2021年2月28日公開
ブランドン選手が見事な活躍を見せている。今日、チームは3-9でマリーンズに敗れてしまったわけだが、その試合結果に反しファンを満足させてくれたのが、ブランドン選手の実戦2号ホームランだった。今日のホームランは逆方向への見事なホームランだったと思う。
実戦1号を放った後は、プロレベルの変化球にバッティングを崩されたり、三振を喫する場面もかなり目立っていたのだが、その反省を今日の試合ではしっかりと活かしてきてくれた。
ブランドン選手の意識としては、最近は三振が多かったから逆方向に打っていこう、というものだったらしい。反省を活かしたその意識が見事に功を奏し、打球はライトスタンドへと吸い込まれていった。しかも強振したわけではなく、ややリラックスしたスウィングだったようにも見えた。
今日のブランドン選手のホームランを見て思い出したのは、清原和博選手の逆方向へのホームランだった。清原選手もそれほど強振することなく、ライトスタンドにボールを打ち込むのが得意なバッターだった。もちろんブランドン選手はまだまだバッティング・フィールディング共に清原選手のレベルには至っていない。しかし将来的には清原選手のようなスラッガーになれるのではないだろうか、と感じさせてくれたのが今日のライト方向への見事なホームランだった。
ブランドン選手はまだまだプロのレベルに馴染んではいない。ルーキーなのだからそれも当然だ。だが試合をこなすごとに日々プレーに落ち着きが見えてきているようにも感じられる。
ブランドン選手が開幕スタメンの座を手にするためにあと必要なのは、これから始まるオープン戦で、1軍レベルのピッチャーたちにどれだけ対応できるか、ということになるだろう。今日ホームランを打った相手はマリーンズの松永投手で、2020年こそ怪我の影響で1軍の登板は5試合に終わっているが、しかし2019年まではブルペンの大黒柱としてフル回転していた投手だ。
今日のホームランはその松永投手から打ったのだから、これは非常に価値ある一発だったと言える。左腕から投じられた外角のストレートを、ブランドン選手はコースに逆らうことなく見事に捌いて見せた。
最後にブランドン選手とルーキーイヤーの清原選手との現段階での決定的な違いを挙げるとすれば、それは柔らかさだろう。バッティングにしてもフィールディングにしても、清原選手には柔らかさがあった。そのためバッティングだけではなく、フィールディングに関しても非常に上手い一塁手だった。
プロの水に慣れて、もっと1軍レベルでの経験を積み余裕が出てくれば、ブランドン選手ももう少し柔らかさのあるプレーをしていけると思う。だが今はまだ結果を残すことに必死になっているようで、プレーに柔らかさがあるとは言えない。そのためバッティングでも三振を喫することが多くなっている。
筆者個人の意見としては、まさかブランドン選手がこんなに早く出てくるとは思わなかった。辻発彦監督だってそうだったと思う。ルーキーに対して期待を抱いていたとは思うが、まさかこんなに早く結果を出してくれるとは思わなかっただろう。
だが繰り返すが大事なのは3月に入ってからのオープン戦だ。オープン戦では1軍レベルの投手がどんどん登場してくる。それらの投手に対しせめて.250程度の数字を残すことができれば、下位打線で三塁手として開幕スタメンに名を連ねることもできるだろう。だからこそ筆者はこれまでの2本塁打だけで手放しで喜ぶことはせず、心の中では喜びながらも、オープ戦に入ってからのブランドン選手のプレーに注目をして行きたいと思っている。