2024年2月 6日公開
2月6日、ライオンズもいよいよ12球団の
そんな中期待の外国人選手、コルデロ選手とアギラー選手がフリーバッティングに登場した。二人とも流石のパワーを誇り、コルデロ選手に関しては体勢を崩しながらもスタンドインさせるパワーをすでに見せつけている。
そしてパ・リーグTVの実況音声でも語られているように、アギラー選手とコルデロ選手は実に爽やかな振る舞いを見せている。フリーバッティングを終えた時もバッティングピッチャーとがっしり握手をして礼を述べるなど、すでに日本流の文化に馴染んでいるようにも見える。
彼らは来日前に、ライオンズや日本野球を知る野球仲間たちから情報を得ていたわけだが、その中で日本文化についても学び、初日から実践して見せているのだろう。カリブ海からやって来た新助っ人四人衆の中の年長者、アギラー選手がこうして率先して日本文化に溶け込もうとしている姿を見せてくれると、他の助っ人選手たちも自然とそれに倣おうとし、助っ人選手と日本人の間の垣根を完全になくしてくれるのではないだろうか。
近年は「人柄重視の助っ人補強」が多く、今季は「実力主義での補強」だとも言われていたが、こうしてアギラー選手やコルデロ選手の紳士な振る舞いを見ていると、新助っ人たちの人柄も最高ではないかと思えてくるし、実際に素晴らしい人柄の選手たちなのだと思う。
それにしてもコルデロ選手のパワーは圧巻だ。フリーバッティングでも外角低めのボールに対し、上半身を反対打席側に傾けながら、縦振りされたバットで上手く捌いてスタンドインさせている。
コルデロ選手はもっと弾丸ライナーで打球を飛ばすようなイメージがあったのだが、キャンプ初日のフリーバッティングを見る限り、打球にバックスピンをかけるのも上手そうだ。つまり中村剛也選手のように滞空時間の長い、美しい放物線を描いた打球を飛ばすことができるということだ。
外国人打者が苦労しがちなのは、日本人投手の変化球の精度の高さだ。打者が苦手なコースに上手く制球して変化球を投じてくるため、多くの打者が体を前に出されてしまい、泳がされる形で打ち、そこからフォームを崩していくケースが多い。昨季活躍できなかったペイトン選手は、まさにその典型ではなかっただろうか。
そういう意味でもコルデロ選手はバッティングピッチャーが投じる緩いボールにも体を突っ込ませることなく、しっかり軸脚に体重を乗せた状態でボールを待ち、自分が得意とするポイントでハードヒットさせられている。コルデロ選手にしても、アギラー選手にしてもまだまだ本調子ではないはずだが、キャンプ初日でこれだけ動ければまずは十分ではないだろうか。
そしてホークスから新加入した甲斐野央投手に関しても、まったく違和感なくライオンズの投手陣に溶け込んでいる。その姿はまるで今までもずっとライオンズの選手であったかのようだ。
投げるボールもキャッチボールの段階ですでに手応えを感じていたらしく、慌ただしい移籍劇を経ながらも、調整は順調だったことが伺える。ブルペンでも球質の良いボールを投げており、甲斐野投手自身、飛ばしすぎないように注意したいとのことだ。
周知の通り甲斐野投手は一度右肘にメスを入れているため、再度肘を痛めないようにすることは現段段階での最重要事項だと言える。だがこの右肘への不安がない状態で投げ続けられれば、甲斐野投手は間違いない一軍ブルペンの主戦投手となってくるだろう。
移籍直後で誰よりもアピールしたい気持ちはあるだろうが、しかしここまでは上手く自制できているようだ。そもそも甲斐野投手にはある程度の実績があるため、首脳陣もオープン戦が始まるまでにしっかりと肩を作ってくれればいいという程度で見ているのではないだろうか。
いずれにしても甲斐野投手はライオンズのチームカラーにフィットした人柄の選手だと思う。明るくて野球に対しとても真面目で、ちびっ子ファンの素晴らしいお手本になれる選手だ。
甲斐野投手にはこのまま怪我なく良い状態を一年間続けてもらい、シーズンのラストではぜひベルーナドームで、ホークスを相手に胴上げ投手になれるよう頑張ってもらいたいし、それがホークスに対して最大の恩返しになると思う。