2024年3月 6日公開
スポニチとスポーツ報知は今井達也投手が開幕投手に内定したという記事を出したが、どうやらまだ確定ではないようで、その他のスポーツ紙や一般紙では今井投手はまだ「開幕投手候補」という表現にとどまっている。
もちろん筆者個人としては今井達也投手に開幕投手を務めてもらいたい思いがある。なぜなら今井投手は少なくともここまでは、メジャー移籍に対する願望を口にしていないためだ。
髙橋光成投手と平良海馬投手に関しては二人とも、できるだけ早くメジャーに移籍したいという思いを持っており、実際にポスティングによるメジャー移籍を目指すことをすでに公言している。
やはり開幕投手というのは、この先もずっとライオンズのエースとして投げ続けてくれる投手に任せるのが一番だと筆者は考えている。もちろん松坂大輔投手のようなレベルが違う投手の場合は話も変わってくるが、早々にポスティング移籍を目指すことを公言している髙橋投手と平良投手に開幕を任せるよりは、今井投手に任せた方が将来性にも期待しやすくなる。
例えば髙橋投手が右肩のコンディションが問題ない状態で開幕投手を務めたとしても、今年活躍してチームが優勝すれば一年後にはライオンズのユニフォームを着ていない可能性が高くなる。それではまた一からエースを育てなければならないため、それならばメジャー移籍希望を口にしていない今井投手に開幕を任せ、今井投手が将来的には絶対的エースとしてライオンズを牽引してくれるように育成していくべきではないだろうか。
もちろんそのためには今井投手のパフォーマンスが開幕投手に相応しい水準になっている必要があるわけで、次回登板予定の3月9日の横浜でのDeNA戦にも、それが首脳陣によって見極められることになる。
ちなみに今井投手は自他共に認める楽天キラーだ。今井投手は2021年以降イーグルス相手に9連勝中で、イーグルス側も打倒今井投手を掲げながら、昨季も結局今井投手に黒星を付けることができなかった。
そして今季のライオンズの開幕の相手がまさにその楽天イーグルスで、しかも今季は夏までに、8カードのイーグルス戦が週末に組まれている。つまり今井投手が開幕を務めれば、8月までに8回イーグルス戦のマウンドに立てるということで、今井投手がそれにより勝ち星を稼げる算段も高くなる。
今井投手の次回登板は上述の通り3月9日の土曜日で、このペースで投げていけば3月29日金曜日の開幕戦に向けても調整しやすくなる。そう考えると、このタイミングで投げるということが今井投手の開幕投手内定を意味するとも見ることができる。だがこれに関してはやはり、まずは松井稼頭央監督の正式な言葉を待つべきだろう。
ちなみに今井投手には、髙橋投手以上の闘争心がある。相手に向かっていく気迫は鬼気迫るものがあり、この闘争心もチームのロケットスタートを実現させるためには効果的だと考えられる。
逆に髙橋投手は非常におっとりした性格で、体は大きくて威圧感があるのだが、闘争心ということになると相手を萎縮させるほどではない。だがそれが悪いことだとは言っていない。例えばかつての大エース西口文也投手もまた、闘争心を剥き出しにするタイプではなかったからだ。
分かりやすく区分するとすれば、髙橋光成投手が西口文也投手タイプで、今井投手は相手よりも絶対に先にマウンドを降りたくなかった松坂・涌井秀章投手タイプだと言えるかもしれない。そして闘争心をむき出しにすることが、飄々と投げることよりも優れているとは言わないが、しかし昨季は5位に低迷したチームを勢いづけるためには、今井投手の気迫溢れるピッチングは好材料となるはずだ。
とにかく現状で言えることは、今季の開幕投手の最有力候補が今井達也投手で、しかしまだそれは正式には発表されていない、ということまでだ。だが早ければ3月9日の試合後にも松井監督から開幕投手が正式に発表されることになるだろう。そのためにも今井投手は9日のDeNA戦で、首脳陣に迷いを生じさせない快投を披露してもらいたい。