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2020年11月 4日公開

2020年11月04日(水) 埼玉西武vs北海道日本ハム 24回戦

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試合は作ったがQSには届かなかった今日のニール投手

佐々木昌信審判員の引退試合として行われた本日ライオンズvsファイターズ24回戦、ライオンズの先発マウンドに登ったのはザック・ニール投手だった。しかし今季のニール投手はあまり良くない。昨年のような神がかったピッチングは影を潜めてしまっている。今日の試合も6回途中3失点と何とかゲームメイクはしたのだがQSには届かず、ニール投手がファイターズ打線を抑え込んだと言うよりは、ファイターズ打線が打ち損ねてくれたという印象の方が強かった。

ニール投手のボールは序盤から甘かった。2回には中田翔選手に対しほとんどど真ん中のボールを投げているのだが、中田選手の方がそれを仕留め切ることができなかった。ボールも全体的に高く、低めの内外を丁寧に突いていくというよりは、打たせに行き過ぎているように感じられた。高さ的には真ん中付近が非常に多く、チェンジアップが高めにいくシーンも目立った。

ニール投手はツーシームで打たせて取るのがスタイルなのだが、しかしそれにしても打たせに行き過ぎている。そして今季は、ニール投手はツーシームが多いという前提を持って打席に入ってくる打者が多かったように思えた。あえて詰まらせて押し込んで外野まで運ぶというバッティングも何度も見せられ、昨季は有効だったツーシームが、今季はそれほど威力を発揮することがなかった。

今季はボールをコントロールできなかったニール投手

ニール投手も、やはり今季は随分と研究されたのだろう。ピッチングスタイルは昨季とほぼ変わりはないはずなのだが、相手打者が対応してくるケースが増えた。そしてニール投手自身、今季は思い通りのボールを投げられる試合が少なかったのではないだろうか。上述したようにチェンジアップやカーブといった、絶対に高めには投げたくない球種が高めに行くことも多く、ツーシームの高さも少しずつベルト付近に近付いてしまった。

確かに今季はコロナウィルスによって難しいシーズンとなった。日本人選手でも苦労しているのだから、まだ来日2年目のニール投手が上手く対応することは難しかったのだろう。そういう意味では多めに見てあげたい気もするが、しかしエースとして開幕を迎えているのだから、もう少しエースらしいピッチングを見せなければいけなかったとも思う。

そしてボールを上手くコントロールできなかったことを如実に表しているのが四球の数だ。昨季は100回1/3で15個と、与四球率は1.34だった。しかし今季は今日の試合を終えて2.83で、昨季の数字と比べると大幅にダウンしてしまっている。つまり打たせて取りたかったのに、打ってもらえなかったという結果だった。それに比例するかのように昨季は1.18だったWHIPも、今季は1.42と跳ね上がっている。

確かに相手チームに研究されたという事情もあったと思うが、しかしそれ以上に、ニール投手自身がボールを上手くコントロールできなかったというのが今季だったのではないだろうか。だが少しずつ復調の気配も見せてきているため、ホークスとのクライマックスシリーズに進むことができれば、もしかしたら大きな期待を寄せてもいいのかもしれない。

11月に入り突然調子を上げてきた山賊たち

さて、話は変わって今日のヒーローインタビューは外崎選手とスパンジー選手だった。それぞれ貴重な追加点となるホームランを放ったわけだが、低空飛行を続けていたこのふたりが、ここに来て元気が出てきたというのはチームとしては嬉しいことだ。スパンジー選手は9月以降どんどん調子を落とし、10月の月間打率は.177まで落ち込んでしまったのだが、11月に入るとここまでの4試合で.461と打ちまくっている。

外崎選手もスパンジー選手同様に9・10月は不振に苦しんだが、11月の月間打率は今日を終えて.364となった。金子選手の打率がまだ低調な分、ここでスパンジー選手を1番、もしくは攻撃的2番に据えて、3番外崎選手、4番栗山選手と繋げていくと、もう少し得点力を上げることもできるのではないだろうか。

今季ここまでは自慢の山賊打線が鳴りを潜めているだけあり、打線の繋がりで得点力をアップさせていくしかない。しかし走力があったとしても、今季はそれほど盗塁を稼げていない金子選手の1番にこだわり続けていては、ホークスとのCSに進んだとしても、先制点を奪る機会を失ってしまうだろう。先行で迎える短期決戦は、とにかく先取点がモノを言う。ライオンズとしてはそろそろ、好投手が相手でも渋く先制点を取れる戦略・戦術を練っていく必要があるだろう。

そのためにも外崎選手とスパンジー選手がここに来て一気に状態を上げてくれたのはライオンズにとっては大きい。しっかりと上位でチャンスメイクをして、安定感のある栗山選手に繋ぐことができれば、もっと安定した戦い方ができるはずだ。ちなみに中村剛也選手も11月に入り復調し、11月の月間打率はここまで.333と上々だ。

このまま2位の座を死守し、今季こそCSでホークスを打ち破るためにも一度ここでリセットし、今の状態でオーダーを再構築することも必要な時期になってきているのかもしれない。とにかく11月はまだ負け知らずのライオンズだ。この勢いのまま、残り4試合となったレギュラーシーズンを戦い抜いてもらいたい!

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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