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2021年3月30日公開

2021年03月30日(火) ファイターズvsライオンズ1回戦ゲームレビュー

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
西武 2 2 0 0 3 0 0 2 2 11 15 1
日本ハム 0 0 0 2 1 0 0 1 0 4 8 0

【継投】
松本航〜伊藤翔〜佐野泰雄〜宮川哲〜吉川光夫

【ホームラン】
山川穂高(1号)、ブランドン(1号)

観衆:20,569人

途中から変化球に頼りすぎてしまった松本航投手

ファイターズとの初戦、札幌ドームの先発マウンドに登ったのは松本航投手だった。初回の立ち上がりから3回にかけてのピッチングは素晴らしかったと思う。森友哉捕手の好リードにも支えられ、打者に的を絞らせないピッチングを続けていた。ストレートがかなり走っていたように見えたのだが、森捕手も同意見だったと思う。だからこそ立ち上がりはどんどんストレートで攻めていったのだろう。

だが点を取られる4回以降になると、ポイントとなるボールで変化球を選ぶケースが増えていった。恐らく1〜3回まではストレート勝負で、4〜6回は逆に変化球勝負という形にし、松本投手ひとりで先発とリリーフをこなす形にしたかったのだと思う。だがその変化球をファイターズ打線に狙われてしまった。

5回に浴びた連打も、フォークボールが良い高さに行っていたように見えた。あとボール1個分低くても良さそうには見えたが、しかしそれでも良いフォークボールを投げていたと思う。だがそのフォークボールを狙われて連打を浴びてしまったのは、勝負どころで変化球が来ることをファイターズ打線に読まれてしまったからだろう。

そして変化球で崩れ始めると、ストレートも序盤のように良いところに決まらないことが増え始めて、結果的には5回0/3でマウンドを伊藤翔投手に譲ってしまった。今季初登板で力みもあったと思うのだが、序盤が良かっただけに、その勢いのまま行っても良かったのかな、というのは結果論でしかない。

だがとにかく3-7とリードを守ったままマウンドを降りたというのは、最低限の役割は果たしたと言えるのかもしれない。とは言え松本投手は裏ローテの一番手を任されている投手なのだから、QSをクリアして喜んでいるようではいけない。つまり6回3失点だったとしても、松本投手に求められていることを思えば合格点ではないということだ。しかし次回のマウンドではその辺りを修正して、今日以上のピッチングを見せてくれるはずだから期待したい。

見事な火消し役を務めて見せた伊藤翔投手

そして無死二塁一塁というピンチで松本投手のマウンドを引き継いだのは伊藤翔投手だった。松本投手が出してしまったこの2人の走者をすぐにワイルドピッチで三塁二塁に進めてしまったのだが、しかし後続を見事に断って見せた。三人目の打者から3つ目のアウトを三振で奪った際のガッツポーツが印象的だった。

今はブルペン要員としての役割を与えられている伊藤投手だが、このようなナイスピッチングを続けていれば、そう遠くない未来に先発マウンドに立つチャンスが訪れるはずだ。

ホームランを打った直後に左足を痛めてしまった山川穂高選手

バッティングの方では山川穂高選手が心配だ。初回に今季1号となるツーランホームランをライトスタンドに放り込んだのだが、一塁ベースを踏んだ際に左足に痛みが走ったらしく、歩いてホームインした後は守備には就かず、そのままベンチに下がってしまった。

試合中の情報ではベンチ裏でアイシングをしている程度とのことだが、とにかく長引く怪我にならないことを祈るばかりだ。山川選手は、今季はどんなに調子が悪くても40本塁打を打つと明言している。こんなところで休んでしまっては、40本塁打どころか30本塁打さえも危うくなってしまう。そしてチームとしても主砲を欠いた状態で戦うことほど辛いことはない。そうならないためにも、今はとにかく大きな怪我ではないことを祈るしかない。

北海道の地で闘志を燃やすブランドン選手

だが、仮に山川選手がしばらく試合に出られないということになっても、ライオンズにはすでにオプションが用意されている。ブランドン選手が一塁の守備を練習しているはずで、もしもの時はブランドン選手がファーストに入るはずだ。

そのブランドン選手、今日は指名打者としてスタメンに名を連ねたのだが、2回の1打席目で見事なツーランホームランを放ってみせた。打ったのは高めに抜けたチェンジアップだったと思うのだが、その甘い球を1球を仕留めたのは見事だと言う他ない。

しかもブランドン選手はホームランを打った次の打席で送りバントを命じられ、しっかりと走者を送ってみせた。右足を大きく引いた基本に忠実なバントフォームで、プロ初ヒット・初ホームラン・初打点だけではなく、初犠打と初犠飛も決めてみせた。大学時代を過ごした北海道での試合に闘志を燃やしていたブランドン選手だったわけだが、その闘志が結果に繋がって本当に良かったと思う。

ファイターズに連勝して福岡に乗り込みたいライオンズ

ここまでの4試合、ホークスがまったく負けてくれず4戦4勝で首位を守っている。ライオンズはここまで3勝1敗で来ているわけだが、ここで1ゲーム差以上離されるわけにはいかない。万が一でも2ゲーム差、3ゲーム差となってしまったら、シーズン序盤であってもそこからホークスを追撃することは非常に難しい。

金曜日からは福岡の地でホークスとの3連戦を控えている。この3連戦を窮屈な戦いにしないためにも、差は1ゲーム以下、できれば同率にした状態で福岡に乗り込みたい。そしてそのために重要さが増してきたのが明日の5試合目だ。先発マウンドには今井達也投手が登る。明日はホークス戦に向けてチームに勇気を与えるピッチングを今井投手には期待したい!

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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