2024年2月16日公開
フランチー・コルデロ選手はもちろんまだまだ本調子ではない。春季キャンプでの調整は順調に来ているとは思うが、状態が本格的に上がってくるのは3月中旬頃になると思われる。
アメリカの野球も、開幕戦はだいたい3月下旬〜4月上旬というタイミングで行われる。そしてアメリカの場合は日本以上に「開幕に合わせてしっかり調整してくれれば良い」という考え方があるため、コルデロ選手にしろヘスス・アギラー選手にしろ、だいたい3月中旬までに状態を上げて、その下旬に開幕戦を迎えるという逆算をしながら調整をしていると思われる。
そしてこの日、コルデロ選手はフリーバッティングの打席に立ったわけだが、スウィングを見ているとリラックスをしてまだ軽く振っているという段階だ。それでも打球は高々と舞い上がり、次々とスタンドインしていく。コルデロ選手は典型的な縦振りバッターであるわけだが、フリーバッティングで遅いボールを打っている姿を見ていると、外角低めへの変化球にも上手く対応できそうなスウィングをしているという印象を受ける。
日本野球の経験がない外国人助っ人の場合、日本人投手の外角低めへの変化球の制球力にまず驚かされる。近年、そして昨季までライオンズに在籍していた複数の外国人打者たちもやはり、外角低めを上手く使われてしまうことを苦にしていた。
だがコルデロ選手の場合は、日本人打者以上にボールを最後の最後までよく見て打っている。そしてフリーバッティングのBPから投じられる緩いボールにもほとんど泳ぐことなく、しっかりと自分のポイントにボールが入って来てからバットを振ることができている。このような姿を見せられると、コルデロ選手に対する期待値は自ずと上がっていくというものだ。
ある野球評論家が「西武がパ・リーグのダークホース」だと評価していたが、渡辺久信GMは即座に「ダークホースじゃなく、優勝候補です」と言い切ってみせた。この渡辺GMが見せる自信も、今季の新チームに対する手応えを感じているからこそだ。
そしてその渡辺GMの自信を裏付けるかのように、コルデロ選手を含めた新外国人選手四人衆が順調な調整を見せてくれている。コルデロ選手もアギラー選手も、オープン戦が始まる頃には状態もかなり上がって来ているだろうし、早ければ今月28日・29日に行われるオープン戦にでも早速特大ホームランを見せつけてくれるのではないだろうか。