渡部健人選手が持つ打率3割以上打てるホームラン打者になれる資質

2023年8月17日公開

中村剛也選手とほぼ同じ身長で13kgも重い渡部健人選手

中村剛也選手とほぼ同じ身長で13kgも重い渡部健人選手

左内転筋を痛めしばらく戦列を離れていた渡部健人選手だが、今日8月17日に再登録され、即7番サードでスタメン起用された。そして同点タイムリーヒットに内野安打と、早速4打数2安打1打点という活躍をしてみせた。

渡部選手ももちろん将来の四番打者候補のひとりだ。だが渡部選手の場合、四番というポジションを務めるためには二つのネックがある。一つは怪我に弱いという点と、もう一つは軽くジャブ程度のスキャンダル報道をすでに受けているという点だ。

ライオンズファンは選手のスキャンダルにはもう辟易している。そのため主力を張る選手はとにかくスキャンダルと怪我には注意しなければならない。だが渡部選手も、山川事件を目の当たりにしたことで少しは身を引き締めたと思う。

そうなってくると懸念は怪我のみということになるのだが、渡部選手は毎年怪我やコンディション不良で戦線離脱している。特に下半身の細かい怪我が多いため、これはやはりオーバーウェイトが原因だと考えるのが妥当だろう。

渡部選手の体重は115kgと公表されているわけだが、これは中村剛也選手よりも13kgも重い体重だ。ふたりの身長はほぼ一緒であるにも関わらず、体重は13kgも渡部選手の方が重い。

中村剛也選手も近年は細かい怪我に悩むことが以前よりも増えて来たが、しかし渡部選手の若さで毎年のように下半身を怪我していては、首脳陣としても主力として試合を任せるのが少し怖くなる。

エースや主砲の絶対条件は、とにかく一年間試合に出続けることだ。そういう意味では今井達也投手も毎年必ず戦線離脱しているため、なかなかエースの座に挑戦することができずにいる。

渡部選手も将来四番を任されるようになるためには、まずは怪我をしない体づくりを最優先にする必要がありそうだ。

最も練習量を積みたい時期に怪我を繰り返している渡部健人選手

スキャンダルと怪我にさえ気をつければ、渡部健人選手はチーム内でもファンの間でも愛されキャラだと思う。明るい性格で、他人のアドバイスにも真摯に耳を傾けられる柔軟性を持っている。

プロになった選手たちの多くはプライドを持ってプロの門を叩いており、そのプライドが邪魔をしてコーチや先輩の的確なアドバイスに素直に耳を傾けられない選手も少なくない。

だが渡部選手はそうではなく、アドバイスには素直に耳を傾けて取捨選択することができる。そういう意味では怪我で余計な時間を食わなければ、どんどん上達していけるポテンシャルを持っていると言って間違いないだろう。

渡部選手はまだまだ完成された選手ではなく、これからどんどん伸びていく選手だ。だからこそ最も多くの練習量を積まなければならない20代中盤で怪我が絶えないというのが非常にもったいない。

とは言え、何も渡部選手にスリムになれとは言わない。ずっとこの体型でやって来たのだから、ファイターズの清宮選手のようにほっそりと変身する必要はないと思う。

だが見た目はそのままでも、115kgの体重を105kgに減らすだけでも下半身の怪我は確実に減らせるはずだ。ダンベルを持ったことがある方ならお分かりいただけると思うが、10kgというのはかなりの重さだ。

10kgのダンベルを持ってプレーし続けるか、そのダンベルを下ろして身軽にプレーをするか。これはもう渡部選手の覚悟次第ということになるため、よほど怪我の頻度が上がらない限りは周囲が強制することは難しいだろう。

今は調子が良いと見て間違いない渡部健人選手のスウィング

7月17日、戦列復帰早々イーグルスの田中将大投手から放ったタイムリーヒットは139km/hのボールだった。恐らくはツーシーム系のシュート気味に曲がるボールだったと思うのだが、渡部選手はこのボールに対しやや泳がされていた。

ここで調子が悪い打者というのは泳がされるとそのまま空振りで終わるのだが、渡部選手の調子は現在は良さそうだ。泳がされながらも左膝を柔らかく使い何とか体が前に出ないようにして、食い込んでくるボールを上手くレフト線へと弾き返した。

この時もしも手首が返っていると、上手く合わせたとしても打球はファールになる。しかし見後にフェアゾーンに入れていったということは、ボールをしっかりと引きつけて手首を返さずに打てたということであり、これは状態が良い証拠と見て間違いないだろう。

あとは渡部選手は周囲から求められているホームランを追いかけず、ヒットの延長がホームランという考え方で行けば、打率.300前後を打ちながらも30本以上のホームランを打てる打者になれるのではないだろうか。

その根拠は左足部にある。投手がボールをリリースする前の渡部選手の左靴を観察してもらうと分かるのだが、左靴でポンポンポンをリズムを刻んでいる。これはタッピング、もしくはステップオンと呼ばれるバッティング技術なのだが、毎年安定して打率を残せる打者がほぼ確実にフォーム内にインストールしているテクニックだ。

渡部選手がこれを誰かから学んだのか、自分の感性で身につけたのかは分からないが、左膝の柔らかさと左靴のタッピング、この二つの点を見る限り、渡部選手は打率を残せるホームランバッターになれる可能性を秘めている。

バッティングそのものはまだまだ荒削りであるわけだが、今後さらに1軍投手たちの配球や球威に慣れていけば、怪我さえなければ来年にも3割30本打てる打者になれる可能性は、決して低くはないはずだ。

ライオンズで背番号8を背負って四番打者を務めるとなると、これは鈴木健選手以来ということになる。鈴木選手はホームランはそれほどたくさんは打たなかったが、勝負強さに関してはピカイチだった。

来季2024年は、ぜひ渡部選手には背番号8を背負って開幕四番を務め、一年間四番に座り続ける活躍を期待したい。そのためにも本当に注意したいのが怪我とスキャンダルだ。

今後ライオンズが強いチームになっていくためには、渡部選手は本当に必要な選手だと思う。だからこそとにかく怪我をしない体づくりと、スキャンダルとは無縁の私生活に改めて行ってもらいたい。そうすれば渡部選手は近い将来、ライオンズの不動の四番打者になれるはずだ。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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