【春季キャンプリポート / 2月17日】守護神を目指す豆田泰志投手とレオのロマン砲高木渉選手

開幕守護神となっても不思議ではない球質のボールを投げ込む豆田泰志投手

昨季はシーズン途中で育成契約から支配下契約に切り替わった豆田泰志投手だが、今季も一軍ブルペンの一角としてここまで順調な調整を続けて来ている。ブルペン投球を見ていても躍動感のあるフォームから、まったく失速せずに真っ直ぐ飛んでいく質の良いストレートを投げ込んでいた。

ちなみにこの春季キャンプではフォークボールの精度を高めることをテーマにしているらしい。フォークボールの精度が高まっていけば、昨季は15イニングスで12奪三振だったこの数字も、さらに伸びていくのではないだろうか。そしていざという時に狙って三振を奪れるようになれば、守護神というポジションもグッと近づいてくるはずだ。

豆田投手も今季の開幕守護神を目指して頑張っているピッチャーの一人だ。だが現時点では豆田投手が開幕守護神を務める可能性は高くはない。もちろん0ではないわけだが、これまでの実績を踏まえると、よほどのことが起きない限りは豆田投手が今季の開幕守護神を務める可能性は低いだろう。

しかしだからと言って早々に諦めていてはプロとしては通用しない。可能性は低いとは言え、正式に開幕守護神が決定するその瞬間までは、その座を目指して頑張ってもらいたい。そして豆田投手にはまだ新人王の資格があるため、守護神の座を目指して一年間投げ切ることができれば、水上由伸投手以来の新人王獲得も夢ではない。

ただライオンズには武内夏暉投手という新人王候補のルーキーもいるため、もし武内投手が先発ローテーション入りして7〜8勝程度挙げることができれば、豆田投手の新人王獲得もやや難しくなってくるかもしれない。

新人王というタイトルは一生に一度しか獲ることができない。そのためできれば豆田投手にも武内投手にも獲らせてあげたいわけだが、そうもいかないところが非常に悩ましい。だが豆田投手にはいつでも守護神の座に就ける状態を維持しながら、新人王を獲るに相応しい活躍を今季も期待していきたい。

多村仁選手を彷彿させるレオのロマン砲高木渉選手

さて、今季は高木渉選手がここまでA班で順調に調整を続けている。高木選手はいわゆるライオンズのロマン砲であり、その長打力は将来性を期待せずにいられないほどだ。だが残念ながらここまでの高木選手は怪我との戦いだった。

選手生命を左右するほどの大怪我をして来たわけではないのだが、肉離れや捻挫を繰り返してしまっている。そのため二軍で好成績を残しても、なかなか一軍でプレーする機会も増えてはいかなかった。だが昨季あたりからは怪我も減って来ているように見える。もちろんまだまだ怪我をしにくい選手と呼べるほどではないが、怪我をしない体づくりという点に関しては、トレーナーと相談しながら今季はここまで順調に来ているのではないだろうか。

怪我さえなければ、高木選手は一軍で経験を積むことで近い将来クリーンナップを打てるレベルの打者に成長していけるはずだ。筆者のイメージとしては、高木選手は左右の違いはあれど、かつてベイスターズなどで活躍された多村仁選手と似たタイプではないかと思う。

3割前後の打率を残しながらも30本塁打以上を目指せる打者だと筆者は見ているわけだが、その根拠はフリーバッティングを見ているとお分かりいただけるように、力を抜いたスウィングでも軽々とスタンドに運んでいける技術にある。

通常、遅いボールは反発力がないため遠くまで飛ばすことは難しい。逆に速いボールは反発力があるため、上手く打てれば比較的簡単に遠くまで飛ばせる。そして高木選手はフリーバッティングのBPが投げた緩いボールを非常に上手く遠くまで飛ばしているのだ。

筋力に頼ってガツンと打って飛ばすのではなく、力を抜いたスウィングでも遠くまで飛ばせる技術を持っている。力まずに強打していけるこの技術があれば、高木選手も一軍で経験を積むことによってきっと多村仁選手のような一流の外野手になっていけるはずだ。

だがそのためにはまずは怪我をしないことだ。いくら技術があっても怪我をしてしまっては元も子もない。だから高木選手にはとにかく怪我することなく、だからと言って怪我を恐れることもせず、この春季キャンプを完走してオープン戦で多くのアピールの場を得ていってもらいたい。そしてそこでアピールすることができれば、開幕一軍どころか、まだ埋まり切っていない開幕の外野三枠のどこかに入れる可能性も十分にあるはずだ。

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