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2024年6月 9日公開

冷遇されていた陽川尚将選手が新四番として古巣甲子園で今季初ヒットを放つ!

阪神タイガース vs 埼玉西武ライオンズ/3回戦 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
Lions 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 1
Tigers 0 0 0 0 0 0 3 0 × 3 10 0

継投●渡邉勇太朗ジェフリー・ヤン上田大河
敗戦投手渡邉勇太朗 0勝1敗0S 3.28

最後の最後で上手く的を絞られ連打を浴びてしまった渡邉勇太朗投手

阪神タイガースとの3回戦、先発した渡邉勇太朗投手はよく投げて来れたと思う。6回までは散発の3安打に抑え0行進を続けていたのだが、7回にまるでスタミナが切れてしまったかのように二死から4連打を浴び、この回だけで6安打を集められて3点を失ってしまった。

今季の渡邉投手は今日が4試合目の登板だったわけだが、前回までの3試合はすべて100球弱の球数で降板しており、今季100球を超えたのは今日が初めてだった。今日の6回までのピッチングと7回のピッチングを見比べると、7回のピッチングでは狙い球を上手く絞られているように見えた。特にスプリットを狙われているように見え、実際連打を浴びた際にもしっかりと低めに行ったスプリットを打たれている。

ちなみにストレートに関しては7回の勝負どころでは、試合序盤よりも1〜2km/h速いボールを投げていたため、ピンチになってギアの入れ替えはしたのだと思う。そしてギアを入れ替える余裕があったということは、100球を超えても実際にはスタミナに問題があったわけではないということだ。となると考えられるのは古賀悠斗捕手のリードということになってくるだろう。

このあたりはやはり経験値ということになるのだと思う。もし古賀捕手がもっと経験値を持っていれば、今日の7回にも上手く狙い球を絞られていることを察知し、例えばウエストを要求したり、ストレート主体のリードにシフトしたりという対応ができていたと思う。だがまだ経験が浅い古賀捕手に、7回の一瞬でそれを見極めて対応するというのはまだ難しいのかもしれない。

背番号132のユニフォームのまま初出場した育成出身奥村光一選手

さて、今日の試合では奥村光一選手が育成から支配下契約に切り替えられ、早速今日の試合で一番ライトとして出場した。背番号は75に変わったのだが、しかしユニフォームはさすがに間に合わなかったようで、今日の阪神戦は育成時代の132番のユニフォームをまとっての出場となった。

数日前、渡辺久信監督代行は奥村選手のことをアグレッシヴだと評価していた。そしてこのアグレッシヴさはまさに今のライオンズ打線に欠けているもので、渡辺監督代行としても打線の起爆剤になってくれることを期待しての支配下登録となったようだ。

残念ながら今日の試合では4打数ノーヒットに終わってしまったが、しっかりとバットを振り抜き、非常に力強いスウィングを見せていた。8回の打席ではファールを打ち、スウィングした勢いで倒れ込んでしまう場面も見られたほどだった。もちろんこれが良いことだと言うことはできない。打者であれば、強く振っていった時でも下半身は安定させておくべきだからだ。

しかし迷いなく、下半身が振り回されてしまうほど力強く振っていく姿は、少なくとも今のライオンズ打線には必要な要素だ。火曜日以降の試合でもスタメンとなるのかはここでは何とも言えないが、しかし出場した際には今日のように、振りに行ったボールは迷いなく振り抜く姿を見せ続けて欲しい。そうすればプロ初ヒットが飛び出る日もそう遠くはないだろう。

古巣甲子園でようやく今季初ヒットを放つことができた新四番陽川尚将選手

育成上がりで勢いのある奥村選手を起用しても、ライオンズ打線は今日も機能しなかった。ちなみに今日の先発オーダーで最も打率が高かったのは、試合開始時に.245だった古賀捕手で、その次が.239の源田壮亮主将だった。さすがにこの打線を機能させることは渡辺監督代行にも難しく、7回まではタイガースの才木投手から1本のヒットを打つことさえできなかった。

8回に山野辺翔選手が三塁打を打ってようやくチーム初ヒットとなったわけだが、この三塁打にしてもあわや森下選手のグラブに収まるのではとも思われた紙一重の三塁打だった。

やはり現状を考えると、今いる選手だけでチームを立て直すことは難しい。奥村選手にしても滝澤夏央選手にしても、育成上がりの期待の若獅子ではあるものの、まだまだ一軍でレギュラーを張れるほどの打力はない。

すると考えられることとすれば新外国人選手の補強やトレードということになるわけだが、外国人選手を獲得する場合はNPB未経験者を獲得することはできない。NPB経験のある打者でなければ、ヘスス・アギラー選手フランチー・コルデロ選手のように苦しむ可能性も高くなってしまう。そのため新外国人選手を補強するのであれば、NPB経験者一択ということになるだろう。個人的には以前も少し書いた通り、マーク・ペイトン選手を再獲得しても良いと思う。昨季終盤には日本野球への対応力も見せ始めていたし、マイナーリーグでは元気な姿を見せているし、高額年俸が必要というわけでもないからだ。

一方トレードということになると、一軍半の選手同士のトレードでは意味がない。全スポーツ紙の一面になるような大型トレードを敢行するくらいでなければ、今のライオンズ打線を変えることはできない。そのためトレードをするのであれば、今季は活躍できていない昨季までの主力投手を放出するくらいの覚悟が必要だ。

陽川尚将選手

そして新戦力という意味では陽川尚将選手には長距離砲として期待したい。昨日今日は古巣である甲子園に凱旋し「おかえり」コールも受けていた陽川選手だが、今日の試合では最終回の4打席目にライト前ヒットを放った。このヒットが陽川選手の今季初安打となり、ライオンズ移籍後では通算5安打目となった。

松井稼頭央前監督時代には冷遇されていた陽川選手だが、渡辺監督代行に代わってからはようやくそれなりのチャンスを与えられるようになった。そして今日は四番として試合に挑んだわけだが、陽川選手が今後、例えばジャイアンツからファイターズへの移籍を機に活躍し始めた大田泰示選手のような存在になってくれれば、現役ドラフトで獲得してきた渡辺監督代行もニンマリ顔となるはずだ。

陽川選手はタイガース時代にはロマン砲と呼ばれていた大砲候補だった。しかしタイガース時代にはなかなかその本領を発揮できなかったのだが、ライオンズへの移籍と監督が代わったことを機にし、陽川選手にはぜひここからの野球人生で一花、それも大輪を咲かせてもらいたい。そして古巣タイガース戦で今季初ヒットを打てたことで陽川選手もずっと気持ちが軽くなり、火曜日からの試合では今日以上の活躍を見せてくれるのではないだろうか。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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