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2024年6月28日公開

外崎修汰選手が復調するために必要なのは打撃改造ではなく明るい表情を見せ続けること

東北楽天ゴールデンイーグルス vs 埼玉西武ライオンズ/10回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
Lions 0 0 0 1 0 2 0 1 0 4 7 0
Eagles 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 1

継投○今井達也アルバート・アブレイユ
勝利投手今井達也 4勝4敗0S 2.08
本塁打外崎修汰(3)
盗塁/児玉亮涼(4)

外崎修汰選手が復調するために必要なのは打撃改造ではなく明るい表情を見せ続けること

ブルーユニフォーム効果に近づいている今井達也投手vsイーグルス

今井達也投手

今日は本当に好ゲームだったと思う。投げてはエース今井達也投手が8回無失点、打ってはチーム7安打で4得点を挙げ、イーグルスを0-4で下した。これで直近の5試合だけで見ると3勝1敗1分となり、チームも少し盛り返してきたのかなという印象だ。

なお今井投手は今日の勝利で2021年10月から始まった対イーグルスの連勝記録を13まで伸ばした。ライオンズファンとしては今井投手がイーグルス相手に13連勝してくれるのは嬉しいことだが、しかしどうしてイーグルスはここまで今井投手を打てずにいるのだろうか。

まずはやはり相性というものがあるのだろう。今季の成績だけを見ると、イーグルス戦の防御率は0.93となっており、WHIPも同様に0.93となっている。今季の今井投手はここまでホークス戦3試合、バファローズ戦1試合、マリーンズ戦1試合、ファイターズ戦1試合、カープ戦1試合、ドラゴンズ戦1試合、スワローズ戦1試合、そしてイーグルス戦4試合という登板になっているわけだが、対戦防御率が一番良いのが4試合投げているイーグルス戦となっている。

なお今井投手はホークス戦にも3試合投げているわけだが、首位相手に対戦防御率は1.71という好成績となっており、これだけ好投をしているのにホークス戦が未だ0勝0敗というのが痛ましい。それだけ打線が援護できなかったということであり、この中には当然勝ちに等しいピッチングが含まれている。

さて、イーグルスに話を戻すと相性だけでは語り尽くせない部分もある。なぜなら足掛け4年となると、イーグルスの打線の面子も多少なりとも変わってきているからだ。まったく違うメンバー、というわけではないが、主力を囲む面々の名前は変わってきているし、数年前は主力だった選手が今は脇役になっているケースも見受けられる。

それでもイーグルス打線が今井投手を打てないのは、イーグルスが勝手に身構えてくれているからだと考えられる。つまりイーグルスが勝手に今井投手に対し苦手意識を持ってくれており、プレーボールする前からイーグルス打線が今井投手を見上げてしまっているのだ。

例えばライオンズの黄金時代には、他球団はホーム球場でライオンズの全身ブルーのユニフォームを見るのが非常に嫌だったと言う。あの青いユニフォームを見るだけで他球団の選手たちは戦意を失ってしまっていたのだ。今井投手とイーグルスの間にも、恐らく同じようなことが起こっているのだろう。そしてそれを感じている今井投手自身も、イーグルス戦では力むことなく伸び伸びと投げているように見える。

今井投手が登板すると知ったイーグルス打線はそれだけで戦意を失ってしまい、それによってさらに攻略が難しくなっているものだと考えられる。そう考えると今井投手の調子がよほど低下しない限りは、まだしばらくはイーグルス戦の連勝は続いていくのではないだろうか。

得点圏打率がどんどん上昇してきている新四番・岸潤一郎選手

さて、打線の方は少しずつヒットが出始めている。もちろんまだ爆発力は見られないわけだが、それでも最近は7〜8安打打てる試合が徐々に増えてきた。岸潤一郎選手にしても四番に座ってからは毎試合ヒットが続いているし、直近の5試合では合計5打点を挙げている。一発こそそれほど期待はできないが、しかし四番としての仕事を見事に果たしてくれていると思う。

そして今日、岸選手の得点圏打率がついに.300まで上がってきた。これは本当に注目すべき数字だ。やはり四番打者はチャンスに強くなければならない。打率こそまだ.254と、だいたい4打数1安打ペースとなっているわけだが、それに対し得点圏打率は.300と大きく上回っている。

岸選手としては四番打者というよりは、四番目の打者という気持ちで打席に立ち、とにかく次の打者に繋ごうとしているのだと思う。だからこそ無理に力で弾き返そうとするバッティングを見せることはないし、コースに逆らわず、カウントによってバットの握りを変える柔軟さも見せている。

ちなみにライオンズには今、キューバ人選手を新たに獲得するという噂が流れているわけだが、岸選手が四番でこのように結果を残しているうちは、どのような強打者が入ってきても岸選手の四番は当面は続けるべきだと思う。そしてそれによって岸選手自身が自らの役割をしっかりと理解し、全うしやすい環境を整えてあげて欲しい。

活躍できなかったとしてももっと堂々としていて欲しい外崎修汰選手

さて、今日は怪我から復帰してきたばかりの外崎修汰選手がツーランホームランと二塁打を打ち、3打数2安打という活躍で打線を牽引してくれた。外崎選手の打率はまだ.234でしかないわけだが、今日の活躍をきっかけにし、もう一度開幕時の好調さを取り戻してもらいたい。

筆者は昨日、メンタルトレーニングを行っていない選手の好不調の波は大きくなると書いたわけだが、外崎選手はまさにその波が大きな選手だ。打てる時は面白いようにヒットを打てるのだが、一旦打てなくなるとパタっと打てなくなってしまう。これはもちろん打撃技術も影響しているわけだが、しかし不調の時は実力を発揮し切れていないと見る方が自然であり、そう考えるとやはり調子が下降気味になると、外崎選手の場合は気持ち的にも下向きになってしまうのではないだろうか。

活躍できていない時の外崎選手の凡打後の表情は本当に弱々しく、まったく自信を持てていないように見える。だが外崎選手の場合、打者としては超一流レベルとは言えないものの、.280程度で20本以上のホームランを打てる能力はあるのだ。しかしその実力を発揮し切れないというのはやはり、メンタルに安定感がないためだろう。

例えばヒットが打てないことが続いても、「今はたまたま良い当たりが野手の正面を突くことが続いているけど、基本に忠実にバットを振り続けていればまたすぐにヒットは出るようになるはずだ」、とポジティヴに考えていけるメンタルスキルが外崎選手には必要だと思われる。

かつて筆者は外崎選手には石毛宏典選手のようなタイプになってもらいたいと考えていた。つまり打率.300以上を打ち、30本弱のホームランを打てるような選手だ。辻監督時代にV2を成し遂げた際には、外崎選手はそうなれる可能性をまだ秘めていたのだが、近年はすっかり低打率に甘んじるシーズンが続いてしまっている。

低打率でで終えるシーズンを今季で終わらせるためにも、今季最終的に.300近い打率まで上げていくためにも、外崎選手にはもっと自信を持ってプレーし続けてもらいたい。怪我で抹消される前は、凡退した際には本当に情けない表情が中継に映し出されていた。だがプロ選手がそんな表情を見せていてはダメだ。

外崎選手には打てた時も打てなかった時も、堂々と胸を張ってダグアウトに戻っていってもらいたい。表情は行動に反映されることも多いため、凡打を打っても堂々と帰ってくる姿を見せ続けていれば、ヒットが打てない時期はそう長くは続かないはずだ。

相手バッテリーからしてもアウトになったのに堂々としている選手を目にすると、「あれ?この打席は打ち取れたけど、あの選手なんだか調子が良さそうな顔しているなぁ」と、勝手に警戒してくれるようになるのだ。このような心理を相手バッテリーに与えることができると、相手投手の手元は狂いやすくなり、甘いボールが来ることも増え、その結果外崎選手のヒットも増えていくというスパイラルに入っていくことができる。

だからこそ外崎選手には今後も、活躍した今日見せたような表情を、活躍できなかった日にも見せ続けてもらいたい。そうすれば外崎選手はきっともっと安定感のある打者になれるはずだし、そうなれるだけの実力を外崎選手は持っているはずなのだ。筆者はそう頑なに信じ、明日も外崎選手の打席を応援したいと思う。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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