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2024年6月21日公開

山川穂高とソフトバンクの間に密約があったというのはやはり本当だったのか?!

先頭に立ってライオンズを立て直すと宣言した後藤高志オーナー

山川穂高とソフトバンクの間に密約があったというのはやはり本当だったのか?!

今日、西武ホールディングスの定時株主総会が開かれた。現在ライオンズが危機的状況なだけに、株主総会では球団売却を求める声も挙がるのではないかと言われていたが、そのような声はどうやら0ではなかったとしても、ごくごく少数だったようだ。

そして後藤高志オーナーは株主総会の場で「過去にも色々な危機があった」と語った。つまり後藤オーナーも今のライオンズの状況を危機として捉えているわけで、この危機を乗り越えるために「もう一回大々的な改革をしっかりやる。常勝球団を取り戻す改革を私も先頭に立ってやりたい」と語った。

確かに黄金時代というのはチーム編成に関しては故根本陸夫監督や、坂井保之氏、さらには戸田博之氏という面々が行っていたわけだが、実際その陣頭指揮を執っていたのはワンマンオーナーとも呼ばれた堤義明氏だった。当時のライオンズは堤オーナーからトップダウンで指令が出され、その指令に基づき根本監督、坂井球団代表、戸田球団社長が奔走するというスタイルを取っていた。

そしてこの創成期の西武ライオンズはメジャーリーグスタイルをいくつも取り入れたことでも注目されていた。今季もそれに倣ってか今まで以上にメジャースタイルを取り入れたライオンズではあったが、キャンプ期間を短くしたことに関しては完全に失敗だったようで、今日の株主総会でもこれを指摘する厳しい声が挙がっていた。

筆者個人としてはキャンプ期間を短くするというやり方は、選手の個を伸ばすという意味では良い取り組みだと考えていた。だが今のライオンズでその狙い通りに各自こなしてくれるのは、恐らくは栗山巧選手中村剛也選手だけなのだろう。そう考えると確かに今の完全に未完成のライオンズにおいては、キャンプ期間は短くするのではなく、寧ろ長くした方が良かったのかもしれない。

これが黄金時代の選手ならばキャンプ期間が短くても良かったのでは?とも言えるかもしれないが、しかし実際には黄金時代のライオンズはどの球団よりも長時間の特訓をキャンプ期間中に積んでいた。朝から夕方まではチーム練習、夕食を済ませるとミーティング、ミーティングの後は夜間練習というのが黄金時代の春季キャンプでの選手たちの日課だった。

素質のある選手たちが他球団の2倍も3倍も練習したからこそ、広岡監督、森監督時代には文字通り黄金時代を築き上げることができたのだ。しかし今のライオンズの選手たちはプロ野球レベルで言えば決して素質のある選手たちばかりではない。それなのに練習時間を短くしてしまっては、確かに今季の危機的弱さというのは起こるべくして起こったと言えるのかもしれない。

株主から山川-ソフトバンク間のタンパリングが議題に挙げられた!

さて、今日の株主総会で非常に興味深かったのが、「山川穂高の移籍はタンパリングだったのではないか?」という疑義が挙がった点だ。確かにこれは誰も言わなかったことではあるが、誰もが気になっていたことだと思う。

実際2年前のオールスターだっただろうか。ベンチ内の会話が中継中のマイクに収録されてしまい、ある選手が山川選手に関し、ホークスに移籍するんだってよ、というようなことを話している会話がそのまま生放送されてしまった。多くの野球ファンがこの出来事をきっかけにし、山川とホークスの間には密約があったのではと勘繰るようになった。

ただスポーツメディア各社が一切タンパリング疑惑に関しては報じなかったため、野球ファンもそれ以上は突っ込まなくなった。だが今日、株主総会という舞台でその疑惑が再燃し出した。もちろん西武球団側はタンパリングに関しては否定した。しかし仮にタンパリングがあったとしても、西武球団がその真実を知ることはできないわけであり、これは山川とホークスの二者のみが知る真実となる。

だが当然両者もタンパリングは否定するだろう。なぜならタンパリングは完全なルール違反であり、これが発覚した場合はかなりのペナルティが課されるためだ。ちなみにタンパリングというのは、FA宣言を前にした選手と他球団の間で入団交渉が行われることで、日米問わず、フリーエージェントとなっていない選手は現所属球団以外の他球団との交渉は一切認められていない。

仮に山川-ホークス間でタンパリングが行われていたとしたら、山川選手はプロ野球を追放されるか、最低でも数年間の出場停止処分を受けることになるだろう。そしてホークス球団もドラフト指名権など様々な権利を剥奪されることになる。そのため実際にタンパリングが行われていたのだとしても、それを認める者は一人もいない。ただし週刊誌が多額の情報料を積めばその裏情報をリークする裏切り者も今後出てくることもあるだろう。

なお山川-ホークス間のタンパリング疑惑を議題に挙げた株主は一人だけではなく、複数いらっしゃったようだ。そして中にはグループ全体の損失額を計上し、山川に対し損害賠償を請求すべきだと意見する方もいらっしゃったようだが、これには筆者も大賛成だ。プロ野球はビジネスであるのだから、これぐらいのことは当然すべきだと思う。しかし個人的にはライオンズやライオンズファンに不義理を貫いた山川選手のことはもう書きたくないし、中継に映る彼の顔さえ見たくはない。そのためこの話は今日はここまでにしたいと思う。

勝つことのみが今のライオンズに必要なファンサービス

さて、株主総会では監督コーチに外部の血が足りないという声も挙がっていた。これも確かにそうで、今季のライオンズで外様と呼べるコーチは平石洋介コーチと、故清川栄治コーチ、そして育成担当の青木智史コーチのみで、あとは全員がライオンズOBという面々だ。

通常組閣というのは監督の人脈を中心にして行われる。例えば東尾修監督時代にはヘッドコーチとしてライオンズとは縁のなかった須藤豊氏が東尾監督自身の希望により招聘されたし、渡辺久信監督もデーブ大久保コーチや黒江ヘッドコーチという、しばらくライオンズから離れていた人物を自らのパイプにより招聘した。

しかし松井稼頭央前監督の場合はPL繋がりの平石洋介ヘッドコーチの招聘があったとは言え、これは渡辺久信GMが三顧の礼で迎え入れたと言われている。もちろん渡辺GMが松井二軍監督に対し、「将来監督になるならヘッドコーチは誰が良い?」という会話をしたのだろうとも思われるが、松井監督自ら動いで誰か人を呼んだという話は一切聞こえてこなかった。

PLの繋がりがそれほど強いものであるならば、例えば当時はフリーだった宮本慎也氏や、さらには清原和博氏もPL出身だ。そしてPL出身の元プロ野球選手は数え切れないほどいるため、PLの繋がりがそれほど強いのであれば、松井監督自身ももう少し自ら動いてコーチ人事に要望を出すべきだったと思う。

それが実現しなかったということは、もしかしたら松井稼頭央前監督の人脈は非常に狭かったのかもしれない。だからこそ「松井監督なのになぜこの打撃コーチなのだろう?」という人事になってしまったのかもしれない。プロ野球でも政治の世界でもよく「お友だち内閣」と揶揄されることがあるが、今のライオンズのコーチ人事は「ありあわせ内閣」と見えなくもない。

そういう意味でも今オフ、コーチ人事に関してはしっかりと見直すべきだと思う。選手に対し厳しく接することができない嶋打撃コーチ、高山打撃コーチ、赤田外野守備走塁コーチ、阿部内野守備走塁コーチらの留任はさすがに見送るべきだろう。例えば上述の宮本慎也氏にしても、渡辺久信監督代行は1年間同じユニフォームを着たこともあるのだから、招聘しようと思えば不可能ではないはずだ。そして宮本氏のように野球に対し誰よりも厳しい人物は、今のライオンズを立て直すためには打って付けの人材だと思える。

さらにライオンズにはかつて、賭博逮捕された東尾修投手や土井正博選手にセカンドチャンスを与えたという事例があるのだから、デーブ大久保氏や清原和博氏、さらには伊東勤氏や石毛宏典氏ら、西武球団との間に溝が生じてしまっていた人物にももう一度スポットを当てていくべきだ。外部コーチじゃなかったとしても、黄金時代を築き上げた面々をコーチとして招聘すれば、株主だって納得してくれるはずだ。

去年、今年と西武ホールディングスの株主総会は荒れ気味になっている。ただ、もちろん阪神の株主総会ほど罵声が飛ぶことはないわけだが、しかしBクラスに落ちてもほとんど荒れることがなかった西武ホールディングスの株主総会が2年連続このように荒れているというのは、やはり西武球団の失策が一つや二つではなかったためだろう。

そしてやはり今日の株主総会でも語られたように、勝つことが何よりも重要なファンサービスなのである。球場グルメを充実させたり、キッズパークを設置したりということも良いことではあるが、しかし如何せん勝てていないためベルーナドームには閑古鳥が鳴いてしまっている。多くのファンに12球団ナンバー1とも言われる球場グルメを楽しんでもらうためにも、やはり西武球団は勝てるライオンズをもう一度作らなければならない。今はこれ以外に考えるべきファンサービスなどないのではないだろうか。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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