国際試合で三者連続三球三振を達成した隅田知一郎投手
3月7日の日本代表vs欧州代表の2戦目、侍ジャパンのユニフォームを纏って五番手としてマウンドに登ったのはライオンズの隅田知一郎投手だった。隅田投手は昨オフのアジアチャンピオンシップにも出場しており、その際も韓国を相手に7回を投げ被安打3、無失点、7奪三振という好投を披露している。
そして今回の試合では2イニングを投げて、1イニング目の6回に何と三者連続三球三振というイマキュレート・イニングを達成した。日本ではあまり馴染みのない野球用語ではあるが、イマキュレート・イニングとは上述の通り三者連続三球三振のことで、日本では過去に18投手(計19回)のみが達成している。
長い日本プロ野球の歴史でも僅かに19回しか達成されていないイマキュレート・イニングを、隅田投手は国際試合の舞台でやってのけた。いくら相手が日本よりも格下となる欧州代表とは言え、これはなかなか達成できる記録ではない。それにしても隅田投手は昨年の韓国戦での先発と言い、今回のリリーフ登板と言い、国際試合での強さをまざまざと見せつけている。
隅田投手が好投を見せる時は、球質が非常に素晴らしい。もちろんどんな投手でも球質が良ければ良いピッチングを見せられるわけだが、隅田投手の場合はビックリするような速いボールを投げるわけでもないし、魔球と呼ばれる変化球を持っているわけでもない。
だがストレートの球質が他の投手よりも良く見え、恐らく打者目線では、球速表示以上の速さを感じているはずだ。そしてストレートの質が良くなってくると変化球もよく生きてくる。実際イマキュレート・イニングを達成したこの試合でも、チェンジアップがよく冴えていた。
実は隅田投手は開幕投手やエースへの願望も口にしている。今季は楽天との相性の良さから今井達也投手が開幕最有力と報道もされているが、隅田投手もそこを目指せるものなら目指していきたいという趣旨のコメントを残している。
国際試合の舞台は選手を大きく飛躍させる。隅田投手も欧州戦でこれだけ素晴らしいパーフェクトピッチングを見せたことで、3月9日に先発予定の今井投手の内容次第では、開幕投手に選ばれる可能性も十分にあるだろう。ただしもちろん理想は9日の試合で今井投手が有無をも言わせぬ投球を披露することだ。
隅田投手も、今季は同じく先発左腕の武内夏暉投手が加入したことにより、並々ならぬ闘志を燃やしているはずだ。それにより侍ジャパンでも圧倒的なパフォーマンスを披露し、ルーキーとの格の違いを見せつけている。
今季は投球回数を増やして奪三振のタイトルを目指したいと語っている隅田投手だが、侍ジャパンのユニフォームを纏って達成したイマキュレート・イニングはその目標に対し、確固たる自信となっていくだろう。そう考えると今季の隅田投手は、いよいよ覚醒を期待して良いのかもしれない。
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2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。
選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。
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