隅田知一郎 | 年度別成績・年俸推移・故障歴

2022年11月30日公開

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隅田知一郎

2022年のルーキーイヤーは開幕ローテーション入りを果たしたかと思えば、初登板でいきなり7回無失点という好投を披露しプロ初勝利を挙げた。この投手はルーキーイヤーに一体どこまで勝ち星を伸ばしていけるのだろうかと誰もが期待したわけだが、この1勝を挙げた後は何と10連敗を喫し、2022年は最終的には1勝10敗という数字で終えてしまった。

だが10連敗を喫したとは言え、試合を壊すようなことはほとんどなかった。多くの試合ではQS付近の安定したピッチングを見せており、もう少し打線の援護さえあればせめて5勝くらいは挙げられていたような内容だった。ではなぜそれだけの安定感を見せながらも隅田投手は10連敗を喫してしまったのか?

これに関しては渡辺久信GMも仰っている通り、隅田投手はほとんどの登板で先制点を献上していた。野球というスポーツは先制点を挙げたチームが圧倒的に有利になる。逆に点差を追う立場になってしまうと、走者が出てもバントやヒット&ランなどの戦術を使いにくくなり、結果的にせっかくの走者を活かせないケースが増えてしまうのだ。

隅田投手の登板日は援護点が少なかったわけだが、その理由がそこにあった。隅田投手がほとんど毎試合で先制点を与えてしまうため、攻撃時の戦術が限られてしまい、どうしても長打や連打頼みの攻撃ばかりになってしまった。だがホームランや連打などそうそう出るものではないし、リードしている側の投手にも伸び伸びと投げさせてしまうことにもなり、打線としても援護するのが難しくなってしまう。

将来的に、隅田投手はホークスの和田毅投手のような左腕エースになれる可能性を秘めている。だがそのためにも来季求められるのは、とにかく先制点を与えないことだ。そうすれば攻撃時の戦術の幅が狭められることもないため、もっと味方の援護を得られるようになり、1年目は1勝10敗だった数字を、来季以降はひっくり返せる可能性も出てくる。

そしてそのためにも鍵となってくるのが、どれだけ右打者の内角を攻められるかだ。1年目の右打者に対する被打率は.298で、左打者は.268だった。どちらも良い数字ではないわけだが、左打者よりも圧倒的に人数の多い右打者に3割近く打たれてしまったのは非常に厳しかった。ちなみにホークス和田投手の2022年の右打者からの被打率は.186だった。だからこそ和田投手は41歳という年齢でも7勝を挙げることができた。

隅田投手はタイプ的にもよく似ている和田毅投手の投球術を見習うことができれば、2年目以降は確実に先発投手として貯金を稼いでいけるだろう。

ちなみに2022年オフ、隅田投手は「鴻江(こうのえ)スポーツアカデミー」で自主トレを行うことになっている。鴻江寿治コーチがこれまで指導して来た選手の中にはホークス千賀滉大投手・東浜巨投手・石川柊太投手、ジャイアンツ菅野智之投手、ライオンズ榎田大樹投手、ソフトボール上野由岐子投手と錚々たる顔ぶれがいる。

さらには今年10月9日には、鴻江コーチはライオンズの代表20名の選手にもコーチングを行なっており、参加できなかったその他の選手もZOOMでコーチングを受けていた。この流れで隅田投手も鴻江コーチの自主トレサポートを受けることになった。

鴻江コーチのアカデミーはエース養成所とも呼ばれるほど素晴らしい結果を出しているため、隅田投手はもちろんのこと、ライオンズ投手陣も鴻江理論によってさらにレベルアップできれば、来季以降もリーグトップのチーム防御率を維持できるだろう。そして隅田投手にはぜひとも来季は、左腕エースとしてその先頭を走っていってもらいたい!

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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