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2024年7月 9日公開

アブレイユ投手の反則投球は打者が構える前に投げたことが原因ではないだろうか

埼玉西武ライオンズ vs 北海道日本ハムファイターズ/10回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
Fighters 0 0 0 1 0 0 0 0 0 3 4 8 0
Lions 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 8 0

継投渡邉勇太朗Hアルバート・アブレイユ●松本航
敗戦投手松本航 1勝4敗0S 2.72
盗塁山野辺翔(1)

アブレイユ投手の反則投球は打者が構える前に投げたことが原因ではないだろうか

果敢に攻めたエラーではなく、凡ミスを繰り返すライオンズナイン

ベースを踏み忘れた野村大樹選手

今日の試合、ベルールドームではライオンズファンからライオンズに対してブーイングが起こった。つまりそれだけライオンズの戦いが体たらくというわけなのだが、いくつかの誌面でも語られている通り、最近はファン離れも深刻になっている。

西武球団はファンサービスの形を完全に誤っている。最近は試合後にアーティストを呼んでミニコンサートをしてもらうこともあるわけだが、失礼ながら旬を過ぎたアーティストが来て2〜3曲歌う程度では、ベルーナドームに行きたいと思う人の人数が増えることはないだろう。もちろんテイラー・スウィフトさんが来るなら話は別だが。

最近のライオンズは勝てない以上に凡ミスが非常に多い。つまりケアすれば100%防げるようなミスだ。これらのミスは難しいバウンドのゴロに果敢に突っ込んでいって、結果的にエラーになってしまったミスとは大違いだ。先日、松原選手がクッションボールを処理する際に一度で二度のミスを犯したことも然り、今日の野村大樹選手のベースの踏み忘れやアルバート・アブレイユ投手の反則投球も然りだ。

野村選手は「僕的には踏んでいた」というようなコメントをしていたが、これは踏んでいたのではなく、踏んでいたつもりだっただけだ。このプレーは基本的にはアピールプレーとなり、ファイターズ側から指摘やピックオフプレーがなければ審判が気づいていたとしてもスルーされるわけだが、ファイターズ側も一塁塁審もしっかりと見ていたことで、野村選手のベースを踏み忘れるという小学生レベルのミスが成り立ってしまった。

ベースの踏み忘れなど、これこそ100%回避できるミスだ。正確にはわからないが、恐らくは10万プレーに一度程度しか出ないボーンヘッドなのではないだろうか。筆者も小学生時代からずっと野球をやっているが、実際にベースの踏み忘れを見たのは今日が初めてだった。ベースの踏み忘れというのは、野球ではそれほどあり得ないミスなのだ。

そしてアブレイユ投手の反則投球だが、これは走者がいないためボークとはやや異なる。反則の内容としてはセットをしていない、もしくはセットで止まっていないという類の反則になるわけだが、アブレイユ投手はこの時まったくセットを止めず、まるで内野手のような仕草で即投球動作に入った。そのため打者がいつ構えたら良いかが分からなくなる、もしくは打者が構える前に投げたということになり、これを反則として取られたのだろう。ただ、長川球審から詳しい説明がなかったため正確なことは言えないのだが、筆者が見ている限りではこれが反則と取られたのだと思う。

このアブレイユ投手の反則投球にしても、普通にセットをしていれば100%回避できたミスだ。これは一塁走者に盗塁をさせないため、ギリギリのところでプレーをした結果ボークを取られたのとは異なる。筆者が見ていた限り、アブレイユ投手は打者が構える前に投げ始めていたようにも見え、これは野球選手としては姑息なプレーだ。

隠し球のようにルールに則ったトリックプレーなら賞賛ものなのだが、打者が構える前に投げるというのは明らかに反則だ。そもそもアブレイユ投手は普通に堂々と投げていればしっかりと抑えられる投手なのだから、このような反則投球をする必要などまったくない。そしてこれはあくまでも筆者の印象だったのだが、アブレイユ投手は打者が構える前に投げてはいけないというルールをもしかしたら知らなかったのではないだろうか。そう思えるほど、これも通常では考えられないミスだった。

ファン離れが深刻になってきた弱すぎるライオンズ

さて、ベルーナドームの観客動員は今日、今季ワーストの11,765人だった。ベルーナドームには31,552席あるらしいのだが、その1/3しか埋まらなかったということだ。確かに夏休み前の平日でお客さんが入りにくいタイミングではあるものの、しかしもしライオンズが勝てている状況であれば最低でも2万人以上は入っていたはずだ。

ライオンズができる最大のファンサービスはとにかく勝つことだけだ。ファンが望んでいるのは実際にはそれだけだ。試合後のミニライブや、アイドルなどの始球式、グッズの無料配布など二の次にすべきだ。そもそも筆者は、始球式はスポンサー企業のお偉いさんではなく、ちびっ子ファンにやってもらうべきだと考えている。

西武球団は明らかに見る方向を誤っている。もちろんスポンサー企業を大切にすることも必要だが、しかしどちらかと言えば今西武球団はスポンサー企業に媚びているようにも見えるのだ。始球式に登場する方々を見ていても、誰?としか思えないような中年男性も多い。おそらく彼らはスポンサー企業の社長さんなどなのだろう。

スポンサー企業の存在はもちろん大切だ。しかしスポンサー企業はお金を出す対価として球場内で広告枠を得ているのだ。これだけですでにビジネスは成立しているわけであり、筆者個人としてはそれ以上何かをする必要はないと考えている。

シーズンオフに、年に一度開かれているスポンサーパーティーくらいならもちろん構わないわけだが、しかしスポンサー企業の関係者を始球式に呼ぶ回数が少し多すぎるように思う。スポンサー企業の関係者だったとしても、お子さんだったら良かったと思う。しかし誰も知らないような中年男性が始球式に登場しても、盛り上がるファンなどその企業の関係者以外はいないだろう。

最近トレードを2つ成立させたとは言え、これで勝てるようになるとはまったく思えない。二人ともヒットを打てていないし、二人とも移籍直後に凡ミスをしており、今のところ戦力になっているとは到底言えない。これならばDHでフランチー・コルデロ選手を起用し続けた方がまだましだと思う。

関東にある球場の中で、ベルーナドームのみがアクセスが不便な立地に建てられている。それでもライオンズが勝てていればファンは都心からでも西武線を取り次いでベルーナドームに行くわけだが、さすがに滅多に勝てない現状では球場への足が遠のいてしまう方がほとんどであるはずだ。無料チケットをもらっても使わない人さえいるのではないだろうか。

このままでは夏休みが終わり9月に入った時、観客動員数が1万人を切ることになるかもしれない。まるでかつての川崎球場のようになってしまうことだってあるのではないだろうか。そして少ない観客の中で、応援団が吹くトランペットの音だけが虚しくドーム内に響くのを聞くことだけは遠慮したい。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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