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2023年12月31日公開

中村剛也選手が本塁打王に返り咲くために参考にしたい西口文也投手の復活劇

中村剛也選手が追いかけたいのは門田博光選手の記録

中村剛也選手

中村剛也選手は来季の目標をホームラン王に設定した。500本塁打まであと29本と迫っており、仮に再びホームラン王に輝くことになれば、来季中に500本塁打を達成することになるだろう。

ただし近年の中村選手のホームラン数は減少しており、今季は17本、2022年は12本、2021年は18本、2020年は9本となっており、30本となると2019年まで遡ることになる。

しかしだからと言って、来季中村選手がホームラン王を獲得できない理由にはならない。来季、中村選手は8月で41歳を迎えるシーズンになるわけだが、かつて門田博光選手は40歳となったシーズンに44本塁打・125打点を記録してホームラン王になっている。門田選手にできて中村選手にできないなんてことはない。

しかも門田選手は41歳で33本、42歳で31本、43歳で18本、44歳で7本放った後にユニフォームを脱いでおり、来季の中村剛也選手と同じ年齢で33本塁打・93打点を叩き出している。中村剛也選手に追ってもらいたいのはまさにこの門田選手の記録だ。

そしてこの記録を追うためにも中村選手に求められるのは、渡辺久信GMが仰る通りコンディショニングの維持だ。良いコンディションをシーズンを通して維持できれば、中村選手の技術があれば30本塁打など軽く超えていくことになるだろう。

まだまだ衰えない中村剛也選手のホームランを打つペース

ちなみに今季の中村選手は322回打席に立って17本塁打を放った。とすると30本塁打を打つためには単純計算して570打席必要になる。中村選手は30本打った2019年に557打席に立っているため、これだけの回数で打席に立つことができれば、中村選手は30本塁打を打てるという計算になる。

中村選手は2019年は約18.6打席に1本の割合でホームランを打っていた。そして今季は約18.9打席に1本の割合だった。ペースとしては僅かに下がってはいるが、しかし水準としてはほとんど30本打った2019年と変わらないペースでホームランを打ったことになり、まだまだ衰えは見えてこない。

となればコンディションが安定し、130試合程度に出場することができれば、中村選手はかなり高い確率で30本塁打を打つことになるだろう。そしてそれがさらにクリーンナップではなく、比較的相手バッテリーからのマークが緩くなる6〜7番という打順であれば、もう少しペースを上げて打つことも可能かもしれない。

48本塁打を記録した2009年は、中村選手は11.7打席に1本の割合でホームランを打っていた。そして40歳の門田選手は12.7打席に1回の割合でホームランを打った。こうして比較をすると、いかに故門田博光選手が偉大だったかがよく分かるわけだが、しかし中村剛也選手も決して門田選手に劣っているわけではない。

来季も、基本的にはDHは栗山巧選手との併用になるとは思うのだが、近年の栗山選手はポイントゲッターというよりは、ここぞという時のヒットや四球でチャンスメイクする役割の方が強くなっている。

となればDHはほぼ中村選手に任せる形にし、栗山巧選手を代打の切り札という棲み分けにしていけば、自ずと中村選手の打席数も増えてそれに比例してホームラン数も伸びていくことが考えられる。

つまり理想形としては代打栗山選手がチャンスメイクをし、中村選手のホームランで還ってくることだ。試合の終盤でそのような流れに持っていけるケースが増えれば、来季はクリーンナップだけではなく、下位打線の力で勝つ試合も増えていくだろう。

結論として、中村剛也選手はまだまだ十分ホームラン王を狙える

上述の通り、中村選手の活躍はコンディション次第ということになる。その中村選手だが筋肉痛が嫌いという理由で筋トレをしないというポリシーを持っている。今なお筋トレをしないのかは現時点の情報は分からないのだが、しかし若手選手同様のレベルで筋トレをしていないということだけは確かだろう。

ライオンズにはかつて似たような選手がいた。西口文也投手だ。西口投手も全盛期はまったく筋トレをしない選手だった。しかし晩年になり目に見えて球威が衰えてくると、当時ライオンズに在籍していた南谷トレーナーのアドバイスのもと、筋トレを始めるようになった。するとみるみる球威が回復してきて、翌2011年は39歳で11勝7敗(前年は3勝2敗、前々年は4勝4敗)という好成績を治めた。

2011年に筆者がlivedoorニュースに寄稿した当時の西口文也投手に関するコラム

中村選手も年齢に見合ったメニューで筋トレをし、野球動作だけでは鍛え切れない部分まで強くしていくことができれば、30本塁打を目指すことは十分可能だし、それこそホームラン王として返り咲くことだってできるはずだ。

ちなみに今季パ・リーグのホームラン王になったロッテ・ポランコ選手とホークス・近藤選手は26本塁打だった。ホームラン王争いとしてはかなり迫力に欠ける本数であったわけだが、近年の投高打低の傾向を踏まえると、30本打てればホームラン王の確率が高まるということは言えるだろう。

今オフ、「不惑」という言葉を新たに覚えた中村剛也選手だが、孔子の言葉通りの不惑のシーズンを迎えられれば、必ずや門田選手に肩を並べる素晴らしい活躍を見せてくれるはずだ。そのためには筆者は中村選手に対し、かつての西口投手の復活劇を見習ったコンディショニングをしてもらえたらなと期待している。

最後に、今年もたくさん当サイトのコラムを読んでいただき本当にありがとうございました!これからも良い記事を書いていきたいと思いますので、来年もご愛読のほどよろしくお願いいたします。そして来年こそはV奪還!

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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