2021年2月 4日公開
今季は所沢でキャンプインを迎えた松坂大輔投手だったが、二日目に一時チームを離れていた。と言っても何か大きな問題が起こったというわけではなく、昨年手術した患部の確認のためで、元々予定にあった一時離脱だったようだ。
一年前のキャンプイン頃は首の痛みがすでに出始めていたようで、松井稼頭央2軍監督から見ても、見るからに本調子ではなかったようだ。ただ、肩に関してのコンディションは決して悪くはなかったらしい。それだけに昨季の首痛と左手のしびれの症状は残念だったわけだが、しかし一年前の状態と比べると、今はかなり良い状態に戻ってきているようだ。
まだまだ本格的に体を動かせる状態ではないようだが、しかし松坂投手は開幕に合わせて調整をする必要はない選手だ。もちろん開幕からバリバリ投げてくれればそれがベストであるわけだが、松坂投手にその役割は求められていない。
チームが苦しくなる後半戦やローテーションの谷間で出てきて、その苦境を救うというのが、ベテランである松坂投手や内海哲也投手に求められている役割だ。ただ、内海投手に関しては松坂投手の現状とは異なり、本人としては開幕に照準を合わせているように見える。
松坂投手は昨年7月に脊椎の内視鏡手術を受けたわけだが、実は筆者は松坂投手がまだメジャーに渡る前から、いつか必ず背中に不調が生じるはずだと野球関係者に言い続けていた。
松坂投手は並進運動を始める際に肩線分を二塁ベース側に傾ける投げ方をしているのだが、その傾け方が背中に大きな負荷がかかる動きになっているのだ。筋肉がまだ柔らかい若いうちは問題なくても、年齢を重ねた時に必ず不調が出るだろうと筆者は言い続けていた。
それが昨年現実となってしまったわけだが、しかし症状は筆者の予想を上回っていた。筆者個人としては背筋痛程度で収まってくれればいいと考えていたのだが、しかし現実は首の痛みと左手のしびれという、簡単には治らない症状を招き脊椎の手術が不可避となってしまった。
松坂投手は今季41歳になるわけだが、しかしファンとしてはやはり、最後にもう一花咲かせてもらいたいというのが本音だ。将来はもちろんコーチ、監督としてライオンズのユニフォームを着続けてくれると思うのだが、しかしその前にファンが求めるのは松坂投手の選手としての復活だ。
体の状態さえ良くなければ、10勝は難しかったとしても、5〜6勝を挙げられるだけの経験値が松坂投手にはある。全盛期のような豪速球を投げることはもうできないが、しかし百戦錬磨の経験値で打たせて取る技術は、恩師である東尾修元監督からも伝授されているはずだ。
慌てる必要はないと思う。交流戦が明けた頃に1軍のマウンドで勇姿を見せる、それくらいのペースで調整してくれれば良いと思う。今一番怖いのは慌ててしまうことによりコンディションが悪化してしまうことで、それだけは絶対に避けたい。
200勝まではあと30勝と決してまだ身近な数字にはなっていないが、しかしユニフォームを着てマウンドに立っている限りはそこを目指してもらいたい。そしてあの日の約束を、東尾元監督のもとに届けてもらいたい!