【春季キャンプリポート / 2月14日】アギラー・コルデロ両選手を完全に封じた平良海馬投手

2024年2月14日公開

両新外国人選手2人をしっかりと封じ込めた平良海馬投手の仕上がりの良さ

平良海馬投手

ヴァレンタインデーであるこの日、平良海馬投手がライヴBPに登板し、フランチー・コルデロ選手ヘスス・アギラー選手に対し50球を投じた。そしてその結果は、両外国人選手を完全に封じたと言える素晴らしいピッチング内容だった。

50球中ヒット性の当たりは僅かに2本だけで、外野まで飛んでいったボールを見ても力ない打球が非常に多かった。だがこれはコルデロ選手とアギラー選手が絶不調というわけではない。そもそもメジャーには、平良投手のような常時クイックモーションで投げてくるピッチャーはほとんどいない。そのため二人は初めて打席から見る平良投手のフォームと球速に上手くタイミングを測ることができなかったようだ。

アギラー選手の方が反対方向の打球を意識していて、コルデロ選手よりは対応できていたのかなという印象だったが、しかし全体的には両選手ともにほとんどのボールで差し込まれていた。ライブBPの場合、投球前にどの球種を投げるのか宣告してから投じるわけだが、球種が分かっていても対応は難しかったようだ。

だがリーグ全体を見渡しても、平良投手のようなクイックモーションから平良投手レベルの速球を投げてくる投手はほとんどいない。いたとしても数えるほどで、対戦数としては多くなることはない。コルデロ選手とアギラー選手にとってそれは朗報だと言えるだろう。そしてこのライヴBPを通して、改めて日本人投手のレベルの高さを実感したはずだ。

二人とも、恐らくは平良投手がメジャー指向を持っていることは耳にしていると思う。そして平良投手としても将来メジャーリーグで投げる予行練習として、メジャーリーガーであるコルデロ選手とアギラー選手を相手にしたのではないだろうか。そしてこの二人をしっかり抑えられたことで、メジャーでプレーする自信も深まったかもしれない。

ただしボールを見る限り、平良投手はまだ仕上がってはいないのかなという印象だ。仕上がってくれば球速はもう少し出ると思うし、この日は変化球がやや抜けているようにも思えた。それでもこの段階のピッチングとしては、仕上がりの良さを感じさせてくれる内容だったと思う。

だが3月6日までにはしっかりと仕上がってくるのではないだろうか。平良投手は隅田知一郎投手源田壮亮主将古賀悠斗捕手と共に3月6日・7日に行われる侍ジャパンvs欧州代表戦に出場することになっている。

ヨーロッパの野球はまだまだ日本のプロ野球と比べるとレベルは低いわけだが、しかしヨーロッパ代表チームとなると3A程度の実力になってくることが考えられる。この試合に関しても、平良投手にとっては格好の予備練習となるのではないだろうか。

だがメジャー移籍するにしても、まずは圧倒的な成績を残してライオンズを日本一に導かなければならない。新球ジャイロスライダーも感触が良かったようなので、今季はその新球も引っ提げて、是が非でもライオンズが日本一になるための圧倒的なパフォーマンスを披露してもらいたいと思う。

新球パームボールで佐藤龍世選手を巧く泳がせた佐藤隼輔投手

さて、続いては佐藤隼輔投手の話もしておきたい。佐藤投手もライブBPに登板し、佐藤龍世選手を相手に佐藤対決を披露してみせた。そして注目すべきは新球パームボールだ。昨季は終盤に1球だけパームボールを投げたらしいのだが、今季はシーズンを通して使えるレベルになって来たらしい。

ライオンズでパームボールの使い手と言えば帆足和幸投手がいたわけだが、同じ左腕から投じられるパームボールであっても、帆足投手と佐藤投手の軌道はかなり異なる。帆足投手のパームボールはスライダーにも近い軌道だったのだが、佐藤投手の場合はチェンジアップに近い落ち方をしているように見える。

この緩いボールをしっかりと腕を振って投げられたら、バッターはまずタイミングを合わせることはできないだろう。実際このライヴBPでもパームボールを予告して投げているにもかかわらず、佐藤龍世選手が完全に泳がされる場面もあった。つまり佐藤投手がそれだけしっかりと腕を振ってこの緩いボールを投げていたということだ。

佐藤龍世選手に対するパームボールを観察していると、これは今シーズン、非常に大きな武器となることが考えられる。佐藤投手は昨季から完全に主戦リリーバーの座を手にしたわけだが、このパームボールによりピッチングの幅がさらに広がり、バッターとしては今まで以上に的を絞るのが難しくなるはずだ。

佐藤投手はもちろん今季もリリーバーを務めると思うのだが、広がったピッチングの幅を考えると、将来的にはもう一度先発に挑戦をしても良いのかなとも思えてくる。リリーフで培った経験を先発で生かすことができれば、先発として10勝を挙げることも決して難しくはないはずだ。

ライオンズは近い将来、髙橋光成投手と平良海馬投手がメジャー移籍することが濃厚となっているため、それを踏まえて佐藤投手も、首脳陣に言われる前から先発をするための心の準備だけはしておいた方が良いかもしれない。

ただし現状では左腕リリーバーの層は厚くはないため、余程じゃない限り今季中に先発に再転向する可能性は非常に低い。そのためまずは今季はリリーバーとして、昨季の防御率2.50をさらに上回る好成績を残し、チームの日本一に主戦リリーバーとして大きく貢献してもらいたい。そしてクレバーさが売りの佐藤投手であれば、今季は新球パームボールを武器に間違いなく昨季以上の活躍を見せてくれるはずだ。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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