2023年7月29日公開
山川事件が起訴となるのか、不起訴となるのか、各社報道の予想以上に結論に至るまでの時間を要している。その理由は被害者側の主張と山川選手側の主張に大きな食い違いがあるためだと言う。
ネット上の多くのユーザーは「流血=レイプ相当」と考えているようだが、ある著名人は「流血=レイプ」という図式は必ずしも成り立たないという主張をしている。確かに彼の主張にも一理あるが、しかし今回の事件でこの著名人の理屈は通用しない。
流血の有無以前に、被害者の女性は現場で、明確に山川選手の性的行為を拒否しているのだ。拒否している女性に対し僅かでも性的行為をしようとしたのであれば、それは十分に性犯罪が成り立つのではないだろうか。この山川事件に関してはとにかく、被害者の女性が明確に山川選手の行為を拒否したことを前提に考えなければならない。
それにしても、ライオンズを語るためのブログで性犯罪について書かなければならないのは本当に残念でならない。だがこの事件はライオンズを大きく揺るがしているのだから、やはり無視することはできない。
個人的には今回の事件は起訴・不起訴問わず解雇相当だと思う。西武HDの株主総会でも山川選手の解雇を求める声は、決して少数派ではなかった。子どもや女性ファンの開拓をマーケティングの軸として来た西武球団としては、今回の山川選手による性犯罪疑惑は球団の企業イメージを大きく損ねている。
いくら山川選手がホームランを打てるバッターだったとしても、社会的に大きな問題となったこのような事件を起こしたのだから、不起訴だったとしても球団に残すべき選手だとは言えない。
やはり解雇が妥当だと思うのだが、しかしそこですべての可能性を奪うべきではないとも思う。例えば西武球団を解雇となった場合、最低でも1年以上はNPBに復帰することは不可とし、その期間が明けたのちであれば、秋に行われるトライアウトへの参加を認めるべきだろう。
仮に起訴となった場合は1年という期間では済まない可能性もあるとは思うが、しかし執行猶予などがすべて明けたのちであれば、やはりトライアウトへの参加自体は認めるべきだと思う。
野球に関するすべての可能性を奪ってしまった場合、山川穂高という人間がさらに荒んでしまう可能性がある。過去プロ野球チームを戦力外となり、野球しか知らなかったことにより一般社会には馴染めず、結果的に犯罪に走ってしまった元プロ野球選手は決して少数ではない。
もちろん山川選手にはしっかりとした奥様がいらっしゃるのだから、そこまで馬鹿げたことにはならないとは信じたいが、しかしそれが今後どうなっていくのかは我々ファンには分からない。
山川選手はもはやネットニュースを開くことさえ怖くてできないのではないだろうか。山川事件に関しては週刊誌だけではなく、すでに一般紙やスポーツ紙でも取り上げられており、自ら起こしたこの事件に関するニュースをどこででも目にしてしまう可能性がある。
ましてやSNS上であれば、ネット上で書き込みをする大半のユーザーは山川選手を猛烈に批判している。筆者自身も山川選手の被害女性に対する行為は卑劣極まりないと考えており、山川選手自身がエゴサーチでもすれば、ノイローゼにでもなりそうなオンライン上の世界となっている。
ところで、女性を騙して「個室バー兼ホテル」に連れて行ったのだから、この事実が証明されればこの時点で法的にはすでにアウトなのではないだろうか。筆者はもちろん法律には詳しくはないわけだが、素人目線で見ても常識がある人間であればこのような行為はしないと思う。
この事件を起こす以前から、山川選手には傲るような態度が見えていた。そしてそれに関しては筆者もたびたびこのブログ内で指摘してきたわけだが、ホームラン王を獲っているし、WBCにも出場しているし、「自分ならそんなことをしても許される」という傲りがあったことだけは間違いないのではないだろうか。
だが野球ファンとして非常に疑問なのは、昨年の時点でこの出来事が問題化したことを山川選手自身や奥様も認識していたにも関わらず、山川選手がWBCを辞退しなかったことだ。辞退の理由などコンディション不良でも体調不良でも何でも良かったと思う。とにかく山川選手はWBCを昨年の時点で辞退すべきだったし、ご家族も山川選手に辞退するよう説得すべきだったと思う。
しかしそこで辞退せず、加害者でありながらも何事もなかったかのような顔でWBCに出場したことにより、山川選手はライオンズファンのみならず、すべての野球ファンを敵に回してしまった。
プロ野球はファンあってのプロ野球だ。すべての可能性を奪うべきではないと筆者個人は考えているとは言え、山川選手の年齢、プレーできない期間のブランク、そして性犯罪にまつわるレッテルを貼られてしまったことにより、今後山川選手を獲得したいと考える球団は恐らくは現れないだろう。
実際、あるセ・リーグの球団内部の方とお話をしても、仮に年俸が下がったとしても獲得することはないと断言していた。そして独立リーグであっても再度「この選手を獲得することは望ましくない」というお達しが出されることが見込まれる。ましてや教育機関の一部である学生野球が解雇後の山川選手を受け入れることも考えにくい。
そうなると仮に解雇された場合、山川選手に残された野球の道は草野球くらいになるのかもしれない。とは言えイチロー氏が結成した草野球チームほど注目されることはないだろう。
それにしてもライオンズで四番を張った選手のトラブルが続いている。清原和博氏は薬物により逮捕され、アレックス・カブレラ氏はステロイド疑惑でNPB退団後の帰国後に問題視されていた。そして今度は山川穂高選手による性犯罪疑惑だ。四番打者が問題を起こす確率があまりにも高すぎる。
今後西武球団としては「野球が上手ければ性格には多少目を瞑る」という方針は変えなければならないだろう。野球が上手いのは当たり前として、人間的にも尊敬されていて、子どもたちの良き手本となる選手のみを獲得すべきだ。
そういう意味では今後ライオンズの四番打者となる人物として、渡部健人選手以上にクリーンなイメージが先行している蛭間拓哉選手を次世代の四番として時間をかけて育成するのが良いのではないだろうか。
蛭間選手自身は一番や三番を得意としていると話しているが、将来的には現メジャーリーガーの吉田正尚選手のような四番打者になれるポテンシャルを持っている。やはり今後はこのようにクリーンで、大きな可能性を秘めている選手を積極的に起用して育成すべきだろう。
埼玉西武ライオンズという企業イメージを少しでも損ねる可能性がある選手を軸にチームを作っていくことは、リスクマネジメントという観点から言っても渡辺久信GMとしては今後は避けなければならない。それにしても大小問わずライオンズの中ではトラブルが絶えず続いており、渡辺久信GMや松井稼頭央監督の心労の程が