2024年7月 5日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Marines | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | 6 | 9 | 0 |
Lions | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 | 5 | 2 |
継投/ ●今井達也〜 菅井信也〜 豆田泰志〜 ジェフリー・ヤン〜 佐藤隼輔
敗戦投手/今井達也 4勝5敗0S 2.16
盗塁/源田壮亮(5)、長谷川信哉(3)
失策/外崎修汰(3)、ジェフリー・ヤン(1)
今日の敗戦で今季マリーンズ戦は9戦9敗となってしまった。しかも今日は本拠地ベルーナドームで戦いながらも3-6で完敗している。トータルではベルーナドームで4敗、大宮で1敗、ZOZOマリンで4敗という数字になっている。9戦9敗であるためホームもビジターもないわけだが、とにかく9試合すべてで敗れており、対ホークス、対マリーンズでの負け越しがチームの順位に大きくのし掛かっている。
さて、今日先発マウンドに登ったのはエース今井達也投手だったわけだが、今井投手の今季の防御率は2.16と非常に安定している。105奪三振もリーグ断然トップの数字となっている。だがマリーンズ戦に限ってみると対戦防御率は6.30と飛び抜けて悪化しており、今井投手にとって対戦成績がこれだけ悪いのは交流戦を含めてもマリーンズ戦のみだ。
そしてWHIPを見てもマリーンズ戦は2.20という極端に悪い数値となっており、これは1イニングあたり2.2人の走者を背負っていることを意味する。確かにこれだけ走者を背負っていれば防御率が6.30となっても不思議ではない。
ちなみにファイターズ戦は1試合に登板して被打率は.357となっており、マリーンズ戦だと被打率は.333だ。だが防御率はファイターズ戦の1.29に対し、マリーンズ戦は6.30となっている。なぜファイターズ戦の方がたくさんヒットを打たれているのにファイターズ戦では点を取られていないのかと言うと、ファイターズ戦では与四球が0だったからだ。
逆にマリーンズ戦では2試合で8四球を出しており、今日の試合だけでも7四死球となっている。前回のマリーンズ戦では被安打9、四死球2で5回5失点、そして今日は被安打5、四死球7、5回3失点(自責2)という結果だった。今後今井投手が真のエースとなっていくためには、このようにカモにされていてはいけない。
ちなみにメジャーリーグ移籍前の菊池雄星投手は、当時常に上位にいたホークスとファイターズを相手にするとまったく勝つことができなかった。16勝で最多勝を獲った年でさえも上位チームには勝っていない。今井投手は決してこのようになってはいけない。今井投手には、涌井秀章投手のようにエース対決や上位との対戦でしっかりと勝てる投手になっていってもらいたい。
イーグルスに関しては今井投手は完全にお得意様としているわけだが、しかし下位チームにだけ勝って得る最多勝はそれほど格好良いものではない。やはり涌井投手のように、上位チームのエースと投げ合って勝つか、勝てなかったとしても五分のままマウンドを降りるくらいのピッチングを今井投手には期待したいし、今日のようにマウンド上であからさまにイラついた表情を見せるのもやめてもらいたい。例え指先に出血があったとしても。
マウンド上の投手が醸し出すそのようなネガティブな空気は、バックを守っている選手たちにあっという間に伝わってしまい、チームの雰囲気がそれだけで一気に暗くなってしまうのだ。今日の今井投手の立ち居振る舞いは、メンタルの弱さを克服し切れていない何よりの証拠だと言える。逆にそのような負の立ち居振る舞いを一切見せないのが武内夏暉投手だ。
さて、マリーンズ戦だけこれだけ成績が悪いことを考えると、おそらく今井投手の弱点がマリーンズに握られているということなのだろう。確かにプロ野球では時々このようなことが起こる。たまたま発見したポイントが相手の大きな弱点で、弱点を知られていることを気づかれずに対戦できると、相手をカモにしていくことができる。
マリーンズ戦2戦2敗という数字だけを見るとまだ大したことがないようにも思えるが、他のチーム相手に常時好投しているのに、マリーンズ戦に限っては防御率が6.30に跳ね上がるということは、やはり何か弱点を掴まれていると考える方が自然であるため、今井投手が次回マリーンズ戦で投げる際には、捕手を変えて配球もガラッと変えるなどの対策が必要になってくるだろう。
一方打つ方もマリーンズ戦では奮わない。対マリーンズのチーム打率は.189となっている。対マリーンズのチーム防御率が3.79で、対マリーンズの1試合あたりのライオンズの得点は1.5点となっている。つまりマリーンズ戦では投手陣が4点弱取られているのに、打線は1.5点しか取れていない。これでは当然勝つことは難しい。
これはマリーンズ戦だけに限った話ではないのだが、ライオンズ打線はとにかく縦の変化球に弱い印象がある。ほとんどすべての選手が落ちる球や縦の変化球を簡単に空振りしてしまっているのだ。そしてマリーンズの投手陣はライオンズ打線に対し、勝負どころで落ちるボールを選択することが多いように思える。
ちなみに落ちるボールとはフォークボール、スプリッター、チェンジアップ、縦スラなどだ。カーブやスライダー、ツーシーム系は比較的打っている印象なのだが、落ちるボールの空振り率がかなり高い。筆者は何となく数えている程度で厳密なデータを出しているわけではないのだが、ライオンズの打者が落ちるボールをクリーンヒットしている場面は非常に稀だ。
チームとしては何とか落ちるボールに対する対策を練っていかなければ、今後5位との差が縮まった時にさらに戦いは苦しくなるだろう。現在ライオンズと5位バファローズとの差は10ゲームなのだが、5位バファローズと3位ファイターズの差は僅かに1.5ゲームしかない。つまりもしライオンズが5位を狙える位置まで行けた場合、同時にAクラス入りを狙うこともできるということだ。
だが今日のようにチェンジアップという落ちるボールに弱さを見せているうちは、今日対戦した小島投手のように上手くチェンジアップでカウントを稼がれあっという間に追い込まれ、最後は小島投手得意のスライダーを良いところに決められて凡打を積み重ねる内容の繰り返しになってしまうだろう。
今ライオンズの一軍でオーダーに名を連ねている中堅・若手選手のほとんどはセンター方向に顔を向けて打っている。これでは当たり前だが打率が上がることはない。調子が良い時や運が良い時はそれでも打てたりするのだが、それがシーズンを通して続くことはまず考えられない。
栗山巧選手や、今二軍に落ちている金子侑司選手なんかはしっかりとインパクトに顔を向けて振っている。ただし二人とも全盛期はもう昔の話となるため、それでもさすがに今の年齢で高い打率をマークすることは難しい。栗山選手に関して言えば、このようにしっかりとボールに顔を向けて見極めているからこそ、選球眼は未だに衰えを見せていないと言える。
松中信彦氏も不思議がっているわけだが、なぜライオンズの中堅・若手選手たちは栗山選手や中村剛也選手から技を盗もうとしないのだろうか。若い選手たちは自分たちの理想を追いかけているだけで、それ以前に必要な基本を忘れてしまっているように見えることが多々ある。だからこそなかなか安定感のある打撃を見せられていないのではないだろうか。
さて、今日はライオンズの齊藤大将投手とホークスの野村大樹選手の交換トレードが発表された。支配下選手と育成選手の交換トレードは史上初となったようだが、しかし実績面で見ればそれほどの大差はない。齊藤投手も怪我をして育成契約になる前は一軍で32試合に登板しているし、今季はイースタンリーグでも例年以上に良いピッチングを見せていた。
そして野村選手に関してはまだ今年24歳と齊藤投手よりも若いながらも、一軍では通算81試合の出場にとどまっている。今季に関してはまだ2打席しか一軍では打席には立っていなかった。将来性という意味では野村選手はかなり期待されている選手であるわけだが、しかし左のリリーバーを補強したいホークスと、佐藤龍世選手を骨折で欠いて三塁手・一塁手の補強が急務だったライオンズとの間で思惑が一致し、このトレードは成立した。
一部ではこれを、人的補償の指名で和田毅投手を回避した恩を返してもらったとも書かれているが、しかし筆者はそうは思わない。確かに支配下と育成によるトレードは異例中の異例であるわけだが、齊藤投手もかつては一軍で投げていた投手であるため、これは格差トレードには当たらないだろう。現時点でのパフォーマンスや実績を見る限りは、平等なトレードだったと思う。だが若い野村選手をライオンズが獲得できたというのは、ホークスでは野村選手が一軍で守る場所がまったくない結果のためだったと思う。
齊藤投手はドラフト1位でライオンズ入りし、出身地も筆者と同じであるため何とか頑張って一軍に戻ってきてもらいたいと思っていたのだが、しかし投手陣が比較的安定しているライオンズではなかなか支配下に戻るチャンスを得ることができなかった。もし今のライオンズが打高投低であれば残りの支配下枠を投手に割いても良いのだが、しかし極端な投高打低であるため、支配下枠はできるだけ打者を優先させなければならない。そのような理由から齊藤投手はトレード要員となってしまったのだろう。
応援していた選手がライオンズを去ってしまうのは本当に寂しいわけだが、齊藤投手にも、ジャイアンツの若林楽人選手同様に新天地で頑張ってもらいたい。そして今季中にでもライオンズ対ホークスの一軍マウンドで元気な姿を見せ、ライオンズがリードしている場面で、齊藤投手にはライオンズ打線を抑えてもらいたいなと思う。
ライオンズは僅か10日間のうちに2つのトレードを成立させた。しかし7月31日まではまだまだ時間があるため、トレードや補強がこれで打ち止めにされることはないだろう。確実に言えることは、外国人打者の獲得はあるだろうということだ。さすがにこれがなければ選手もファンも納得しないと思う。
ヘスス・アギラー選手もフランチー・コルデロ選手も日本野球をリスペクトする非常に良い選手であるわけだが、しかし数字だけを見ると補強は成功だったとは言い難い。アギラー選手もようやく走れるようにはなってきたようなのだが、バッティングではまだ踵に違和感、もしくは痛みがあるようで、一軍復帰の目処は立っていない。
コルデロ選手もファームでは打率.281と比較的打ててはいるのだが、しかし長打率がなかなか上がって来ず、コルデロ選手らしさを発揮するには至っていない。だがコルデロ選手の最近のバッティングを見ていると、徐々にだが日本の野球にも馴染んできているようにも見えるため、梅雨明けあたりから一気に打球が上がり始めるのではないだろうか。
コルデロ選手の場合は打球の角度が好不調のバロメータになっているため、ゴロや高く上がりすぎたフライが減り、逆に26°〜30°程度の角度がついた打球が増え始めたらホームランの量産態勢に入ったと言って良いだろう。しかしそれを悠長に待っていたら今シーズンがあっという間に終わってしまうため、やはり新外国人選手の追加補強は必須だと言える。
そして最後にもう一点気になることを書いておきたい。先日岸潤一郎選手はSNSナンパによる不倫を報じられたわけだが、西武球団はこれをスルーするつもりなのだろうか。もし違法性がないというだけでこのまま触れずに戦っていくのであれば、昨年は山川事件もあっただけにファンや株主はもう黙ってはいないだろう。
そして岸選手も二度目の文春砲を浴びた翌日からの2試合では8打数ノーヒットと精彩を欠いている。ちなみに掻い摘んで書いておくと、SNSで関係を持った女性は5人以上で、そして現在問題になっている不倫相手の女性に関しては、一度女性側から岸選手から離れようとしたらしい。しかしその時は岸選手が「妻とは2年以内に離婚する」と言い女性を説得したのだが、それでも結局喧嘩になってしまうと、岸選手はその女性をストーカーとして警察に通報したようだ。女性は連絡を取ろうとするも、岸選手がそれを無視し続けたという状態だったらしい。実に男らしくない、情けないにも程がある行動だ。
つまり岸選手からストーカーとして通報された女性は岸選手に弄ばれて捨てられた被害者であり、しかもストーカーに仕立てあげられるというでっち上げ被害にも遭っているということだ。山川穂高にしても岸潤一郎にしても、もはやベルーナドームの子どもたちの前でプレーする資格はないのではないだろうか。
なお現在は弁護士を立てて慰謝料の交渉中らしいのだが、年俸1650万円程度の選手であるため、慰謝料もたかが知れるのだろう。高額年俸者である山川穂高でさえも慰謝料を支払うのを拒否したくらいなのだから、同類の人間である岸潤一郎もやはりまともな額の慰謝料を支払うことは避けたいのだろう。このような問題を起こしたとしても、周囲が納得する額の慰謝料をサッと支払い、潔く女性に謝罪してもらいたいものだ。
筆者は、今季は歴史的な弱さを見せているライオンズでもここまでずっと前向きに応援し続けてきた。しかし二年連続で四番打者が品に欠ける行為で報道されたとなると、ちょっと最近は岸潤一郎が打席に立つたびにパテレを他の試合に変えたくなってしまう。
選手の不祥事は、ファンにとっては敗戦よりも受け入れ難い。不祥事を起こしてもせめてファンが心地よく応援できるよう、西武球団も岸潤一郎も説明責任を果たすべきではないだろうか。