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2023年9月 5日公開

溝が生じている以上西武球団に山川選手を擁護する義理はもうない

日本国民の模範となることはプロ野球選手の契約上の義務

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NPBには「統一契約書」と呼ばれる、契約更改時に必ずサインする必要がある書類がある。その第17条には「個人行動とフェアプレイとスポーツマンシップとにおいて日本国民の模範たるべく努力すること」と記されている。この契約書こそが、我々のような一般社会人とプロ野球選手との最大の違いだ。

プロ野球選手というのは、球団と契約を締結した時点で日本国民の模範となる行動が、契約書によって義務付けられている。だが山川穂高選手を筆頭に、ライオンズの選手数人は模範とはならない行動を取ってしまっている。

SNSナンパ程度であれば、よほどじゃなければ大問題に発展することはないだろう。だが山川選手のように性犯罪疑惑となれば、これは日本国民の模範とならないばかりか、法に触れる可能性さえある大問題となる。

仮に法を犯していなかったとしても、妻帯者が他の女性をホテルに連れ込むという行為はまったく日本国民の模範とはなっていないし、他球団以上にちびっ子ファンが多いライオンズにおいては、性犯罪の嫌疑をかけられた選手を子どもたちの前に出すことなど到底できることではない。

そのため筆者個人としては、西武球団は今オフ中に確実に山川選手を放出すべきだと考えている。そして問題を起こせばこういうことになる、ということを若手選手たちに改めて示し、再度気を引き締めさせるための良いきっかけとして使っていかなければならない。

間違っても「こんな大問題を起こしたのにこの程度で済むんだな」と思われてはならない。今回の無期限公式戦出場停止処分を「重い」「妥当」と評価するファンも多いようだが、筆者はまったく重いとは思っていない。寧ろ「この程度か」というのが正直な感想だった。

万引きで職を失う一般人と、性犯罪疑惑でも職を失わない山川穂高選手

仮に一般企業であれば、警察の捜査が及んだ時点で解雇処分とされる可能性が非常に高い。例えば一般的には、万引きという比較的軽微な犯罪によって職を失う人々も少なくない。もちろん万引きもれっきとした犯罪であるわけだが、万引き程度でも職を失うのに、一人の女性の人生を台無しにし、性犯罪の嫌疑をかけられたのにこれからもプロ野球選手でいられるということに、不公平さを感じる野球ファンは少なくないはずだ。

やはり山川選手はもうライオンズにいるべき選手ではないと思うし、それは山川選手自身も分かっているはずだ。こんな大問題を起こして迷惑をかけてしまったチームメイトや球団、ファンに対し顔向けなどできないはずだ。だからこそ記者会見も行わないという判断をしたのだと思う。

ちなみに西武球団と山川選手との間には大きな溝があり、この溝もまた球団が山川選手の放出を目指す一つの材料となっている。ではその溝はどのようにして生じたのか?

西武球団としては、球団担当弁護士の力を借りて何とか示談、和解へと事態の収束を目指そうとした。そうすることで山川選手が戦列に復帰できるように尽力しようとしたのだが、山川選手は示談することを拒絶し、球団の弁護士ではなく、個人的に別の弁護士を雇い独断で事を進めてしまった。

球団の方針には従わずに行動を起こしたのだから、西武球団としても山川選手をこれ以上擁護する義理などないというわけだ。今回の処分は公式戦が対象で、フェニックスリーグは処分の対象には入っていないようなのだが、しかし今、山川選手のプレーを見たい野球ファンなどいないだろう。

現実をしっかりと受け止めるのであれば、3軍だろうとフェニックスリーグだろうと、もう山川選手にライオンズのユニフォームを着てプレーをする資格はないと言える。

見たいのは山川選手ではなく、西武の3番を背負ったかつての主砲ナカジ

すでにライオンズは山川選手なしのチーム作りに着手している。今夜の試合でも3番蛭間拓哉選手がタイムリーヒットを放ち、4番渡部健人選手が2ランホームランを放っている。まだまだ未熟なふたりではあるが、それぞれ新たな主砲コンビとして着実に経験を積んで来ている。

せっかくこのふたりの3・4番コンビが形になってきたのだから、ここにわざわざ山川選手を戻してくる必要などない。フェニックスリーグにしても山川選手のために打席を空けるくらいならば、若手選手たちに1打席でも多くのチャンスを与えてもらいたい。

そして背番号3番に関しては『山川選手から剥奪し、中島宏之選手を再獲得し背負ってもらいたい背番号3』でも書いた通り、やはり一度中島選手に返還してもらいたい。中島選手はまさに日本国民の模範となれるプロ野球選手だ。

シンプルに中島選手と山川選手の交換トレードでも良いと思う。中島選手はライオンズで7番打者としてキャリアをスタートさせたわけだが、大ベテランとなった今再びライオンズの7番打者に戻りドンと座ってもらうことができれば、強力なポイントゲッターとなってくれるはずだ。

そして中島選手がライオンズに戻って来てくれれば、栗山巧選手中村剛也選手にも相乗効果が生まれ、「中島さんに負けてはいられない!」と更なる闘志を燃やせるようになるはずだ。

ファンの間でもナカジのライオンズ復帰待望論は今なお根強い。日本球界復帰時にはライオンズは中島選手を再獲得することに失敗してしまったが、今こそそのチャンスだと思う。山川選手を放出できて中島選手を得られるのであれば、現時点での現実を考えれば、それが西武側にとっては最善なのではないだろうか。

筆者個人としては、一人の女性の人生を台無しにし、しかもその被害者に対し誠意の欠片も見せようとはしない山川選手のプレーなど、正直なところもう見たいとは思わない。それよりも見たいのは、現在はジャイアンツの2軍で燻っている中島選手が来季はライオンズの背番号3番を纏って、再びあのぶった斬り打法で躍動する姿だ。そう考えている西武ファンは筆者だけとは思わない。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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