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2024年10月30日公開

アギラー選手の退団で獲得の期待が大きく膨らんできたダヤン・ビシエド選手

アギラー選手の退団で獲得の期待が大きく膨らんできたダヤン・ビシエド選手

今季開幕時に四番を打ったヘスス・アギラー選手の退団が正式に発表された。渡辺久信GMは術後の経過を秋季キャンプで見てから契約を更新するかどうかを決めると話していたが、アギラー選手が再来日したという情報は出ていないため、恐らくは回復が期待ほど芳しくはなく、来季の開幕を万全で迎えられる保証もなく、それにより自由契約という判断になったのだろう。

筆者個人としては足首の怪我が治り、メジャー時代のような凄まじいスウィングを見せるアギラー選手を来年は見たいと期待していたのだが、残念ながらアギラー選手が再びライオンズのユニフォームを着ることはなくなってしまった。

これで今季加入した新外国人選手はフランチー・コルデロ選手ジェフリー・ヤン投手、そしてアギラー選手が1年限りで契約終了という形となり、中米四人衆で残るのはアルバート・アブレイユ投手だけとなる。このアブレイユ投手とは契約更新予定ではあるが、しかし契約内容で合意されなければ他球団に移籍してしまうという可能性もあるため予断は許されない。

だがセーブ王を狙える位置にいるアブレイユ投手をリリースするわけにはいかない。複数年契約を提示してでもアブレイユ投手は残留させなければならず、それがまずは広池浩司新球団本部長のドラフト会議後の最初の大仕事ということになるだろうか。

これでライオンズの支配下登録の外国人バッターは、今季中に育成から支配下契約に切り替わったアンソニー・ガルシア選手のみとなる。なおこのガルシア選手は残留が既定路線となっている。ただガルシア選手もコルデロ選手同様に守備に難がある選手であるため、DH以外での起用となるとかなり怖さがある。しかし年齢的には来季25歳とまだ若く、年俸も1000万円にも満たないため、今後の成長に期待することはできそうだ。

なお西武球団としては今季ファイターズで活躍したレイエス選手の獲得調査を行なっていたわけだが、このレイエス選手は早々に日本ハム球団との複数年契約に合意してしまった。西武球団は高額年俸の助っ人打者を2年連続で総入れ替えしなければならない現実に直面しており、レイエス選手を獲得できなかったことがこの補強をさらに難しいものにしてしまうことは間違いない。

とにかくライオンズとしては、日本未経験の外国人打者のみを獲得することだけは今オフに関しては避けなければならない。日本野球をすでに経験しており、日本野球にすんなりと対応できるであろう選手を少なくとも1人は獲得しなければならない。もちろん2選手ともそのような選手であることが望ましいわけだが、さすがにそうなると難易度はさらに上がる。

また、今季はシーズン途中からオレステス・デストラーデ氏がスペシャルアドバイザーとしてライオンズに加入したわけだが、デストラーデ氏の処遇も気になるところだ。少なくともコルデロ選手は後半戦に関しては、ファームで日本野球に対応し始める姿を見せていた。残念ながら一軍で活躍することはできなかったわけだが、デストラーデ氏の指導が無駄に終わったということはないと思う。そのため外国人打者に苦しんでいるライオンズとしては、デストラーデスペシャルアドバイザーを、常任じゃなかったとしても続投させてもいいのかなとは思う。

さて、日本野球を経験している外国人スラッガーとして今最も注目されているのが、この秋ドラゴンズを自由契約となったダヤン・ビシエド選手だ。ビシエド選手は現在、日韓4球団と交渉中という情報が届いている。ただこの情報は最近になってNPBの4球団と交渉中という内容にも変わってきており、恐らくビシエド選手本人としては日本で野球を続けることを最優先で考えているのだろう。

近年のビシエド選手は速い球に差し込まれることも増えていたわけだが、しかし環境を変えて心機一転してプレーすることができれば、再び体のキレを取り戻すことも十分に可能であるはずだ。そして何よりもビシエド選手は日本人選手扱いとなるため、外国人選手枠に捕らわれない起用法が可能になる。

つまり極端にいうと、スタメンにビシエド選手を含めて3人の外国人打者を並べられるようになるということだ。ライオンズは今和製スラッガーがほとんど育っていない状況であるため、来季に関してはとにかく外国人スラッガーの力が必要だ。そして仮にオーダーに外国人選手を3人並べられたとしたら、じっくりと次世代の和製スラッガーを育てる時間を稼ぐこともできる。

一部報道では西武球団はビシエド選手の獲得調査は行わないと伝えられているが、しかし実際のところは今季の3億7300万円という年俸は大幅に下がることを考えると、西武球団は何としてでもビシエド選手を獲得すべきだろう。ここ2年間は出場機会を大幅に減らしているビシエド選手ではあるが、この選手には打点を稼ぐ能力がある。ホームランはそれほど増えなかったとしても、試合に出れば70打点以上は期待できる打者であるため、例えばこの選手を2億円少々で獲得できるのであれば、西武球団はその資金を惜しむべきではない。

さすがに3億を超えるとなると獲得は躊躇われてしまうが、2億円少々であるならばアギラー選手の今季の年俸と同額となるため、獲得する価値は十分にあると言える。また、ビシエド選手は出場機会を求めているはずであり、12球団の中で今、ライオンズほど出場機会に恵まれるであろうチームは他にはない。そしてライオンズファンの多くがビシエド選手に対しウェルカムな姿勢であるため、西武球団はやはり本気でビシエド選手の獲得を検討すべきだろう。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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