2023年7月30日公開
今季2023年、順調にいけば平井克典投手が国内FA権を取得することになる。渡辺久信GMとしては今オフ最大の仕事の一つが平井投手の引き留めということになる。
実は昨オフ2022年の契約更改で、渡辺GMは平井投手に対し複数年契約を提示していた。だが平井投手はそれを固辞し、単年での契約を結んでいる。これが果たしてどのような意味合いを持つ単年契約だったのかは我々ファンにはまだ知る由はない。
FA移籍を見越しての単年契約だったのか、それとも今季もっと頑張って、もっと良い条件での複数年契約を目指しているのか。それともモチベーションを維持するため、今後も引退まで単年契約に拘り続けるのか。ファンとしてはもちろん複数年契約を結んでもらいすぐにでも安心したいわけだが、しかしライオンズに残ってくれるのであればもちろん引退まで単年契約でも構わない。
だが心配なのは、愛知県一宮市出身の平井投手が、地元中日ドラゴンズで投げたいという希望を持っていないかどうかだ。もちろん愛知県出身であれば、子どもの頃はドラゴンズファンだった可能性は高い。だが平井投手は今ではライオンズには決して欠かすことのできない投手となっている。
一度はリリーバーとして年俸1億円を突破したこともある平井投手なわけだが、やはり最後までライオンズでプレーし続け、再び1億円の大台に乗せていってもらいたいというのがライオンズファンの切なる希望だ。
2023年の平井投手は7月30日の時点で33試合に投げて3勝3敗21HP、防御率2.20という抜群の安定感を見せている。今季の年俸が推定8,000万円であることから、この調子で投げ続ければ今オフに年俸を大台に戻す可能性は非常に高い。
今季に関しては平良海馬投手が先発に転向したこともありリリーフに専念している平井投手だが、いざとなれば先発もこなせる起用さも持ち合わせている。そして2019年には年間81試合に登板しており、これはリーグ歴代最多記録となっている。NPB全体で見ても歴代2位の登板数だ。
これだけのタフネスさを持ち合わせている投手なのだから、今季この成績で来季の年俸1億というのは評価としては決して高いとは言えない。FA権を取得するところまで経験値を重ねていることを考えれば、今オフは8,000万円からの倍増以上になったとしても誰も文句は言わないだろう。
年齢的には今年32歳になるわけだが、球威の衰えは今のところまったく見られない。もちろん今後の勤続疲労は心配であるわけだが、増田達至投手のように若い頃から肩痛に悩んでいたわけではないため、平井投手の場合は35歳を過ぎてもこの調子でまだまだ投げ続けてくれるのではないだろうか。
ロースリークォーターから投じる平井克典投手のスライダーは切れ味抜群だ。このスライダーは分かっていてもなかなか打てるものではない。これだけのウィニングショットを持っているのだから、仮に平井投手がFA宣言をすれば、複数球団が獲得に乗り出すことはまず間違いない。
特に金満球団と呼ばれるホークス、ジャイアンツなどは年俸2億円以上の複数年契約を提示してくる可能性がある。仮にマネーゲームになった場合は西武球団には太刀打ちできないわけだが、しかし金額では勝てない分、西武球団には誠意を武器にして平井投手を全力で慰留してもらいたい。
例えば引退後のコーチ手形や球団内での終身雇用など、金銭面でも武器にできる要素はいくらかはある。ただそれでも、森友哉捕手のように「地元に帰ってプレーをしたい」と言い切られてしまうと、渡辺GMとしても交渉の余地を失ってしまう。
だが渡辺GMはすでに一度、地元でプレーすることを望まれて慰留に失敗した経験を持っている。もし平井投手が地元でのプレーを望んでいたとしても、渡辺GMはその時の失敗を活かせるはずだ。
とにかくライオンズとしては今オフ、決して平井投手を失うようなことはあってはならない。万が一でも平井投手を失うようなことになれば、せっかく長年かけて築き上げてきた磐石のブルペン陣も、再び暗黒時代に戻ってしまう可能性すらあるだろう。
ライオンズが優勝するためには平井投手の存在は絶対不可欠だ。今季はここまで苦しい戦いを強いられているライオンズだが、来季年間を通して首位争いをするためにも、平井投手には今オフ、ぜひとも生涯ライオンズ宣言をしてもらいたいというのがライオンズファンの総意だ。