試合結果/2024年04月17日(水) 千葉ロッテ2 - 0埼玉西武 4回戦 ZOZOマリン

2024年4月17日公開

千葉ロッテマリーンズ vs 埼玉西武ライオンズ/4回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
Lions 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 0
Marines 1 0 0 0 0 0 0 1 × 2 6 0

継投●松本航佐藤隼輔
勝利投手敗戦投手松本航 1勝1敗0S 2.21

ダイジェスト

7連敗中でライオンズ先発陣が先制点を献上したのは実に6試合!

松本航投手

まさに泥沼の7連敗となってしまった。ライオンズは先週の火曜日に大宮でマリーンズに敗れて以来一度も勝っていない。その結果6勝10敗で単独の最下位に沈み、首位ホークスとは4.5ゲーム差も開いてしまった。まだ開幕直後で16試合しか消化していないにも関わらず、すでに首位との差が4.5ゲームなのだから、チーム状態がどれだけ悪いのかが良く分かる。

今日の試合は、松本航投手がまずまずの好投を見せてくれた。8回途中まで投げて被安打5、失点2という内容でHQSを達成している。本来であればこれだけ好投してくれた投手には勝ち星を付けてあげなければならないわけだが、今季もライオンズは好投した投手を見殺しにしてしまう試合がここまでは多い。

ただ、今季2試合目以降の松本投手に関しては球数を節約するスタイルを確立し始めており、奪三振数にはこだわらない打たせて取るピッチングを続けている。打たせて取るピッチングは球数を節約できる分ブルペンを休ませることができ、今日の試合にしてもリリーフで登板したのは佐藤隼輔投手のみだった。

本来であれば明日試合がない分ブルペン陣には余裕があり、松本投手には最初から飛ばしてもらいところではあった。7回1/3で2失点と聞けば上々の内容のようにも聞こえるが、しかし初回にあっという間に先制点を失ってしまったのは良くなかった。野球というスポーツは先制点を挙げると勝率が高くなるスポーツであるため、やはり先発としては簡単に先制点を献上して欲しくはない。

まずまずのピッチングをしながらもなかなか勝てないというのは、まさに隅田知一郎投手が10連敗していた時の状況によく似ている。ライオンズ打線はまだ活性化されていないため、大量援護はなかなか期待できない。そのためできるだけ早く先制し、それを強力ブルペン陣で死守していくのが本来のライオンズの戦い方だ。

だが先発投手がこうも簡単に先制を許してしまうと、今のライオンズ打線では逆転するのが困難となり、攻撃の手も後手後手になることが多くなる。そして後手後手になってくると様々なところで上手くいかなくなり、今日の試合でも長谷川信哉選手岸潤一郎選手が盗塁を試みるも、ふたりとも憤死してしまった。

チーム状況が良い時は盗塁も簡単に決まることが多いのだが、チーム状況が悪いと何もかもが負のスパイラルに巻き込まれてしまう。その負のスパイラルを生み出さないためにも先発投手には先制点を献上して欲しくはないわけだが、7連敗中は実に6試合で先発投手が先制点を許してしまっており、唯一許していないのが今井達也投手となる。

今週は木曜日の休みを挟み、ライオンズは金曜日からベルーナドームでのイーグルス3連戦を戦うことになる。このカードは最下位争いとも呼べるカードのため、ライオンズとしては何としてもこの3連戦中に負け越しを減らしておきたい。

そしてその初戦のマウンドに登るのがイーグルスキラーの今井投手であるため、連敗もさすがに金曜日で止まるであろうことが予想されるし、期待したい。そしてそのためにも今井投手には前回の登板時同様、決して相手に先制点を許さないピッチングを見せてもらえたらと思う。

DH起用された途端猛打賞を記録したコルデロ選手

さて、今日の試合を見ていて筆者はふと思ったことがある。松本投手から佐藤投手にスイッチされた際、佐藤投手はリリーフカーに乗ってグラウンドに入ってきたわけだが、松本投手はそのリリーフカーが出てくる前にマウンドを降りてしまっていた。

もしかしたら球場によって動きも変わってくるのかもしれないが、強かった頃のライオンズは、リリーバーがマウンドに到着するまでそれまで投げていた投手がマウンドに残っていたように思う。これは単に筆者の朧げな記憶の話でしかないのだが、リリーバーがマウンドにやって来て、それまで投げていた投手がリリーバーに「あとは任せた」と言ってからマウンドを降りていくのが昔のライオンズの姿ではなかっただろうか?

これに関しては本当に記憶が朧げで、あくまでも筆者の個人的印象でしかないのだが、もし覚えている方がいらっしゃればX(旧Twitter)などから教えてください。

いずれにせよ深刻なのは得点力不足だ。筆者は昨日のゲームレビューフランチー・コルデロ選手を指名打者として起用すべきだと書いたわけだが、昨日イースタンリーグではコルデロ選手はレフトを守って1安打、今日の試合ではDHで出場して3安打を放っている。やはりコルデロ選手は守備面でプレッシャーを感じていてなかなか打撃に集中できていなかったのだろう。DHになった途端猛打賞を記録し、ファームでの打率は2試合で.500となっている。

やはり筆者が書いた通り、コルデロ選手の二軍降格はDHで様子を見てから決めるべきだったのだ。もちろん一軍と二軍では相手投手のレベルはまったく異なるわけだが、しかし守備の負担がなくなれば、コルデロ選手は一軍でももう少し力を発揮できていたはずだ。

そしてもう一人、二軍では若林楽人選手が打率.375と状態を上げてきたため、今後数試合の金子侑司選手の結果次第では入れ替えが行われるのではないだろうか。若林選手はここまで二軍で6試合に出場し、24打数9安打で打率.375となっている。せっかく調子が上がってきたのだから、一軍首脳陣は調子が良いうちに若林選手を一軍で起用してもらえたらと思う。

さらに陽川尚将選手も8試合で打率.320と健闘しているため、そろそろ一軍で活躍するチャンスを与えてあげても良いのではないだろうか?それこそ打率がなかなか上がってこない中村剛也選手との入れ替えを考えても良いと思う。大切なのは聖域を作らないことだ。中村選手にしろ栗山巧選手にしろライオンズには欠かすことのできない選手であるわけだが、しかし調子が上がらないのであれば二軍で活躍している選手と積極的に入れ替えを行なっていくべきだと思う。

長谷川・岸コンビでなんとなく機能し始めたライオンズの一二番

今のライオンズはまったく勝てていないのだから、何かを変えなければならない。もしくは何かカンフル剤になる存在の投入が必要だ。例えばヒットが出ていないのであれば栗山・中村両選手を抹消すれば、他の選手たちも「あの二人でも抹消されるのか!」と危機感を覚えることもあるだろう。逆に打てていない両ベテランを聖域にしてしまうと、若手選手たちも「あの二人は打ててないけど二軍には落とされない」と燻り始めてしまうこともある。チーム状況が悪い時というのは、そういうことも起こりうる。

ただ、もちろん栗山選手が一人見せる勝利への執念の顔は今のライオンズには必要なものだ。栗山選手はヒットこそまだ3本しか出ていないが、四死球は6個も奪っている。そのため打率は.150と低いが、出塁率は.346と非常に高い。ライオンズが今後得点力をアップさせていくためには、この栗山選手の出塁率を生かさない手はないのではないだろうか。

例えば出塁率で言えば栗山選手の.346に対し、金子侑司選手は.229に留まっている。単純に数字だけで考えるならば、盗塁という選択肢は消えてしまうが、栗山選手を一番に起用するというのも悪手ではないようにも思えてくる。ここまでのライオンズの一番打者起用はことごとく失敗しており、どの選手も一番を打つとまるで取り憑かれたかのように打てなくなる。

だが常に冷静沈着に黙々とプレーし続ける栗山選手にそのようなジンクスは通用しない。またかつてのように、出塁率重視で栗山選手を一番起用し、そこから犠打などで進め、クリーンナップの一打を待つという戦い方がシンプルで良いのではないだろうか。

ただ今日の試合では、一番に入った長谷川選手がノーヒットながらも3四死球で4打席中3回出塁している。ヒットが出なかったとしてもこのような活躍は重要だ。初回も長谷川選手が死球で出塁し、二番岸選手が送り、三番外崎修汰選手でチャンスを広げることができた。残念ながら結果的にはヘスス・アギラー選手の併殺打でチャンスは萎んでしまったわけだが、しかし今日の初回の戦い方は非常に良いものだったと思う。

ヒットが出なかったとしても、こうして一番打者が機能してくればさすがにこれ以上連敗が長引くことはないだろう。そして今日の長谷川・岸という一二番コンビはある程度機能したため、首脳陣にはある程度このオーダーを続けてもらいたい。今季は今日ダメなら明日すぐにオーダーを変えてしまうことが多く、選手たちもなかなか自分の役割を把握しきれないところがあると筆者は考えている。

選手は、自らの役割をしっかり把握できた上で打席に立つことで、より良い仕事ができるようになる。そういう意味でもしばらくはこの若き二人に一二番を任せてみても良いのではないだろうか。そして一二番の役割をしっかりこの二人に学ばせることができれば、リードオフマン不在という状況にもそろそろ終止符を打てるのではないかと思う。

そしてライオンズには一二番の役割を熟知した栗山巧という生き字引がいるのだ。栗山選手が積極的に若き一二番コンビにアドバイスを送っていけば、きっとこの二人は良い選手に育っていくはずだ。そのためにも首脳陣には少しダメだったからと言ってすぐに変えてしまうのではなく、2004年の中島裕之選手のように辛抱強く起用し続けて欲しいなというのが筆者の正直な気持ちだ。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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