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2023年12月13日公開

分かっていたけど決まるとやっぱり嬉しい平井克典投手の西武残留

分かっていたけど正式発表されると安堵する平井克典投手の残留

平井克典投手

誰もが西武に残留すると分かっていたことではあるが、平井克典投手が正式にライオンズに残留することが発表された。分かってはいたが、やはりこうして正式にアナウンスされるとファンとしては安堵する。

元々平井投手は移籍前提ではなく、ライオンズに残留する前提でFA宣言をしていた。いわゆる宣言残留という形になるわけだが、平井投手の場合、納得のいく話し合いをじっくりとするための時間を得るためのFA宣言だったという。

別のコラムでも書いたことではあるが、このようなFA権の使い方はもっと増えて行くべきだと思う。もちろんFA権を行使せずに複数年契約を結んでいくことも一つの手段ではあるが、しかしせっかく手にした権利なのだから、FA権を行使することによって球団側と納得のいく話し合いの時間を持つことは、FA権の使い方としてはとても有意義だ。

まだ平井投手の契約内容の詳細は報じられていないが、とにかく複数年契約を結んだことだけは確かなようだ。これが3年なのか4年なのかはまだ分からないが、平井投手の貢献度や人柄を考えれば、4年以上の契約を結んだとしても文句を言うファンはいないだろう。

平井投手の契約内容の詳細はまた後日書いて行くとして、とにかく今日は平井投手が正式にライオンズに残留するというニュースをただ堪能したい。

増田達至投手を除いた来季守護神候補はすでに4人

ライオンズのブルペン陣もそろそろ過渡期に入ってきている。増田達至投手が今季は不振を極めたこともあり、まず考えられるのが守護神の交代だ。もちろん来季増田投手のコンディションが良ければ交代する必要はないが、しかし交代の可能性はチームとして残しておく必要がある。

増田投手以外の来季以降の守護神候補として名前が上がるのは、まず新外国人選手のアブレイユ投手、そして現在オリックスとの争奪戦を繰り広げているジェフリー・ヤン投手、育成上がりの豆田泰志投手、さらには田村伊知郎投手の名前が挙げられる。

ちなみに田村投手の背番号は来季より、40番から20番に変わる。ライオンズの20番と言えば、かつて絶対的守護神として活躍された豊田清現投手コーチが背負った栄光の番号だ。その背番号を託された時点で、球団の田村投手に対する期待の大きさがよく分かる。

新たな守護神候補の名前をこうして簡単に4人も挙げられると言うのは、これは補強や育成が上手くいっている何よりの証と言えるだろう。

ただ、外国人投手は活躍するとメジャーでのより大きな契約を求めて日本を去ってしまうケースも少なくないため、理想としては守護神は日本人投手が務めることで、長年に渡りブルペンを安定化させられるようになる。

例えばアブレイユ投手が守護神として機能した場合、来季の年俸は1億5,000万円となるわけだが、果たして西武球団がその後、どこまでこの年俸を上げられるのかということも懸念材料となる。

外国人投手の場合はシーズンオフには自動的にFA状態になることも多く、例えば今オフで言えばマキノン選手が保有者名簿から外れ、現在はFA状態になっている。

そうなるとメジャーのみならず、日本の他球団との争奪戦にも発展してしまうため、やはり主要ポストに関しては日本人投手が務めることが理想とされる。

そういう意味でも豆田投手と田村投手がそれぞれ守護神奪取に向けた意欲を見せてくれているのは、チームとしてもファンとしても非常に心強い。

平井克典投手がブルペンにいてくれる安心感

そして場合によっては平井克典投手が守護神を務める可能性も0ではない。コンディションさえ良ければ平井投手には守護神を務められるだけの実力があるし、これまで培ってきた経験値は半端なものではない。

ライオンズはこれまでも困った時は平井投手に先発をしてもらったりしてきたわけだが、万が一増田投手が来季も状態が悪く、外国人投手や若手投手も安定感に欠くようであれば、平井投手が守護神を務める可能性も十分にあり得るだろう。

ただし平井投手はもう年齢的には若くなく、来季は33歳となる。とは言え老け込むほどの年齢でもないため、よほど無理のある連投を繰り返さなければ、平井投手は十分に守護神として仕事を果たしてくれるだろう。

逆に平井投手の場合、守護神を任せた方が肩も作りやすく、コンディションも維持しやすいはずだ。リリーフの場合はいつ行くか分からないし、いつ行くか分からない分1試合で数回肩を作ることもある。

その点守護神の場合は9回にしか投げないため肩は作りやすいし、1試合に複数回肩を作る必要もない。そういう意味ではもし増田投手が守護神として機能しなかった場合は、平井投手に最終回を任せるのも一つの手だと言える。

それにしても増田投手が今季不調だったことで、新守護神候補が続々出て来るというのはこれはまさに編成手腕によるものだ。渡辺久信GMを始めとすると編成陣が的確に補強を行なって来たからこその結果であり、これは渡辺GM以前の体制で、なかなか守護神を固定できなかった頃とはガラッと状況が変わっている。

もちろんリードオフマンをまだ固定できていない問題はあるものの、それ以外のポジションは続々と後進が育って来ており、リードオフマンにしてもそろそろ決定打が見えて来るものと思われる。

そして今後競争が激しくなって行くであろうブルペン陣において、やはり経験豊富な平井投手がいてくれるという安心感は格別なものだ。近年はライオンズ愛を貫き複数年契約を結ぶ主力選手が増えて来たライオンズだが、これもやはり渡辺久信GMがフロントと現場の風通しを良くした結果だと言える。

そして平井投手にしても、もし渡辺久信GMではなく、交渉相手が以前の鈴木球団本部長や前田球団本部長だったとしたら、やはりFAで他球団に移籍していた可能性が高かっただろう。そういう意味でも渡辺久信GMが編成のトップを務めるという体制は、これはまさに後藤高志オーナーのファインプレーと言うことができそうだ。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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