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2021年2月27日公開

2021年02月27日(土) ライオンズvsマリーンズ練習試合のゲームレビュー

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2021年02月27日(土) ライオンズvsマリーンズ練習試合

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ロッテ 2 0 0 0 1 0 0 0 0 3
西武 1 0 0 0 0 1 0 0 0 2

継投

浜屋将太〜平良海馬〜宮川哲〜伊藤翔〜田村伊知郎

ホームラン

森友哉

走者を背負った場面でのピッチングが課題の浜屋将太投手

この試合、先発マウンドに登ったのは2年目のサウスポー浜屋将太投手だった。しかしプレーボール直後、僅か2球で2ホームランを浴びてしまう立ち上がりとなってしまう。打たれたのは2球とも、キャッチャーの構えよりもボール2個分くらい高かったように見えた。いわゆる立ち上がり特有のコントロールミスであり、それほど心配が必要な2失点ではないだろう。

2ホームランを浴びた後は落ち着けたのか、緩急を使って立ち上がりよりも上手く低めにボールを集められていた。この試合のような落ち着いたピッチングを続けていれば、今季は二桁勝利というものも見えてくるだろう。

だが少し気にしなければならないのは、3イニングスを投げて2失点したということよりも、僅か3イニングスで2盗塁されてしまったという点だ。浜屋投手はまだまだクイックがとても上手いというレベルの投手ではないのだが、これだけ走られてしまうということは、何か癖を見破られているのかもしれない。このあたりの、一塁に走者を背負った場面でのピッチングに関しては開幕までにまだ調整が必要そうだ。

今季こそ飛躍が期待される伊藤翔投手

そして四番手としてマウンドに登ったのは伊藤翔投手なのだが、今年1月2日に結婚されたことが大きなエネルギーとなっているのだろうか。例年になく良いピッチングを見せてくれたと思う。打者のタイミングを緩急で上手く外せていたし、マウンド捌きにも余裕があるように見えた。

先発として今日のようなピッチングを6〜7回まで見せられるようになれば、伊藤投手も今季7〜8を挙げることが可能となるのではないだろうか。ただ、これまでの実績がまだ乏しい分チャンスが優先的に与えられることはないと思う。

例えば昨年の浜屋投手のように、ある程度の期間ローテーションを守った経験があれば話は別なのだが、直近の2年間は思うような働きを見せられていない。そういう意味でも今季は伊藤投手にとっては背水とも言えるシーズンとなるはずだ。もしオープン戦である程度の結果を残すことができなければ、今季1軍に呼ばれる機会はさらに減ってしまうだろう。

だが伊藤投手は先発投手として非常に良いものを持っている。この投手がローテーションの5〜6番手に食い込むことができれば、ライオンズの先発陣もかなり厚みが増してくる。チームがシーズンを通して安定した成績を残すためにも、やはり5〜6番手のピッチャーが7〜8勝してくれないと困る。そういう意味も若き伊藤投手には今季こそ大きな飛躍を成し遂げてもらいたい。

年々進化し続けている森友哉捕手

打つ方で言えば今日は森友哉捕手が元気だった。サードの頭上を超えるテキサスヒットに、ライトへの豪快なホームラン。テキサスヒットに関しては、しっかり振り抜いたからこそサードの頭を超えていった。ヒットとしてはもちろん綺麗なヒットではなかったが、しかしこのようなヒットが出るということは、バットが良く振れていることを意味する。

そしてホームランに関しては、森捕手が今季目指しているバッティングをある程度形にできたのではないだろうか。今季は打球にスピンをかけて飛ばすという取り組みをしてきた森捕手だが、今日のホームランは昨季まで多かった弾丸ライナーではなく、打球にスピンをかけてアーチを描いていく、ホームランバッター特有の軌道を描いていった。

シーズンに入ってもこのようなバッティングを続けられれば、ゴロにはトップスピンがかかり球足が速くなることで内野手の間を抜けやすくなり、フライが上がれば今日のようにスタンドインしていく確率が高まる。

森捕手はバッターとしては着実に進化してきている。このような技術を身につけてきたのを見せられると、今季森捕手は3割30本を超える成績を残すのではないかという期待が膨らむ。バッターとしてもキャッチャーとしてもまだまだ発展途上であり、年々進化を続けている森友哉捕手は、今季はMVPとなった2019年以上の活躍を魅せてくれるのではないだろうか?

完全和製オーダーになったとしても大きな不安なし

春季キャンプ以降ここまでの対外試合では、全体的には投手陣は例年以上に安定感を見せてくれいている。山賊打線はまだまだ元気がないわけだが、しかし主砲山川穂高選手が1軍に戻って来たことにより、ここから徐々に状態は上がっていくのではないだろうか。

ただ、森捕手・山川選手の3・4番コンビを活かすためには5番打者の安定感が必須だ。今日の試合で言えば外崎修汰選手だったわけだが、5番打者に安定感がないと、3・4番にストライクを投げてもらえなくなる。逆に5番打者に安定感があれば、3・4番を簡単に歩かせることができなくなり、ストライクを投げざるを得なくなる。そういう意味で山賊打線を盛り上げるためには、5番打者の活躍が必須になってくるはずだ。

ここまでの練習試合を見る限り、ライオンズは安定した戦いを見せることができている。勝利数こそ少ないわけだが、開幕に向けて大きな不安を残すような状態ではないと思う。外国人選手たちの来日は待ち遠しいわけだが、しかし完全和製オーダーでの開幕になったとしても、それほど心配する必要はないだろうというのが筆者が個人的に抱いたここまでの感想だ。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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