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2024年2月22日公開

【春季キャンプリポート / 2月22日】武内投手同様、開幕一軍入りが期待される糸川亮太投手

ツーレーンピッチャーという特性を持つ糸川亮太投手

糸川亮太投手

ライオンズのルーキーでは武内夏暉投手ばかりが注目されているが、しかし糸川亮太投手の存在も忘れてはいけない。

昨オフ、ライオンズから元山飛優選手とのトレードで宮川哲投手がスワローズに移籍してしまった。この移籍を実現させたのが糸川投手の存在だったと筆者は考えている。

宮川投手は先発もできるタイプの、パワーボール系のリリーバーだった。そして糸川投手もまた、174cmと決して大柄ではない体格から150km/h近いパワーボールを投げ込み、リリーフだけではなく、ENEOS時代には先発としても活躍していた。つまり宮川投手と糸川投手は、ピッチャーとしてキャラクターがやや被っていたということだ。

宮川投手はプロ3年目まではリリーバーとして1軍でもまずまずの成績を収めていた。だが2023年は春先から調子が上向かず、オープン戦でも不安定なピッチングを続けていたことから開幕一軍メンバーにも選ばれず、近い将来ライオンズではエース格の投手が立て続けにポスティング移籍する可能性も見据え、先発転向が命じられていた。

先発転向し、昨季はイースタンリーグでは最優秀防御率を獲得するほどの活躍を見せたわけだが、一軍では1勝止まりとなっていた。そんなシーズンを終えた頃、ドラフトで入って来たのが糸川亮太投手だった。もちろん宮川投手が糸川投手を意識したということはないと思うが、しかし社会人上がりの4年目で満足いく結果を残せなかったことから、宮川投手もある程度の覚悟はしていたはずだ。

もちろん公に「糸川投手を獲れたから宮川投手を出した」と言われることはないわけだが、しかし少なくとも筆者は宮川投手と元山選手のトレードが成立した際、2023年のドラフトの結果が影響したと考えた。

そしてその糸川投手だが、シンカーの使い手という前評判がある。ライオンズでシンカーの使い手と言えば粟津凱士投手がおり、粟津投手もライオンズ入りした直後は魔球シンカーを操っていた潮崎哲也編成グループディレクターにその投げ方を教わっている。

ドラフト指名後、潮崎哲也ディレクターから指名挨拶を受けているENEOS時代の糸川投手も当然潮崎氏からシンカーの投げ方を教わった。すると2種類を使い分けているシンカーに奥行きが出て、シンカーの空振り率が上がったという。ドラフト指名を受けた後にこうしてさらなるレベルアップを見せたことで、糸川投手も武内投手に並び今、開幕一軍候補に名を連ねている。

その糸川投手はもちろん投げる球種はシンカーだけではなく、スライダー系のボールも投げられる。いわゆる左右どちらにも曲げていける「ツーレーンピッチャー」と呼ばれるタイプで、短いイニングしか投げないリリーフ投手の場合、打者はかなり的を絞りにくくなる。

例えばライオンズではかつて、許銘傑投手がツーレーンピッチャーとして先発からリリーフに転向し、先発時以上の活躍をしてみせた。だが残念ながら許銘傑投手は専任リリーバーとしてライオンズで働いたのは一年限りで、その翌年にはFAでバファローズに移籍してしまった。

糸川投手もツーレーンピッチャーという特性を最大限活かしていければ、ルーキーイヤーからブルペンに欠かせない投手になることができるだろう。春季キャンプでのブルペン投球を見ていても、十分に一軍の戦力になると思えるレベルのボールを投げ込んでいる。

2023年のドラフト補強で最も成功したのはライオンズだと言われていたわけだが、その評価の通り、今季は戦力が充実した中であっても武内投手、糸川投手という二人のルーキーが開幕一軍入りを果たしていくのではないだろうか。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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