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2024年8月31日公開

渡辺久信GM兼監督代行が両職を辞任する可能性が高いとスポニチが報じる

渡辺久信GM兼監督代行が両職を辞任すると報道される

渡辺久信GM兼監督代行

今日ファイターズに敗れたことでライオンズのCS進出の可能性が0%となり、残り26試合を残しながらBクラスが確定してしまった。そして5位との差も17.5ゲームとなっており、これを残り26試合でひっくり返すことは事実上不可能とも言える。

この敗戦を受け、今季不甲斐ない戦いを続けたライオンズを振り返り渡辺久信監督代行は、「ひとえに私の力不足」、という言葉で締めくくった。だが力不足だったのは渡辺監督代行や松井稼頭央監督ではなく、紛れもなく選手たちだ。

そして選手と言っても今季在籍している選手だけではなく、ライオンズ最終年で呆れた行動により手を怪我しシーズンを棒に振った当時の正捕手、そして性的暴行事件で昨季はまったく試合に出ることなくFA移籍していった主砲、フロント批判をする外国人選手、SNS不倫やSNSナンパで大衆紙を賑わす選手、球団の権利であるはずのポスティングシステムを自分の都合で要求する選手など、とても日本で最も有名な企業の一つである株式会社西武ライオンズを代表するような選手とは思えなかった。

若手選手にしてももうすっかり負け癖が付いており、勝利への執念を見せてくれる選手は数えるほどしかいない。果たしてこのようなチームで、栗山巧選手中村剛也選手が来季もライオンズでプレーしたいと思えるだろうか?もう疲れ果て、このまま引退を決意してしまったとしても不思議ではないチーム状態だ。

そんな状況の中、スポニチは渡辺久信監督代行兼GMが、両職ともに辞するであろうという報道をしている。確かにこの成績を受けて職を続けることは難しいのだろう。だがスポニチが同時に伝えているように、渡辺久信GMは球団最大級の功労者であるため、例えばオーナー付きとなる特別な役職を与えられる可能性は高い。

球団は監督人事に関して9月以降に動き出すと語っているようだ。しかし実際に9月から動き出しては遅いため、間違いなく現段階ですでに監督人事に関しては話が進められているはずだ。ただ現状のライオンズを快く引き受けてくれる監督候補はそうはいないだろう。

森繁和氏の力を借りたい新外国人選手のスカウティング

内部昇格であれば西口文也二軍監督が一軍の指揮を執る可能性も高いわけだが、果たして一軍の監督経験がない西口二軍監督に今のライオンズを立て直す力はあるだろうか。もちろん将来的には西口二軍監督は名将ともなり得るが、しかし現段階でと考えると、今のライオンズを立て直すことは西口二軍監督にとってはあまりにも酷な作業となり、松井稼頭央監督の二の舞にもなりかねない。

そうなってくるとあとはもう外部招聘しかないわけだが、そうなってくると監督経験があり、監督職に復帰する意欲を持っている実力者と言えば落合博満氏、アレックス・ラミレス氏あたりが筆頭候補になってくるわけだが、弱体化したチームを強化したという実績においては圧倒的に落合氏の方が上だ。

しかも落合氏はGM経験もあるため、もうここは根本陸夫監督や星野仙一監督のように、GM兼任監督として落合博満氏にライオンズの再建を丸投げしても良いのではないだろうか。とにかく今のライオンズには血の入れ替えが必要であり、チームに少しでも野球以外のマイナス要素を持ち込んだり、血眼になって練習できない者はどんどん放出していくべきだ。そしてそれができ、実際過去にそれを断行して来たのが落合博満氏だ。

個人的には闘将星野仙一監督にライオンズを率いてもらいたい思いもあるが、しかし故人に監督就任オファーを出すことはできない。そうなって来ると実力者となると落合博満氏一択とも言え、落合監督を筆頭にし、森繁和コーチ、辻発彦コーチ、苫篠誠治コーチら落合野球を熟知するベテランコーチを招聘し、チームを一度解体するところから再建を目指すべきではないだろうか。

ちなみに渡辺久信GMが辞するということになれば、ヘスス・アギラー選手フランチー・コルデロ選手の残留の可能性もほぼなくなると言って良いだろう。だからこそここで南米に強いパイプを持つ森繁和氏の力が必要になって来るのだ。

森繁和氏がライオンズに復帰してくれれば、そのパイプを生かしてビシエド選手のような能力も人柄も優れた助っ人選手を連れて来てくれるはずだ。とにかくライオンズはエルネスト・メヒア選手以来当たりと呼べる外国人打者には恵まれていない。もちろんメヒア選手以降はしばらくの間は中距離ヒッターの獲得が続いたわけだが、しかしアベレージを期待した彼らも期待通りの活躍を見せることはなかった。

来季は中軸を担えそうな佐藤龍世選手平沼翔太選手が確かな成長を見せて来ているため、あと求められるのは四番を打てる長距離砲ということになる。このあたりはさすがにもうケビン・ホッジス氏とフェルナンド・セギノール氏に期待し続けるのは無謀だろう。この二人の駐米国際スカウトも刷新すべきだと筆者は考える。

堤義昭オーナーのようなチーム強化に対する情熱は見せない後藤高志オーナー

そしてこれだけ不祥事が続いている状況を考えると、渡辺久信GMが辞任するのであれば飯田光男球団本部長の辞任も避けることはできないだろう。また、奥村剛球団社長にしても残念ながら続投ということになれば逆風を避けることはできないはずだ。しかしチーム作りと経営をまったく切り離して考えるのであれば、まだ就任3年目の奥村球団社長の続投は現実的であるとは言える。

報道では「後藤高志オーナーを先頭にチームを再建する」と報じられているが、残念ながら後藤オーナーは野球に対して情熱を持っているタイプのオーナーではない。確かにかつての粉飾決済事件以降、後藤オーナーは全力でライオンズを守って来てくれたが、後藤オーナーはあくまでも経営者タイプのオーナーであり、例えば堤義昭前オーナーのようにライオンズを強くできるほどの辣腕ではない。

もちろん球団を強くするための資金はオーナー承認となるわけだが、後藤オーナーの役目はとにかくできるだけ多くの資金をライオンズのために捻出することだ。少なくともライオンズの選手がFA宣言した際、他球団と互角に渡り合えるだけの予算を用意しなければならない。

ちなみにライオンズは2022年オフにファイターズからFA宣言した近藤健介選手の獲得を目指したわけだが、ソフトバンク球団が提示した金額を見ると、まったく勝負にならないほどの予算しか用意することができなかった。それだけの予算だけでFA交渉を任された渡辺久信GMもまた不憫でならなかった。

西武ホールディングスの業績は近年好調だ。親会社の業績が好調の中でもまともな補強資金を用意することができず、選手がFA宣言した際には去る者追わずの姿勢を続けていては、ライオンズが強くなる日は永遠に訪れないだろう。そしてもし本当に今後もまともな補強資金を捻出できないのであれば、果たして西武ホールディングスはライオンズを保有し続けるべきなのだろうか。それさえも疑問に思えて来る。

そして渡辺久信GMが辞任した後は、また誰かがGM職を引き継ぐのだろうか。それともまた球団本部長がGM職を務めるようになるのだろうか。もし後者だとすれば、さすがに飯田光男球団本部長にライオンズを立て直せるだけの編成面における強いパイプはないと思われる。いや、ないと言えば失礼に当たるが、渡辺久信GMが持っていたパイプと比べると、果たして飯田光男球団本部長の役割とは、というふうに思えて来るのである。

そのため渡辺久信GMが辞任した場合は、やはり誰か別の有能なGMを招聘して来るべきだ。広岡達朗氏は石毛宏典氏をGMに据えると良いということを仰っていたが、確かにそれも一つなのだと思う。だが石毛氏は長らくNPBには携わっていないため、他球団のGMとの信頼関係を築けていない。

一方落合博満氏の場合は、弱体化した中日ドラゴンズを短期間で甦らせたという実績があるため、その実績に物を言わせて交渉を押し進めることもできるだろう。そのため筆者個人としては落合博満監督兼任GMが率いるライオンズを見てみたいと思っているのだが、果たして読者の皆さんはどう思われているだろうか。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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