2024年2月12日公開
ライオンズの守備陣は年々鉄壁になってきている。二遊間を守る外崎修汰選手と源田壮亮主将に関しては12球団ナンバー1と言える守備力を誇るわけだが、他の選手たちを見ても非常に素晴らしい守備を見せてくれていると思う。
育成選手としてA班に加わっているブランドン選手に関しては股関節に不安があったせいだろうか、守備の動きがどことなく硬い。A班にいるということは股関節や内転筋にはもう不安はないということだと思うのだが、捕球から送球までの動作を観察すると、他の選手たちと比較をすると動きがスムーズではない。
だがブランドン選手はバッティングが売りであるため、打つ方で活躍してくれれば多少のエラーには目を瞑るというのが首脳陣の考えではあると思う。それでも近年ほとんど良い働きを見せられていないブランドン選手の場合、支配下契約を勝ち取るためには並以上のプレーが求められることになる。しかしまずはブランドン選手が今年は怪我なくプレーできている姿を見ると、ファンとしては嬉しくなってくる。
そしてトレードでライオンズ入りした元山飛優選手に関しては、流石の守備力と言って良いのではないだろうか。捕球から送球までの流れるような動作は、源田主将ほどではないにしても、源田主将に引けを取らないレベルの守備力だと思う。これだけの守備力があれば、源田主将に万が一の事態があったとしてもバックアップは万全だと言える。
トノゲンコンビの牙城は固いわけだが、しかし元山選手が打つ方で3割前後の数字を残すことができれば、トノゲンコンビを押しやってレギュラーを掴める可能性もあるだろう。元山選手はパンチ力も秘めているため、覚醒すればタイプとしては3割20本塁打を目指せる打者だと思う。
育成契約からの支配下契約を目指すブランドン選手、そしてスワローズから移籍して来た元山選手には、ぜひレギュラーや他のレギュラー候補たちを脅かす存在であり続けてもらいたい。だがもちろん脅かすだけではなく、その活躍によって実際にレギュラーを掴み取ってもらいたい。
そしてこの日三塁手として非常に良い動きを見せていたのが佐藤龍世選手だ。今季から背番号10に変わったこともあり、今まで以上に責任感を持ってプレーをしているように見える。背番号10と言えば大学野球ではキャプテンナンバーとなるわけだが、今季の佐藤選手からは自分がチームを引っ張っていくんだという気概が感じられる。
昨季は11失策だったとは言え、守備力に関しては佐藤選手は問題ないと思う。今季の三塁手候補の中でも、トップクラスの動きの良さだと言える。となるとあとは昨季.263で終えている打率を、今季はどこまで上げられるかということになるだろう。少なくとも.270未満ではレギュラーを掴むことは難しいはずだ。
居並ぶライバルたちを蹴落としてレギュラーの座を確固たるものにするためには、少なくとも.280以上の打率は欲しいところだ。もし佐藤選手が下位打線で.280程度の打率を残せるようになれば打線にも切れ目がなくなり、得点力は今まで以上に上がっていくことになるだろう。
佐藤選手はプロ入りここまでは、チャンスにはあまり強くないという数字を残している。もちろんパンチ力もある佐藤選手がポイントゲッターになれれば、ライオンズ打線の破壊力はさらに上がっていくわけだが、ヘスス・アギラー選手とフランチー・コルデロ選手が加入した今季は、無理にポイントゲッターになろうとする必要はない。
これは外崎選手にも同じことが言えるわけだが、佐藤選手も無理してポイントゲッターになろうとして打席で力んでしまうよりは、今季はとにかく次の打者に繋いでいくというチャンスメークに徹して良いと思う。繋いで繋いでクリーンナップまで持っていくことができれば、両外国人選手が走者を還してくれるはずだ。
外崎選手にしても佐藤選手にしても、得点圏で打席に立つとやや力が入っているように見えていた。だが今季は次の打者に繋いでいけば良いという意識で、あまり気負わずに打席に立ってもらいたい。そうすれば外崎選手も佐藤選手も、打率3割を目指せないことはない選手なのだ。
外崎選手に関してはすでにレギュラーの座が確約されているが、まだレギュラーとは言えない佐藤龍世選手に関しては、やはりまずは気負わずに力を抜いて打席に立ち、少しでも高い打率を残すことを優先して行ってもらいたい。自分が走者を還そうと力んでしまうのではなく、チャンスを次の打者に繋げることだけに集中できれば、佐藤選手はきっと3割近い打率を残せるようになるはずだ。そしてそうなれば、三塁のポジションも佐藤選手のものとなるだろう。