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2024年1月 6日公開

これまで西武球団が獲得してきた人的補償選手の成功率は42.9%

西武球団が過去に獲得してきた人的補償選手たちの成否

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昨年末、仕事納めの直前になりようやくソフトバンク球団からプロテクトリストが届いたわけだが、年末年始の休みを挟み、現在西武球団では人的補償として指名する選手の選定作業を急いでいる。ちなみに渡辺久信GMは人的補償を得ることをすでに明言しており、これによりソフトバンク球団から1選手が西武球団に移籍し、同時に山川選手の昨季年俸の50%の金額1億3500万円がソフトバンク球団から西武球団に支払われることになる。

ちなみにプロテクトリストに関しては一切公開されていないため、我々ファンはもちろん、各社マスコミもその内容を知ることはできない。だが4軍まであるソフトバンク球団であることから、かなり有望な選手がリスト漏れしている可能性は高い。ではここで一度、過去にライオンズが人的補償で獲得してきた選手たちをおさらいしておきたいと思う。

2006年 豊田清投手の人的補償として巨人から江藤智選手を獲得
2008年 和田一浩選手の人的補償として中日から岡本真也投手を獲得
2014年 涌井秀章投手の人的補償としてロッテから中郷大樹投手を獲得
2014年 片岡易之選手の人的補償として巨人から脇谷亮太選手を獲得
2018年 野上亮磨投手の人的補償として巨人から高木勇人投手を獲得
2019年 炭谷銀仁朗捕手の人的補償として巨人から内海哲也投手を獲得
2023年 森友哉捕手の人的補償としてオリックスから張奕投手を獲得

以上のようにライオンズはこれまで計7選手を人的補償として獲得してきた。まず江藤選手に関しては、この獲得は大成功だった。もちろん全盛期ほどの活躍はできなかったわけだが、それでも勝負どころではしっかりと活躍してくれたし、何よりもまだ駆け出しだった中村剛也選手に四番道を説いてくれた。もし江藤選手の存在がなければ、中村選手が球史に名を残す選手になれていたかは分からない。それほど江藤選手の存在は、若き中村選手に大きな影響を与えていた。

岡本真也投手に関してはリリーバーとして比較的活躍してくれたと思う。僅か2年間の在籍ではあったが、試合状況を問わずいつでもマウンドに登ってくれるタフネス振りは心強かった。江藤選手と岡本投手に関しては、人選は間違いではなかったと言えるだろう。

しかし続く中郷大樹投手に関しては、前年2013年まではマリーンズでリリーバーとしてしっかり仕事をしていたわけだが、ライオンズではほとんど活躍することができずに僅か2年で戦力外となっている。

そして中郷投手と同年に獲得した脇谷亮太選手に関しては、2年間の在籍でかなり大きな働きを見せてくれた。だが2年経つとFA権を行使してジャイアンツに戻っていってしまった。これは脇谷選手を応援していたライオンズファンたちもかなり白ける結果となってしまった。

続いて高木勇人投手に関しては活躍できずに2年で戦力外となったが、内海哲也投手の獲得は大成功だった。残念ながら内海投手自身が一軍で活躍することはできなかったが、しかし若手投手への影響は絶大で、内海投手の経験値をライオンズに注入できたことは、チームとしては非常に大きな財産となった。

特に渡邉勇太朗投手にとっては師匠のような存在となり、引退後もライオンズに残り一年間は専任コーチとして活躍してくれた。内海哲也投手の在籍は5年間となったわけだが、この5年間は炭谷銀仁朗捕手流出の痛手を補えるほどのものだったと言えるだろう。

そして一年前にオリックスから獲得した張奕投手に関しては、ライオンズでは肩痛でほとんど投げることができず1年で戦力外となってしまった。この人選に関しては完全に失敗だったと言えるだろう。

上述のように7人中3人の獲得は成功だったと言えるため、西武球団のこれまでの人的補償での成功率は42.9%ということになる。近日中に渡辺久信GMはホークスから獲得する選手を発表するわけだが、ぜひ4人目の成功者となれるよう、ホークスから移籍する選手もそのつもりで福岡から所沢に移ってきてもらいたい。

今ライオンズが人的補償で欲しいのは将来のローテーション候補投手

そして数日以内にホークスから獲得する人的補償だが、やはり一番獲りたいのは将来的な先発候補ではないだろうか。ライオンズでは早ければ1〜2年以内に髙橋光成投手平良海馬投手がポスティングでメジャー移籍を目指すことが有力視されている。

その将来を踏まえて考えると、やはり1〜2年後に先発として成長してきそうな若手投手を獲得するのが、現状のチーム事情には最もフィットしていると思う。もちろん良い選手がいれば打者であっても獲得をしたいわけだが、現在野手陣で穴が空いているのはサードとセンターのポジションとなっている。

そしてサードにしてもセンターにしても今年は昨年とは違って熾烈な競争が生まれているし、競争している選手たちもまだまだ若く、近い将来ライオンズを去る可能性も低い。そのため余程の選手がリスト漏れしていない限りは、渡辺久信GMも野手は獲らないのではないだろうか?

渡辺久信GMは、ホークスから移籍してくる選手のためにもできるだけ早く決めたいと話しているため、恐らくは週明けには指名選手が発表されると思われる。

とにかく重要なのはできる限り将来的にライオンズの戦力になってくれて、なおかつホークスへのダメージが大きくなる人選をするということだ。そのためにもまだ若くて将来のローテーション入りが期待されている投手を指名するのが、現時点ではベストだと考えられる。

しかしリストの内容が公表されることはないため、これ以上は無責任に予測して書くことはできない。そのため筆者は数日以内に発表されるであろう人選を楽しみに待ちたいと思う。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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