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2021年11月13日公開

西武の新外国人選手として調査されているブライアン・オグレディ選手

ブライアン・オグレディ

筆者はまだあまり魅力を感じていないオグレディ選手

ライオンズでは今季所属した5人の外国人選手すべての契約を終了することになった。外国人選手の総入れ替えはリスクがやや高いと言えるのだが、しかし彼らの数字を見るとそれも当然かなということになるのだろう。

現在報道では、パドレスからFAになっているブライアン・オグレディ選手の調査を行なっていると伝えられている。だが筆者個人としては、この選手を獲得する高い必要性はあまり感じていない。必要性があるとすれば、外野と一塁の複数を守れるという点だろうか。

一応メジャーでプレーしている経験はあるが、メジャーでの実績はほとんどないに等しい。だがこれはそれほど問題ではないと思う。メジャー経験がなくても、日本のプロ野球で上手くハマる選手は大勢いる。

オグレディ選手に対し筆者が最も注目したいのは得点圏打率だ。今季は主にマイナーリーグのエルパソでプレーをしたのだが、マイナーでの打率.281に対し、得点圏打率が.264となっている。マイナーリーグでこの程度の数字しか挙げていない選手を獲得する意味はあるのだろうか。

これが仮に打率.281で、得点圏打率が.350であったなら話は変わってくる。しかし今季山川穂高選手の得点圏打率が.172とチャンスではまったく打てていない状況で、マイナーでの得点圏打率.264のオグレディ選手を獲得しても、弱体化した打線を強化することは難しいのではないだろうか。

そしてオグレディ選手は左打ちなのだが、3番を打つ森友哉捕手が左打ちということを考えると、オグレディ選手を4番に入れることはできれば避けたい。3・4番を共に左打ちにしてしまうと、相手チームが左打者殺しの投手を投入しやすくなるためだ。

ただしオグレディ選手は、マイナーリーグでは左投手相手に.317という打率を残しており、対右の.270と比べても、左投手を得意としているようだ。

山川選手の起爆剤になれる外国人打者の存在が必要

オグレディ選手は右膝を曲げ、上半身を突っ込ませて打つことがやや多い。この癖がある外国人選手は、日本の変化球に苦労することが多く、あまり良い打率は残せないのではないだろうか、というのが筆者の個人的意見だ。

オグレディ選手に関してはまだ調査中という段階であるため、実際に獲得となるのかはまだ分からない。だがここで具体的に名前が挙がるということは、獲得に至る可能性は高いのだろう。

内外野を守れて、そこそこ走れる左打ちという意味では、スパンジェンバーグ選手とタイプは似ている。同じタイプの選手をこうして探してくるということは、このタイプの選手がもしかしたら辻発彦監督が求めている外国人選手像なのかもしれない。

だがやはり筆者は「4番山川」ありきで考えるのではなく、4番を打てる右の大砲を獲得すべきだと思う。そして得点力の向上を目指すのであれば、やはり打率よりも得点圏打率の方が高い選手をピックアップすべきだ。

例えば2021年の中村剛也選手の打率は.284だったが、得点圏打率は.317だった。ライオンズはこういう数字のバランスを持った外国人打者を獲得すべきではないだろうか。ユーティリティ性前提では、また中途半端な成績しか残せない外国人打者を招いてしまうことになる。

これもあくまでも筆者の個人的な意見であるわけだが、一塁やDH専任であってもまずは打てる外国人選手を探すべきだろう。その結果山川選手を三塁中村選手のバックアップに回すことになったとしても。

本塁打王を2回獲得したのはもう過去の話だ。そして2回目の本塁打王を獲得した時も山川選手の打率は低空飛行で、近年は当たれば飛ぶが、なかなか当たらないというバッティングが続いてしまっている。この山川選手を発奮させるためにも、起爆剤にするためにも、山川選手のポジションにぶつけるような外国人選手を獲得すべきだと筆者は考えている。

ライオンズ打線はやはり山川選手の復調なくして考えることはできない。だが今までのように「4番山川」前提で考えてしまうと、また同じ失敗を繰り返してしまうのではないだろうか。それならば山川選手は6〜7番前提でスタートさせ、そこから実力で4番を再奪取させるというやり方の方が、山川選手自身にとってもプラスになるように思える。

こうして考えていくと、やはりオグレディ選手では役不足のように感じられるのだ。もちろん日本に来てみたら大変貌を遂げるという可能性もあるわけだが、そのような選手は稀だ。

ライオンズの例年の傾向では、外国人選手の獲得時期は比較的遅い。そのためまだ確定には至らないと思うのだが、どんな選手を獲得するにしても、少なくとも現状のライオンズを踏まえれば外国人打者にそれほどユーティリティ性を求める必要はない、というのが筆者個人の意見なのだが、読者の皆さんはどうお考えだろうか。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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