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2024年8月22日公開

源田壮亮主将がサヨナラ打を放ったことに価値があった今日の勝利

埼玉西武ライオンズ vs オリックスバファローズ/21回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R H E
Buffaloes 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 5 0
Lions 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 2 6 1

継投渡邉勇太朗佐藤隼輔Hボー・タカハシH水上由伸H上田大河○本田圭佑
勝利投手本田圭佑 1勝4敗0S 4.40
本塁打アンソニー・ガルシア(1)
失策山村崇嘉(7)

源田壮亮主将がサヨナラ打を放ったことに価値があった今日の勝利

源田壮亮主将がサヨナラ打を放ったことに価値があった今日の勝利

110試合目にして、ライオンズはようやく今季初の同一カード3連勝を記録した。ここまで同一カードで3連勝する機会は四度あったわけだが、五度目の正直で本当にようやく今季初の3タテを、食らうのではなく相手に食らわせることができた。

試合は延長12回に及ぶ総力戦だった。しかもライオンズはベンチ入りしている捕手を3人全員使い切り、しかも3人全員に代打を送るという積極的な攻めを見せてきた。点差そのものは12回を戦い2-1というロースコアだったわけだが、しかしこの積極的なベンチワークが12回のサヨナラ劇を呼び込んだと言っても良いだろう。

そして12回裏二死三塁二塁という場面、プロ8年目にして初のサヨナラ打を放ったのは源田壮亮主将だった。実は源田主将は10回にも二死満塁というサヨナラの場面で打席を迎えていたのだが、その時は残念ながらショートゴロに倒れていた。

しかし野球の神様は、これだけ負け続けているライオンズにおいても直向きに頑張り続けている源田主将を見捨てることはしなかった。12回裏、再びサヨナラの場面で源田主将は打席に立ち、バファローズ川瀬投手が放った150km/h近いストレートを見事ライト前に弾き返した。

ちなみに源田主将と川瀬投手は9歳差ながらも、大分商業高校の先輩後輩という間柄だ。源田主将としては高校の先輩としての意地を見せなければならない場面だった。

この最後の源田主将の打席を振り返ると、バファローズバッテリーは源田主将がカーブに的を絞っていると考えたはずだ。まず初球はチェンジアップが外角いっぱいの良いところに決まり1ストライク、2球目は外角高めのボール、そして3球目に初めてカーブが来て空振りとはなったが、スウィングのタイミングは非常に良かった。

そして4球目はチェンジアップがアウトローに外れカウントは2-2。5球目は速いボールが非常に甘いコースに来たのだが、カーブを狙っていた源田主将はこれに振り遅れてファール。6球目はまたカーブが来たのだが、やはりタイミングとして悪くないファールとなった。

バファローズの若月捕手としては、捉えられてはいなかったもののカーブに対しここまでタイミングよく振られたことに不気味さを感じていたはずだ。そにれより最後の7球目はストレートという選択になったわけだが、川瀬投手が投じたボールはスピードはあったものの、若月捕手が構えたミットよりも甘く高めに入ってしまった。

そして源田主将はこのストレートを、カーブではなくストレートのタイミングで振り抜き、ライト前にクリーンヒットを放ってみせた。6球目までは確かにカーブや変化球にタイミングを合わせていたと思うのだが、源田主将は7球目に突然狙い球をストレートに変えて見せた(実際にはコース狙い)。このあたりはもう高校の先輩としての意地と言うべきか、源田主将の作戦勝ちと言うべきか、この7球の勝負は非常に見応えのあるものだった。

今季、源田主将は負け続けていた時に最後のバッターとなり、アウトになった後涙が止まらずすぐに立ち上がることができない時があった。その時の涙はライオンズファン、ライオンズナインの誰もが心に刻み込んでいる。源田主将がどれだけ勝ちたいと思っているかを我々はよく知っている。今日は、その源田主将によるサヨナラ打で勝ったことに価値があるのではないだろうか。

源田壮亮主将の気苦労を髙橋・平良・岸3選手は理解しているのか?!

ところで、ライオンズというチームは今完全にバラバラになっている状態だと思われる。完全にと言うと失礼かもしれないが、しかしチームが一つになれていないという事実は誰の目にも明らかだ。だがそれは源田主将の統率力に問題があるわけではない。チームの和を乱す者があまりにも多すぎたせいだ。

まず昨年までは山川穂高選手の性犯罪疑惑があり、さらには源田主将自身、奥様が山田遥楓選手の夫人から誹謗中傷を受けるという被害を被った。さらには投手陣の柱となるべき髙橋光成投手平良海馬投手が早々にメジャーに行くと宣言しナインやファンを白けさせ、そして最近もまた岸潤一郎選手のSNS不倫が終わっていなかったことが報じられている。

はっきり言って今のライオンズは非常に応援しづらい。山川選手に関しては出て行ってくれたから良いとしても、メジャーに行くと言い続けている2投手のために、命懸けでプレーをしたいと思うチームメイトなどいるだろうか?この2投手は間違いなく、チームメイトの誰かからは密かに「どうせメジャーに行くんでしょ?」と冷めた目で見られているはずだ。

また、岸選手にしてもSNS不倫は終わらせたと言いながらもまだグダグダと続けており、問題を大きくしてしまっている。ライオンズマガジン内でのみ謝罪をしたようだが、この岸選手に対しても、多くのファンが純粋に応援したいとは思えていないはずだ。筆者自身も今は気持ちよく岸選手を応援することはできない。

このようなチーム状態で勝てと言う方が酷と言うものだし、こんなチームを一つにまとめなければならない源田主将の気苦労といったら、もはや我々外野にはまったく量り知ることはできない。今ライオンズは、源田壮亮主将を胴上げするためだけに一つの方向を向いて戦っていくべきなのに。

我々ファンだけではなく、ライオンズのために必死に戦っているライオンズナインたちだって、もうメジャーだの不倫だのという話は聞きたくないはずだ。やはりライオンズは、明らかにチームの団結を壊している髙橋投手、平良投手、岸選手の3人を放出してしまわなければもはや一つにはなれず、勝つことは厳しいのではないだろうか。

髙橋投手や平良投手に関しては高みを目指してのメジャーなのだろうが、しかしこれだけ早々にメジャー行きを宣言されてしまうと、ライオンズで投げている今の姿がメジャーへのアピールにしか見えなくなるのだ。もっと言えばライオンズというチームを叩き台にしてメジャーに行こうとしているようにも見えてしまう。

そんな選手がいるチームを一つにまとめなければならない大変さを、果たして髙橋投手、平良投手、岸選手は理解しているのだろうか?そして筆者は思うのである。もし源田主将が栗山巧選手らと同世代で、2008〜2013年の渡辺久信監督時代に主将を務めていたら、ライオンズはこの間もっと優勝できていたはずだ、と。

西武球団は、源田主将を将来の幹部候補として決して失ってはいけない。そして西武球団は源田主将を中心にチームを考えていくべきだ。源田主将に気苦労を増やさせるような選手はどんどん放出し、源田主将のリーダーシップの下、同じ方向を向いて戦える選手だけでチームを作るべきだ。

源田主将にはリーグ優勝し、CSを勝ち抜き、そして日本一になる権利も資格もある。しかし上述したようなチームの和を乱す選手がチーム内にいる限り、ライオンズが日本一になることはありえないだろう。だからこそ筆者は彼を放出し、来季は日本一の瞬間に源田主将を胴上げできるようなチームを作ってもらいたいのである。

来季再契約の可能性も出てきた足首痛で離脱中のヘスス・アギラー選手

さて、話は変わり、今日はヘスス・アギラー選手がアメリカで足首の手術を受けたというニュースが入ってきた。筆者はこれまで、アギラー選手は今季開幕後のプレーで足首を痛めたのだと勘違いしていたのだが、実際には春季キャンプの時点で足首には違和感が出ており、それが開幕後に痛みに変わったようだ。

そして渡辺久信GMはアギラー選手のことを高く評価しており、秋季キャンプなどでの状態次第では再契約をする可能性をも示唆している。おそらく多くのライオンズファンはアギラー選手の再契約には反対するとは思うのだが、筆者個人としては賛成だ。

もしアギラー選手がライオンズに対して何の貢献の気持ちも持っていないのだとすれば、当然再契約すべきではない。しかし手術を受けてしっかり怪我を治したらライオンズに貢献したいという気持ちがあるのであれば、再契約はありだと思う。もちろん年俸は下がるだろうが、今季2億円少々の年俸が1億円程度になってもいいということであれば、再契約は一つの選択肢になると思う。

残念ながら今季に関してはほとんどチームに貢献することができなかったアギラー選手だが、しかし春季キャンプから見せていたチームや日本の野球に馴染もうとする姿は、多くの外国人選手の手本となる。そしてアギラー選手は守備力も非常に高いため、交流戦や日本シリーズのことを考えると、しっかり動けるように治るのであれば戦力として期待できるはずだ。

アギラー選手ももう少しSNSを使ってファンに現状を報告してくれれば良かったのだが、残念ながらアギラー選手は毎日SNSに時間を割くタイプの選手ではない。そのため情報がまったくなく筆者も困惑していたのだが、このように現状が見えてくると、回復状態によっては再契約は十分にあり得るとも思えてくる。

アギラー選手の人柄を考えると、登録抹消された後はライオンズに貢献することができず、本当に苦しい胸の内だったはずだ。そして早く怪我を治してこのチームの優勝に貢献したいとも思ってくれていたはずだ。アギラー選手というのはそのような人柄の選手なのだ。

もちろん人柄だけで助っ人選手を選ぶべきではないのだが、しかし少なくともアギラー選手はチームの和を乱すような選手では決してない。そして今ライオンズに最も必要なのは、アギラー選手のようにチームに貢献したいという気持ちを全面に押し出してプレーできる選手だ。そういう意味でも、本当に回復具合次第とはなるわけだが、もし来季足首の不安なくプレーできる状態になるならば、アギラー選手の再契約には筆者個人は賛成だ。ちなみに実戦復帰までは2ヵ月を要する見込みで、しっかり動けるようになるのは秋季キャンプあたりになるのだと思われる。

そしてフランチー・コルデロ選手にしても、「来季の年俸は3000万円で良いからライオンズでもう一度チャンスを得たい」、というようなことでも言ってくれれば、二人揃って残留というのもありではないだろうか。

今コルデロ選手はファームで3割近い打率をマークしている。つまり日本の野球にアジャストし始めているということだ。もしかしたら渡辺監督代行はここで慌てて一軍に上げてしまうよりは、今季は最後までファームでプレーさせ、来季しっかりと一軍で活躍してくれという考えを持っているのかもしれない。例えばかつてのバークレオ選手のように。ただしバークレオ選手の1〜2年目の年俸は非常に格安だったわけだが。

アギラー選手にしても、コルデロ選手にしても、今季プレーしたことで日本の野球のレベルの高さや、相手投手の攻め方がよく分かったはずだ。この経験値を無駄にしてしまうのはあまりにも惜しい。そしてコルデロ選手などは、日本人選手たちと一緒に食事に出かけるなど、すっかりチームにも馴染んでいる。

確かに彼らの1年目はまったくダメだった。多くのライオンズファンは彼らをA級戦犯と呼ぶだろう。しかしせっかく素晴らしい選手を連れて来れたのだから、数字だけを見て1年だけで解雇してしまうのはあまりにももったいない。今季はもう「高い育成契約」だったと割り切り、二人には来季を見据え、今季と同じ轍を踏まないように準備をしてもらうというのも筆者は良いのではないかと考えているのだが、果たして他のライオンズファンはどう思われるだろうか?

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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