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2021年3月27日公開

2021年03月27日(土) ライオンズvsバファローズ2回戦ゲームレビュー

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オリックス 0 0 1 1 1 0 0 0 0 3 9 1
西武 1 0 0 0 0 0 1 0 0 2 6 0

【継投】
浜屋将太〜宮川哲〜佐野泰雄〜吉川光夫〜ギャレット〜伊藤翔

観衆:9,525人、試合時間:3時間04分

初回から力みが抜けなかった先発浜屋将太投手

開幕第二戦の先発マウンドに登ったのは2年目の浜屋将太投手だった。オープン戦では落ち着いたマウンド捌きを見せていたのだが、やはり本人にとっての開幕戦ということもあったのだろう、初回から力みが見えてボールを制御し切れていなかった。

浜屋投手のような技巧派投手が力んでしまうと、球速がちょうど打ちやすいところに入ってしまう。そして力むことで左投手の右股関節を深く使いにくくなり、ボールリリースが僅かに早まってしまうことで、ストレートがややスライダー回転しているように見えた。また、本来であれば変化球をとにかく低めに集めなければならないところを、力むことによって高めに抜けてしまうことも多かった。

本人曰く、調子は悪くはなく普通だったらしい。それでもいつも通りのピッチングができなかったというのは、今季初登板の緊張からだったのかもしれない。ストレートにはそれほどの伸びは感じられず、ボールも全体的に上ずっていた。浜屋投手のように140km台そこそこのストレートの場合、やはり低めに上手く制球ができないと失点を重ねてしまうことになる。

結果的には5回持たず、4回2/3で85球を投じ、被安打4、四死球4、失点3という内容で負け投手になってしまった。ただ失点はすべて1点ずつで、ビッグイニングを作らなかったことは良かったと思う。先発としての役割を十分に果たせたとは言えないが、しかし次回の登板に向けて大崩れする前にしっかりと課題が見つかったのは、一つの光明だったと思う。

浜屋投手は2年目とは言え、修正能力の高い投手だ。次回の登板ではもう少しリラックスして、浜屋投手らしいピッチングを見せてくれるのではないだろうか。

低打率でもオーダーから外すべきではない金子侑司選手

さて、打撃陣に関しては今日は栗山巧選手がベンチ入りメンバーから外れてしまった。だがどこか怪我をしたというわけではなく、下半身に張りが出たという程度のものだったらしい。まだ開幕2戦目で、ここで無理をさせる必要はないため辻発彦監督もベンチ入りから外したのだろう。仮に今日明日の試合は出なかったとしても、来週になればまたスターティングオーダーに名を連ねてくるのではないだろうか。

打線としては、今日はバファローズの高卒2年目・宮城投手に完全に翻弄されてしまった。一応は5安打で2四死球と走者は出したのだが、打線を繋げることができなかった。カーブを2〜3種類投げていたように見えたのだが、右打者の内側に食い込んでくるボールと、左打者から逃げていくボールに対し、ライオンズ打線がまったく対応することができなかった。

特に1番金子侑司選手はまったく合わせることができず、宮城投手に対し4打席で2三振も喫してしまった。今日は金子選手が先頭打者として打席に入った場面が3回あったのだが、どんな形であっても出塁しなければならず、辻監督も金子選手に対しては出塁率を上げるように指令を出しているのだが、この2試合ではまだリードオフマンとしての役割はほとんど果たせていない。

金子選手自身、宮城投手に対しまったく合っていなかったのは自覚していたはずだ。そしてチーム全体としても宮城投手に苦しんでいたのは明らかで、このような状況であれば自らの脚力を活かしてセーフティバントをしたり、とにかく転がして内野安打でも相手のエラーでも、どんな形であっても出塁するという姿勢を見せられれば良かったのかなと思う。

このように、バッティングではまだチームに貢献し切れていない金子選手だが、しかし金子選手をオーダーから外すわけにはいかない。なぜなら、例えヒットを打てなくても守備力で相手のヒットを防いでくれるからだ。

この守備など本当に見事だった。これはスライディングキャッチというファインプレーにも見えるのだが、この打球はセンターとしては最も難しい打球だと言える。ライナーが正面から飛んでくるとボールとの距離感を測れないため、落下点を予測するのが非常に難しいのだ。しかもモヤ選手のこの打球は最初はレフト方向にやや曲がりながら飛んでいるように見えたが、金子選手の目の前で打球が反対側に僅かに曲がったように見えた。恐らくはボールに不規則な回転がかかっていたのだろう。

そしてこの打球は、金子選手の守備範囲の広さと打球判断の良さがなければ、まず追いつけなかったはずだ。平凡な中堅手であれば、これは完全にセンター前ヒットになっていただろう。モヤ選手自身、ヒットを1本損したというような表情を見せていた。

金子選手のこのような守備は、打率を1割増しで見てあげて良いと思う。つまり今はまだ打率が.125であるわけだが、.225だと見てあげたい。もちろん.225でもまったく褒められる打率ではないわけだが、しかしこうして試合に出続けていれば、この打率も一週間後にはかなり上がっているのではないだろうか。

今日に関しては宮城投手にまったく合っていなかった金子選手だが、しかし相手が変わればバッティングも変わる。明日のバファローズの先発は山岡投手でまた難敵が立ちはだかるわけだが、しかし明日はまた新たな気持ちで打席に立てるのではないだろうか。

ここまでのライオンズは1勝1敗で、2試合とも引き締まった試合を見せている。昨季までは、負ける試合では大敗することも多かったライオンズだが、しかし今季は例年になく先発投手陣が踏ん張っている。そして明日先発マウンドに登る平井克典投手もまた、ツーレーンピッチャーとしての本領を発揮してしっかりと試合を組み立ててくれるはずだ。期待しよう!

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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