンジェンバーグ選手の体調は万全だと思われるため、もしかしたら開幕スタメンに間に合うこともあるかもしれない。だが開幕戦は3月26日で、二週間の隔離期間をギリギリでもクリアさせるなら、3月10日あたりまでには来日している必要がある。このあたりまでに来日が叶わなければ、開幕メンバーに名を連ねることは難しいだろう。

では中村選手もスパンジェンバーグ選手も間に合わなかった場合、一体誰が開幕戦で三塁を守るのだろうか?昨年までの流れで見ていけば、オープン戦の結果次第では呉念庭選手や、山野辺翔選手らが候補になってくるだろうか。ルーキー渡部健人選手は右肩に不安があるため、現状では代役だったとしても開幕1軍は難しいと思われる。

その他の名前を挙げるならばオープン戦で元気の良さを見せてくれているタイシンガー・ブランドン大河選手なども代役サードの候補に上がってくるかもしれないし、佐藤龍世選手だって汚名返上の機会を虎視眈々と狙っているはずだ。

この春、ライオンズのサードは中村選手の怪我とスパンジェンバーグ選手の不在により、例年以上に熾烈を極めていくだろう。

中村選手にクリーンナップを打たせているようではいけない!

さて、話を中村剛也選手に戻そう。本人も語っているように、中村選手がクリーンナップを打っているようではライオンズの先は思いやられる。38歳という年齢の中村選手と栗山巧選手は、交互でDHに入るくらいの状況になっていなければならない。いつまでも38歳のふたりに負担をかけるわけにもいかないのだ。

栗山選手は非常に怪我が少ない選手であるわけだが、それでも年齢的なことを考えれば休ませながら、調子が良い状態の時に起用していくという形になっていくはずだ。怪我が増えてきた中村選手にしても同様だ。

そして左ふくらはぎが完治し不安がなくなっても、中村選手にシーズンを通してサードを任せることはできない。もちろん目先を見ればスパンジェンバーグ選手がいるため大きな不安はないわけだが、将来的なことを考えると、中村選手の後継となる和製三塁手を着実に育てていく必要はあるだろう。

それにしても怪我をしたのが左ふくらはぎで本当に良かった。これが仮に右ふらはぎだったらバッティングも満足にできなかったはずだ。そういう意味ではひとまずバットを振ることはできているため、代打の切り札として中村選手を控えさせておくという開幕はありだと思う。

もちろん中村選手としてはそれは不本意であるわけだが、しかし試合終盤の勝負どころで中村選手が代打で登場してくれば、相手バッテリーから見てこれほど嫌なことはない。そしてそれが満塁の場面であれば尚更だ。

筆者が考える中村剛也選手の穴を埋める存在

とにかく現状の安全策を考えるならば、開幕サードには中村選手とスパンジェンバーグ選手はいないものと考えておく方が無難だ。そしてもちろん辻発彦監督もそう考えているはずだ。

ザッと開幕スタメンを予想するならば、現段階で有力なのは1番センター金子侑司選手、2番ショート源田壮亮選手、3番キャッチャー森友哉捕手、4番ファースト山川穂高選手、5番セカンド外崎修汰選手、6番DH栗山巧選手、7番ライト木村文紀選手、そして8番と9番にレフトと代役サードの選手が入っていく、というのが現段階では最もオーソドクスなオーダーになるのではないだろうか。

開幕戦は純和製オーダーになる可能性も高いわけだが、しかしライオンズの場合はキャッチャーがクリーンナップを打つことができるため、外国人選手が不在でも中村選手が間に合わなくても、打線が見劣りすることがない。8〜9番に実績の乏しい選手を置いたとしても、開幕からしばらくの間であれば、このオーダーで十分戦っていくことができるだろう。

現段階でライオンズのチーム総合力を高く評価している評論家は少ないようだが、しかし筆者は決してホークスに見劣りするようなチームではないと思っている。投手陣も例年になく充実しているし、山賊打線も昨季の不調を例外にすれば健在だと言える。

今季ライオンズが絶対に果たさなければならないのは打倒ホークスという宿願だ。ホークスを倒さなければ日本シリーズに駒を進めることさえできない。2018年と2019年は投手力の差で敗れてしまったが、今季のライオンズ先発陣は今までとは比べ物にならないほどの成長を見せている。

今季の若き先発投手たちが実力通りのパフォーマンスを見せてくれれば、中村選手や外国人選手たちの不在が気になることもないだろう。今までチームを引っ張り続けてきた中村選手が開幕に間に合わないのなら、今度は若き先発投手陣が中村選手の穴を埋める番だ。

中村選手の穴を埋めるのは若き三塁手たちではなく、若き先発投手陣であると断言し、今日はこのコラムを書き終えたいと思う。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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