2024年8月 1日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Lions | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 |
Marines | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | × | 4 | 5 | 0 |
継投/ ●與座海人〜 ジェフリー・ヤン〜 本田圭佑〜 中村祐太
敗戦投手/與座海人 1勝2敗0S 4.73
盗塁/外崎修汰(6)、山野辺翔(3)
開幕から続くマリーンズ戦の連敗はついに14まで伸び、開幕からの同一カード14連敗というのは、1965年にサンケイアトムスが中日ドラゴンズに喫した13連敗(1分けを挟む)を抜き、プロ野球史上単独ワースト記録となってしまった。
なお開幕からにかかわらず、ライオンズの同一カードの連敗記録ということになると、1995年のオリックス戦15連敗が最長となっており、もし次のマリーンズ戦に敗れればこの球団ワースト記録に並ぶことになってしまう。ちなみに95年と言えば45歳の東尾修監督の一年目で、この年は67勝57敗6分で、首位とは12.5ゲーム差の3位に終わっている。
それにしてもいくらマリーンズの先発が佐々木朗希投手と言えど、54日振りに登板する投手に対し僅か3安打というのは寂しい限りだ。しかも佐々木投手が降板した6〜9回の4イニングスでは1安打も打つことができなかった。そして先発した與座海人投手は青山美夏人投手同様に一発攻勢に沈んでしまう。
こうして負け続けているライオンズを見ていると、もはや打つ手は何も残されていないようにも思えてくる。二軍には頑張っている若手選手もいるわけだが、SNS不倫騒動を完全にスルーしている岸潤一郎選手を一軍に置いておくくらいならば、もっとホームランが期待できる渡部健人選手らを一軍に上げた方が良いのではないだろうか。
やはり長距離砲がいなければ打線のバランスも悪くなる。確かにアンソニー・ガルシア選手は六番に入っているが、七番が野村大樹選手だった。野村選手は打率.188しか打っていないため、相手バッテリーからするとホームランのあるガルシア選手は最悪四球で歩かせたとしても次の野村選手でアウトカウントを増やせばいい、と考えることができるのだ。
そのためガルシア選手に対するマークは当然厳しくなっていき、なかなかストライクゾーンで勝負してもらうこともできなくなる。だからこそホームランバッターを二人並べるべきなのだ。例えば三番ガルシア選手、四番渡部選手ということになれば、渡部選手も長距離砲であるため、ツーランホームランを避けるためにも相手バッテリーは簡単にガルシア選手に対しボール球を使えなくなる。
つまり後ろに強打者がいることによりガルシア選手に対するストライクが増えることになり、その結果ガルシア選手ももっと強振して打球を飛ばしていけるようになるのだ。このようなセオリーから考えても、今日の打順はせめて五番ガルシア選手、六番外崎修汰選手だったのでは、というのが筆者が受けた印象だった。
さて、ライオンズの一軍には今四人の捕手がいる。この内今日ベンチ入りしていたのはスタメンの柘植世那捕手、炭谷銀仁朗捕手、牧野翔矢捕手の三人だった。捕手が三人ベンチ入りしていたという点で振り返りたいのが5回表の攻撃だ。
先頭の外崎選手が死球で出塁し、その後盗塁するもガルシア選手が三振、野村選手はライトフライに倒れた。だが八番鈴木将平選手がセンターにタイムリーヒットを放ち、2点を失った直後に即1点を返した。そして送球間に二塁まで行っていた鈴木選手を置いて打席を迎えたのは柘植捕手だった。
この日の柘植捕手は守備でナイスプレーを見せており、配球面も決して悪くはなかったため、試合の流れを維持するために柘植捕手を代えたくなかったという首脳陣の考えは筆者も理解できる。しかし1点差で負けている5回、二死二塁であればここは打率.083の柘植捕手には代打を送るべきではなかっただろうか。
ここでもう1ヒット出ていれば同点に追い付けたのだが、柘植捕手はほぼど真ん中に来た158km/hのストレートを打ち上げ、セカンドフライに倒れてしまった。柘植捕手には結局8回、二死走者なしという場面で代打が送られるわけだが、代打を送るのであれば5回の得点圏に走者がいる場面で送るべきだったと思う。
このあたりの起用法もかなり後手後手になっているように見え、さすがに10年振りのユニフォームでは渡辺久信監督代行の勝負勘も鈍ってしまっているのかもしれない。交流戦以降の采配を見ていても、前政権時よりも采配にキレがなくなっているように見えるのだ。
前回の監督時には、代える時はもっとスパッと選手を代えていた印象が筆者の中には残っているのだが、今季に関しては代打策も継投策も後手後手に見えることが少なくない。そう考えると、さすがの渡辺監督であっても今季のライオンズの空気を変えるのは困難だったのかもしれない。
ところで、ヘスス・アギラー選手はまだ一軍に戻ってくることはできないのだろうか。アメリカでの足首の治療を終えて、オールスター期間に再来日しているというところまでは情報が出ているのだが、それ以外は今後ファームの試合に合流できるのかどうかもまったく伝えられていない。
もし8月からでもデストラーデ氏の指導によりアギラー選手が再生されるようであれば、もちろん来季も契約する可能性は高くなるだろう。しかしもうすでに丸3ヵ月、つまりシーズンの半分で一軍を離れてしまっているため、もしこのまま試合に出られない期間が続けば、もしかしたらシーズン終了を待たずにウェイバー公示されることにもなるだろう。
ウェイバー公示された場合、公示から一週間を経ても獲得球団が現れない場合は自由契約扱いとなり、その後はファームの試合にも出場できなくなってしまう。逆に獲得球団が現れた場合は譲渡金400万円で、7月31日のトレード期限以降でも移籍することが可能となる。
だが筆者個人としては、アギラー選手にもコルデロ選手にも来季以降もライオンズのユニフォームを着てもらいたいと思っている。怪我が治り、デストラーデ氏の指導を受けながら戦えれば、アギラー選手もコルデロ選手も間違いなく今まで以上に打てるようになるはずだ。
コルデロ選手に関しては感染症特例で抹消された後、もうすでにファームの試合に出場できるくらいまでは体調も回復しているため、一軍に戻ってくるのも時間の問題と言えるのではないだろうか。
そして仮にデストラーデ氏がアギラー選手とコルデロ選手の再生に成功した場合、来季のデストラーデ監督の誕生に対する期待も高まってくる。なお先日アメリカで噂されていたライオンズが獲得を目指したキューバ人選手というのは、元DeNAのグリエル選手だった可能性が高いようだ。だが残念ながらライオンズであった可能性も高かったこの日本球団からのオファーを、グリエル選手が所属するブレーブス側が断ったようだ。
もしデストラーデ・グリエルというキューバ人コンビがライオンズに誕生していたら、それはそれで非常に面白いことになっていたかもしれないのだが、しかしこの交渉は上手くまとまらなかったようだ。となるとやはりアギラー選手とコルデロ選手の再生に期待を寄せるしかない。
なお筆者の記憶が正しければオレステス・デストラーデ氏の父親の名前は、確かレオ・デストラーデだったと思う。この頃はタイラー・リー・ヴァン・バークレオ選手やデストラーデ選手など、レオ繋がりの名前が続いていたことを筆者はよく覚えている。
レオという名の父を持つデストラーデ氏は、ライオンズを再生するにはまさに打って付けの人物とも言えなくもない。もちろんこれはこじつけでしかないわけだが、しかし少なくとも筆者は来季のデストラーデ新監督の誕生を大いに期待しているのである。