2024年6月21日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Lions | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 |
Buffaloes | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | × | 2 | 4 | 0 |
継投/ ●今井達也
敗戦投手/今井達也 3勝4敗0S 2.29
栗山巧選手、五番中村剛也選手はとっくに全盛期を通り過ぎているし、四番岸潤一郎選手もまったく四番タイプの打者ではない。少なくとも今のところは。
そして一・二番を打った奥村光一選手と滝澤夏央選手もまだ非力な打者であり、ピッチャーがパワーボールを投げれば簡単に打ち取れてしまうイメージがある。いや、イメージだけではなく、実際に打ち取られてしまっている。
さらには七番児玉選手、九番源田壮亮主将もほとんどパワーがない打者だ。ちなみに小兵タイプの打者を否定したいのではなく、小兵タイプの打者を並べすぎていることを筆者は疑問に感じているのだ。
小技が利く小兵タイプの選手は打線には1人や2人は必要だ。だが4人は多すぎる。打線にはダイナマイト打線、マシンガン打線、ピストル打線など様々な呼び名がかつてはあったが、今のライオンズのオーダーはまるでパチンコ打線だ。球を小さくたくさん打ってもなかなかヒットが出ない。
なおヘスス・アギラー選手の足首の回復具合はまだ5〜6割程度らしく、二軍の実戦にさえまだ出場することができない状態だ。そしてフランチー・コルデロ選手が一軍に上がってくる気配も今のところは感じられない。
今は恐らく潮崎哲也編成ディレクターを中心にして補強が進められているとは思うのだが、もうすでに現時点で後手後手になっている状況だ。こんな打線の状態を続けていれば、我慢し切れなくなった投手陣はどんどんFAでライオンズを去ってしまうだろう。
いくらライオンズ愛があったとしても、現在のチーム状態にはファンでさえも辟易している。それが頑張って好投しても報われない先発投手たちならなおさらだろう。フロントがもしこのまま手をこまねいているようであれば、今後FA取得者を慰留することはさらに難しくなっていくはずだ。
今日先発した今井達也投手はよく投げてくれたと思う。最終的には8回を一人で投げ抜いて被安打4、失点2に抑え、見事HQSをクリアした。だがやはり残念と言わざるを得ないのが、初回に簡単に2本の長打を浴びてあっという間に先制点を献上してしまったことだ。
これによりライオンズの攻撃は2回の表の時点ですでに打てる手が減ってしまい、打線はヒットを打つことでしか点を取れない状況になってしまった。だが如何せん今のライオンズはヒットを打つことができない。現在は球団ワースト新記録の32イニングス連続無得点を継続している最中だ。
攻撃陣がまったく機能していないからこそ、エース今井投手としては何とか先制点を献上することだけは防ぎたかったわけだが、今日の今井投手の試合への入り方はあまり良くなかった。調子自体は悪くなかったように見えたが、しかし立ち上がりに関しては打者との対戦と言うよりは、自分との戦いになっているように筆者には見えていた。
そしてライオンズは反撃ムードが盛り上がることなく今日も完封負けを喫してしまった。これで3試合連続の完封負けとなり、これはライオンズ史上4度目、2009年以来の屈辱となってしまった。ちなみに2009年と言えば、渡辺久信監督が前回ライオンズを率いた6年間で、唯一Bクラス(4位)に沈んだシーズンだった。
はっきり言って、今一軍にいる戦力で巻き返すことは難しいだろう。さすがに栗山選手、中村剛也選手に頼っている時点で攻撃陣としてはかなり苦しい。補強、出血覚悟のトレードを敢行しなければ1ヵ月後はもうオールスターで、オールスターが終わればペナントレースはどんどん進んでいき、あっという間に今シーズンは終わってしまう。
後藤オーナーの先頭に立ってチームを立て直すという言葉の意味が今年なのか、それとも来季以降なのかは筆者には分からないが、しかし今季中にしっかりと補強やトレードを行わなければ、ベルーナドームの集客力はさらに落ちていくことになるだろう。とにかく間違いなく言えることは、無得点で勝つことは不可能だということだ。
交流戦を終えた後の数日間で、ライオンズは異例のチームバッティング練習を行った。なぜ異例かと言うと、シーズン中にプロ野球チームがチームバッティングの練習をチーム単位ですることなどまずないからだ。個々が送りバントや右打ちの練習をすることはもちろんあるが、チームとしてやることは普通ではまずありえない。
だがそうせざるを得ないほど、今のライオンズ打線は酷い状態なのだ。なおこのチームバッティング練習には栗山・中村両選手も参加したと言う。ベテランが免除されなかったというあたりも、首脳陣が野手陣に対し危機感を持つように煽ったと見ることもできる。
しかしその甲斐もなく、今日も5回に一死三塁一塁という同点のチャンスを得るも、源田壮亮主将がスクイズを失敗してファールにし、しかもその後はサードゴロを打ち三塁走者が三本間に挟まれるという最悪の結果になってしまい、やはり1点も挙げることができなかった。
だが渡辺久信監督代行になってからはチーム内に厳しさが見られるようになり、少しずつだが雰囲気も引き締まってきているようにも感じられる。しかし実際には引き締まったと言うよりは、若い選手たちがビビっていると言った方が正しいのかもしれない。
ちなみに先日行われた投内連携の練習で今井投手が悪送球をすると、それを見ていた渡辺監督代行が「達也ぁ!!」と一喝し、グラウンド内に一気に緊張感が走っていったと言う。その後今井投手は渡辺監督代行の元に呼ばれ、潮崎哲也編成ディレクターも並んだ状況で何かを言われたようだ。何を言われたかは分からないが、しかし恐らくは「エースであるお前がしっかりしないでどうする」といった内容の話があったのだろう。
それにしても、最近は毎試合観戦していてもファンとしては本当に辛い。まったく勝てる気がしないし、それ以前に点が入る気配さえないのだ。このような試合を子どもたちがベルーナドームで見せられれば野球は面白くないスポーツだと感じてしまい、二度とベルーナドームには訪れてくれないかもしれない。そうさせないためにもやはり、一日でも早い補強やトレードが必要になって来るのだと思う。