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2023年9月 4日公開

誠意のかけらも感じられない不起訴後の山川穂高選手のコメント

被害者の方への謝罪を一切しない山川穂高選手の誠意のなさ

山川穂高不起訴

先週、山川穂高選手の不起訴が正式に発表された。だがこれはあくまでも推定無罪というだけの話であり、刑事事件にまでは至らなかっただけだ。言い換えると、潔白を証明できたわけではないということはハッキリさせておかなければならない。

不起訴=潔白、という図式は成り立たない。今回は刑事事件にまでは至らなかったが、被害者の女性が民事訴訟を起こす可能性がまだ残っている。示談が成立しなかったということは、被害者としては今後は民事訴訟に切り替えて慰謝料を求めていくことになるのだと思う。

被害者の方は慰謝料として1億円を要求していたという報道もあり、これには弁護士の先生方もメディアにおいて法外な額だとコメントされていた。だが山川選手の年俸を鑑みればこれくらいの額を請求されたとしても、筆者個人としては不思議に感じることはない。

もちろん一般的に、1億円を要求したからといって本当に1億円を得られるというわけではない。最初に1億円という額を出し、そこから交渉によって金額を小さくしていき、最終的に示談をまとめるという流れになる。だが山川選手は示談には一切応じず、自らの非を認めようともしていない。

不起訴になった後の山川選手のコメントを読んでも、被害者の方への謝罪の言葉が一切ない。もちろんこれは弁護士により、罪を認めることを意味するため言うなと制止されているのだろうが、ファン目線からすると、山川選手の言動からは被害者の方への誠意は一切感じられない。果たしてライオンズは、このような人物に籍を与え続けるべきなのだろうか。

女性ファンとベルーナ社の意見>山川穂高の長打力

一部のファンは山川選手を早く復帰させるべきだと考えているようだが、筆者はそうは思わない。西武球団にはしっかりとしたマーケティングチームがあるのだから、まずはファンの意見を集めるべきだ。恐らく山川選手の復帰を支持しているファンの大半は男性であるはずだ。

西武球団は2000年台後半に入ってから子どもだけではなく、女性ファンの開拓にも力を入れてきた。「獅子女」という言葉もその一環から生まれたものだ。若い頃に西武ドームに来ていた女性たちに、今度は子どもを連れてまた西武ドーム(ベルーナドーム)に戻ってきてもらうためのマーケティングにも力を入れていた。つまり西武球団としては、絶対に蔑ろにできないのが女性ファンの意見なのだ。

しかし現実問題として、山川選手の復帰を支持している女性ファンは非常に少ない。ほとんどの女性ファンは山川選手に対し拒絶反応を起こしているし、西武HDの株主総会でも山川選手を解雇すべきと意見した女性株主がいたようだ。「山川のプレーなんてもう見たくない」と考えている女性ファンは決して少数ではない。

西武球団としてまず考えなければならないのは、山川選手の本塁打数などではなく、女性ファンをこれ以上は失えないという現実だ。女性ファンを敵に回せば、当然ちびっ子ファンがベルーナドームにやってくる回数は減る。そしてそもそも、女性をメインターゲットにしている大スポンサーであるベルーナ社が良い顔をするはずがない。

これらの事実を天秤にかけるならば、山川選手の存在よりも女性ファン・ちびっ子ファン・ベルーナ社の意見の方がはるかに重要であり、今オフ山川選手が放出される可能性は非常に高いと言えるだろう。

山川選手の今季の推定年俸は2億7,000万円となるわけだが、これを半減させたとしても1億3,500万円と高額だ。今季はほとんど試合には出ていない選手に対して払うべき金額ではない。

そもそもライオンズにはもう居場所などないのではないだろうか?コーチにしろチームメイトにしろ、山川選手をこれからどう扱って良いのかと戸惑いがあるはずだ。来季以降のチーム内の雰囲気を考えても、やはり放出するのが現実的だと思う。

世間では「一回の過ちくらいで」と言われることもあるが、普通の人間はこのような過ちは一生犯さない。それを犯してしまったのだから、「不起訴だから無罪」などと考えるべきではない。もはや山川選手には性犯罪疑惑のイメージがこびりついており、それを1年や2年で払拭することは事実上不可能だ。

山川選手は自らの行いにより、これまでの功績をすべて泡沫としてしまった。本当に残念だ。

山川選手とバウアー投手のケースは同じではない

さて、一部にはDeNAではバウアー投手がプレーをしているのだから、山川選手にもプレーをさせるべきだという意見もあるようだが、筆者はこれには賛同できない。

まずバウアー投手も強姦の嫌疑がかけられたが、山川選手同様不起訴となっていた。だが結果的には2年間試合に出ることができず、試合に出られるようになる見込みだった2023年シーズンも、まるでMLBから追放されるような形で日本にやってきた。

今回西武球団は不起訴となった山川選手に対し正式に「無期限の公式試合出場停止処分」を課した。だが今季はもはや24試合しか残されていない。西武球団にしてもこの無期限という言葉を「24試合」という意味で使っているわけではないはずだ。

ちなみにこのような事件が起きた際、MLBとNPBでは対応の仕方が異なる。MLBは、MLB機構がコミッショナーの権限により出場停止処分を課すのだが、NPBの場合はそうではない。NPBは傍観者に近く、各球団で責任を持って処してくださいというスタンスだ。

バウアー投手を前例とするのであれば、来季も出場停止処分は解けないと考えるのが妥当だ。だとすると西武球団としてはできるだけ早く山川選手の引き取り手を探さなければならない。

あとたった16日間の1軍登録で山川選手は国内FA権を取得できたわけだが、FA移籍となると西武球団にはほとんどメリットは生じない。しかしトレードとなればそれなりの選手を獲得できる可能性もある。そして無期限の出場停止処分は西武球団が課したものであるため、他球団に移籍した場合、その処分が無効になる可能性もある。

その可能性を考えるならば、もし山川選手が早く試合に出たいと今なお考えているようであれば、ライオンズとの対戦が少ないセ・リーグへの移籍が最善となるのではないだろうか。

ライオンズとしては現在経験値のある計算できるベテラン捕手がいない。岡田雅利捕手の存在はあるがまだリハビリ中で、来季中に1軍復帰できるのかもまだ不透明だ。そのためどこかセ・リーグの球団と、経験値のあるベテラン捕手と山川選手のトレードを画策するのが良いのではないだろうか。

ライオンズはもうクリーンナップの若返りに着手している。ここ最近は渡部健人選手蛭間拓哉選手がクリーンナップに名を連ねることが増えてきた。松井稼頭央監督としては来季はこの流れで打順を形成し、ここにもう一人長打を打てる外国人選手を据えたいという構想を練っているのではないだろうか。

山川選手は、バウアー投手同様「外国に追いやられても野球を続ける」というだけの覚悟を持っていれば、どこか拾ってくれる球団もあるかもしれない。もしくは西武球団とのパイプを考えると、台湾移籍というシナリオも考えられなくもない。

不起訴後の山川穂高選手のコメントには一切男気を感じない

今回不起訴が発表されたのち、山川選手の会見は行わないことがすでに伝えられている。だがこれに納得する野球ファンなどいるのだろうか?野球ファンの目にこの山川選手の対応は、事を有耶無耶にしたいだけのようにしか映らない。まるで野球ファンが今回の事件を忘れるのを待とうとしているかのようなスタンスだ。

山川選手は一貫して「事実だけを話してきた」と言い張っているが、その事実は我々ファンには一切届いて来ない。そして「お詫びと感謝の気持ち」ともコメントしているが、やはりそんなものは我々ファンには一切届いて来ないし、響きもしない。

仮にもし山川選手が被害者の方に対し「一生かけても償う」くらいのことを宣言すれば、過ちを犯した山川選手を再び受け入れてくれる女性ファンも出てくるかもしれない。だが現時点までの山川選手の言動では、西武球団は女性ファンを失うばかりで得られるものは何もない。

「(不起訴とはなったが)一生かけても償う」くらいのことさえ言えない男気のない選手を西武球団はいつまでも保有しておくべきではない。しかも年俸が高いだけで来季も試合で使えるのかは微妙な状況であることから、費用対効果を考えても早く山川選手をトレードなどで放出すべきだろう。

少なくとも西武球団は「性犯罪疑惑をかけられてもこの程度の処分で済む」という悪しき前例を作ってはいけない。社会に対し大きな影響を持つプロ野球球団なのだから、ファンが納得するやり方でもっと厳しく処するべきだと筆者は考えている。

いずれにせよ、今後山川選手には民事訴訟を起こされる可能性がまだ残っている。そのためこの事件はまだ解決には至っていない。そして山川選手が被害者の方を逆に訴えるというケースも考えられる。だがそれをすればもう野球界には一切の居場所はなくなるだろう。

西武球団に在籍している限り、示談が成立するまでは少なくとも出場停止処分は解かれないのではないだろうか。そしてもし民事訴訟を起こされそれが長引くことになれば、もう山川選手が1軍のグラウンドに戻ってくることは事実上不可能に近くなる。

世の中には性被害を受けた女性を支援するグループが多数ある。そのようなグループが今回の被害者の方を支援することになれば、それに賛意を示し寄付をする女性ファンも多くなるだろう。

そのようなことも考えられるだけに、「1億円くらいサッと払ってしまえばいいのに」と考えてしまう野球ファンは果たして筆者だけなのだろうか。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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