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2024年6月 4日公開

かつての小坂誠選手のようなリードオフマンになっていきそうな滝澤夏央選手

東京ヤクルトスワローズ vs 埼玉西武ライオンズ/1回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
Lions 0 0 0 0 0 0 2 0 1 000 3 6 2
Swallows 1 0 0 0 0 0 0 0 2 4 5 0

継投今井達也アルバート・アブレイユ●松本航
敗戦投手松本航 1勝3敗0S 2.10
本塁打外崎修汰(2)岸潤一郎(4)
失策今井達也(2)滝澤夏央(2)

サヨナラエラーをしてしまったが、滝澤夏央選手は一番打者問題を解決してくれるヤングレオ

埼玉西武ライオンズ

今日の試合、まさかライオンズが敗れるとは思わなかった。9回表を終えた時点で3-1と2点リードしており、9回裏のマウンドもエース今井達也投手が続投した。いくら球数が100球を超えていたとは言え、今井投手がそれでバテているとも思えなかった。

しかし野球とは無情なスポーツで、今井投手が2つの四球でピンチを作ってしまい、火消しとしてマウンドに登ったアルバート・アブレイユ投手が痛恨の二塁打を浴びて土壇場で同点に追い付かれてしまった。

そして10回裏には松本航投手がヒットと四球でピンチを作り、最後は滝澤夏央選手のエラーで幕切れとなってしまう。慣れないサードを守っている滝澤選手を責めることはできないが、しかし一軍のサードを守り始めて以来、滝澤選手は少なくとも3〜4回、エラーにはならない悪送球気味の送球を一塁に投げている。

そのため筆者はいつか致命的な悪送球をするだろうなと思いながら、滝澤選手のサードの守備を見ていた。滝澤選手自身は「サードの練習をしていなかったから」という言い訳はしたくないと以前コメントしている。だがいくら守備の上手いプロ選手と言えど、本職であるショートからサードに移っただけでもグラウンドで見える景色は変わるものだ。そのため体に染み付いた距離感で一塁に投げてしまうと、悪送球をしてしまうケースが多くなっても不思議はない。

筆者個人としては、滝澤選手はセカンドを守らせながら、将来的には源田壮亮主将の次の遊撃手として育成していくべきではないかと考えている。そして外崎修汰選手を守備の負担が多いセカンドから、セカンドよりは負担の少ないサードに回した方が、外崎選手の打撃ももう少し良くなるのではないだろうか。

走れる小兵として、筆者は滝澤選手にはかつて松井稼頭央選手と盗塁王を競い合った小坂誠選手のようなイメージを持っている。非常に守備が上手く、シュアなバッティングで盗塁を決めることもできる。バッティングに関しては滝澤選手は高卒1年目ですぐに猛打賞を記録するなど、コンタクト能力の高さが魅力的だ。

そういう意味でも、今日に関してはサヨナラエラーをしてしまった滝澤選手だが、このまま一番起用を続けて行ってもいいように思える。サードとしては送球が非常に不安定ではあるが、しかしショートとしての守備は抜群であり、将来的には源田主将にも引けを取らないショートストッパーとなっていくだろう。

もし滝澤選手がかつての小坂選手のような存在になってくれれば、ライオンズの一番打者問題もようやく解決を迎えることになる。まだまだ20歳の非常に若い選手ではあるが、将来性の高い良い選手であるため、滝澤選手にはぜひ明日、今日のミスを取り戻す活躍を見せてもらいたい。そして早速明日それを取り戻せれば、滝澤選手は本当に良い選手になっていくだろう。

まだ絶対的守護神とは言えないアブレイユ投手に必要なのは下からの突き上げ

さて、話は変わってリリーフ陣についてだが、まずアブレイユ投手はやはり火消しには向いていないと思う。アブレイユ投手はやはり、イニングの頭から投げさせることによって本領を発揮できるタイプだ。もちろん守護神である限り火消しもできなくてはいけないわけだが、火消しという意味では田村伊知郎投手の方が向いていると思う。

セーブが付く場面だったためアブレイユ投手の登板となったわけで、この継投が間違いだったとは思わない。これはもう結果論でしかなく、今井投手が続投をしていても同じように二塁打を打たれていたかもしれないのだ。ただ今日の山田哲人選手は今井投手に対し2三振をしていたため、二死だったこともあり、今井投手の続投もなしではなかったと思う。

だが継投に関してはベンチが今井投手の9回のボールを見て、アブレイユ投手のボールの方が抑えられる確率が高いと考えたからこその継投であり、アブレイユ投手の投入が間違いだったとは筆者は思わない。繰り返しになるが、こればかりは結果論でしかないのだ。

ただ、アブレイユ投手がまだ絶対的守護神になり切れていないことは確かであり、そういう意味では開幕前までは守護神を狙いたいと宣言していた田村投手や、今は二軍の佐藤隼輔投手も、どんどんアブレイユ投手の座を狙いに行っていいのではないだろうか。

ライオンズがこれだけ負けてきた中で11セーブを挙げていることを考えると、アブレイユ投手は恐らくはシーズン30セーブは超えて行くだろう。だがそれでも僅か2ヵ月で4敗、防御率も2.66という数字であるため、他のリリーバーに付け入る隙がないわけではない。

アブレイユ投手自身、田村投手や佐藤投手らから突き上げを受ければ、さらに自らを高めて成績を上げていかざるを得なくなる。そのような相乗効果を生むためにも、一度セーブ場面でも他の投手を起用して見るのもなしではないと思う。それでアブレイユ投手がさらに奮起してくれるのであれば、1セーブ分など大した損失とは言えないはずだ。

四番打者として英才教育を施していきたいチャンスに強い蛭間拓哉選手

そして今日は栗山巧選手について書かないわけにはいかない。7回に二死二塁という場面で代打で登場し、2球目のフォークボールを巧く捌いて見事タイムリーツーベースを放ってみせた。栗山選手はまさにライオンズの代打の神様だ。

ここぞという場面、ここぞという1球での集中力の高さで栗山選手の右に出る者はない。そろそろ限界説も唱えられている栗山選手ではあるが、まだまだ限界などではない。これからも代打の神様としてコツコツとヒットを積み重ねてくれるはずだ。

そして今日は中村剛也選手の代わりとして四番に座った蛭間拓哉選手だが、中村選手を定期的に休ませる必要があるのであれば、蛭間選手を常時四番起用した方が良いと思う。四番打者は打線の軸となるため、この四番を定期的に入れ替えるというのはあまり良い戦い方だとは言えない。

蛭間選手も一時期よりは打率は下がってきているものの、それでも今日もしっかりと1安打を記録して.303という打率をキープしている。しかも今日の4打席目のヒットは、スワローズ丸山選手の好返球が僅かでも逸れていれば、滝澤選手が二塁から一気にホームインしてタイムリーヒットとなっていた。

今季ここまで、蛭間選手の得点圏打率は27打数11安打で.407となっている。これだけ高い得点圏打率を誇っているのだから、やはり蛭間選手を常時四番起用すべきではないだろうか。確かに中村選手のようなホームランはあまり期待することはできないが、しかしかつての鈴木健選手のように、少ないホームランでも多くの打点を稼げるような打者になれるはずだ。

蛭間選手が将来、師匠である栗山選手を超える選手になっていくためにも、中村選手が休む日だけ四番に入れるのではなく、常時四番に座らせて英才教育を施していくべきではないだろうか。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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